開催日 平成31年11月10日(日)午後1時~4時30分
会 場 手賀沼湖畔 アビスタ第3学習室
講 師 「新アララギ」選者 吉村 睦人先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
8月29日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆吉村先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の前代表です。開成高校教頭・青稜高校校長を歴任するなど教育者としても知られています。
☆見学または入会を希望される方は下記にメールしてください。
eizan@plum.ocn.ne.jp 手賀沼アララギ短歌会 今野
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:スイッチを入るれば鐘や太鼓が音を発しタイヤ廻すも芸術作品(新アララギ2019.9)
佐々木フミ子:まだ寒き朝の沼辺に鳰鳥の浮巣包みて霧流れ行く(新アララギ2019.9)
千葉照子:筆跡に意図顕るるを避くるためゴム型つくり作業を絵にす(歌会2019.9)
今野英山:カペラッチにトルッテリーニ馴染みなきパスタの美味しこのボローニャに(新アララギ2019.9)
高橋毬枝:暑き夜ガラスに張り付くこの守宮近づく小虫を瞬間捕へぬ(新アララギ2019.9)
山崎日出男:(歌会2019.8)
麦島和子:*労働力足りぬ日本を補いたる外国人労働者の働き思いぬ(新アララギ2019.9)
岸野トモヱ:*この夏はほおずき多く花もちて赤き実となり狭庭明るし(歌会2019.9)
大倉康幸:*本家など気にしていても仕方無い血は半分ずつ薄くなりゆく(新アララギ2019.9)
相川盈子:*梅干を漬けざる年は障りありと家訓守りて母は逝きたり(新アララギ2019.9)
宮本通代:外歩きの暑さ収まるころに来て葱たつぷりのどぢやう鍋を食む(新アララギ2019.9)
葛岡昭男:*パソコンの術語に一日疲れし夜大和ことばを恋いつつ眠る(新アララギ2019.9)
丸山さち子:*せつなさを知り初めしころきみと見し北鎌倉の青き紫陽花(新アララギ2019.9)
戸田邦行:*救急を呼べば仕事が滞るただそれだけが心を占める(新アララギ2019.9)
鈴木英一:ウィーンにはクラシックコンサートのビラあふる今宵のディナーショウが待ち遠し(歌会2019.9)
新アララギ 2019年9月号より
・今年また明日香の会のとき迫る君が手塩に育ちし会が
・死を前に命のびよと訴へし文読むときに泪出でたり
・若き日の小谷氏鍛へし小宮欽治わが兄を教へたまひし高校教師
・妻子去り孤独死とげし小宮氏の家思ひ出づ軒低き家を
・「あらかし」を断念せしより二十年大和への思ひ深まる時に君亡し
・穏やかな君に豪毅なる歌のあり那智の瀑布を詠みにし一首
新アララギ 2019年9月号より
・前例にしないことを前提に認めるといふいいことなら前例になってよいではないか
・猛暑にて使用禁止となってをり総合運動場に人影のなし
・「爺よりも八十七歳若いんだ」母親とともに幼も笑ひぬ
・あの世でも戯れてをらむか猫埋めしあたりに茂る猫じゃらしの穂
・穂高岳涸沢のごとく見えてゐし雲がいつしか八ヶ岳となりぬ
・自らも哀れと思ふのみにして迫力のなし老いての怒り
手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2019年10月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されています
・食洗機にあとを任せて星空を市民楽団の練習に行く(館山 相川盈子)
・陽が沈む時間の早き秋の暮れ急いで抜ける森の小径を(柏 大倉康幸)
・塗り立ての青壁のごと晴れ渡る台風一過の空見上げゐる(我孫子 須田博)
・使ふなく捨てむと広げまた畳む青蚊帳の薫りにわが里ありて(柏 高橋毬枝)
・金貯まらず塵溜まりては捨てる日々仕事に追はれ絵を描く間無し(松戸 千葉照子)
・枯葉のあはひに見ゆる沼の面に寄せ来る波は三拍子なり(我孫子 山崎日出男)
開催日 平成31年10月13日(日)午後1時~4時30分
会 場 手賀沼湖畔 アビスタ第3学習室
講 師 「新アララギ」選者・代表 雁部 貞夫先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
10月3日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の代表・選者です。登山家としても知られています。
歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
eizan@plum.ocn.ne.jp 手賀沼アララギ短歌会・今野英山
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:雄の孔雀は園内気ままに羽広げ雌の九羽は群れて動かず(新アララギ2019.8)
佐々木フミ子:煩はしと思ひ来しものを入院せし夫の鼾の聞けぬはさびし(新アララギ2019.8)
千葉照子:亜麻色の髭蓄ふる青年は御籤(みくじ)の箱を念入りに振る 浅草寺本堂前(歌会2019.8)
今野英山:上手より面白い方がずつといい現代アートも図画の授業も(新アララギ2019.8)
高橋毬枝:サックスを吹く君の背(せな)見手をりぬ夕日の土手のわが原風景(新アララギ2019.8)
山崎日出男:セーラー服の君の唄ひし「平城山」の彼の日の調べ訃報に想ふ(歌会2019.8)
麦島和子:*目覚めよと地の生き物に叫ぶべく春の光は強くさしいる(新アララギ2019.8)
岸野トモヱ:*幼き日捕鯨船とは身近にて友の親御は髭の船長(歌会2019.8)
大倉康幸:*鉄道の駅から遠いというだけで寂れ行くのかわが隣り町(新アララギ2019.8)
相川盈子:*三歳の息子の描きしもぐらの絵息子に送る手紙を添えて(新アララギ2019.8)
宮本通代:実らずに黄ばむ空豆を引き抜きて石灰を撒き鍬を振り上ぐ(新アララギ2019.8)
葛岡昭男:*ふるさとより来し行商の海苔売りが親しき友の訃報を告ぐるなり(新アララギ2019.8)
丸山さち子:*種を蒔き収穫待たずに逝きし父いんげん豆の小さき花よ(新アララギ2019.8)
戸田邦行:*危機感を持ちて叫ぶは老ばかり若者すでにあきらめており(新アララギ2019.8)
鈴木英一:藤原京の散策講座の講師言ふここもあそこも発掘したしと(歌会2019.8)
新アララギ 2019年8月号より
・人知れずアサギマダラは翅やすむ秋山郷の廃れし村に
・アサギマダラわれの指(おゆび)に着地せり茛吸ひゐるわれの指に
・いつよりか苺つぶさず吾は食(は)む老いて短気になりし印か
・耳許に食材こまごま語るシェフわれには無用声ききがたく
・今の世は令和令和と浮かれすぎその名を背負ふ人思ふべし
・世の中のどこに隠れてゐたりけむ俄か「万葉」店頭埋めて
新アララギ 2019年8月号より
・思はず「お父さん」と言つてしまひたる友の父上やさしかりき
・店頭での爺と婆との争ひを微笑みて待つ売子の処女(をとめ)
・バス停の上に葡萄蔓伸び出でて日陰を作り実を垂らしゐる
・掃溜め菊見かけずなりて幾年か今年目に付く松葉雲蘭
・穴あれど出で入る蟻の乏しかり蟻も少子化余儀無きらしも
・父母がなほも祈るを見て幼再び小さき手を合はせたり