開催日 平成31年3月10日(日)午後1時~4時30分
会 場 手賀沼湖畔 アビスタ第3学習室
講 師 「新アララギ」選者・代表 雁部 貞夫先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
2月28日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の代表・選者です。登山家としても知られています。
歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
eizan@plum.ocn.ne.jp 手賀沼アララギ短歌会・今野英山
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:動物の虐待などと言ふを止めよシャチも少女と夢中に泳ぐ(新アララギ2019.1)
佐々木フミ子:開発に水辺追はれしか今朝庭にオハグロトンボあまた来てゐる(新アララギ2019.1)
木村和子:街路樹の槻はことし二重苦にて枝切りの春塩害の秋(新アララギ2019.1)
千葉照子:六センチの吾が子は鼻穴や五本指細(こまか)き器官を既に備ふる(歌会2019.1)
今野英山:平日の美術館の列長々し団塊の世代は野に放たれて(新アララギ2019.1)
高橋毬枝:走りゆく珠洲の山並にぐんと立つ六基の風車が緩やかに回る(新アララギ2019.1)
山崎日出男:墓石に無の一字のみ刻まれし小津安二郎は円覚寺に眠る(歌会2019.1)
麦島和子:*畦道に黙し昼餉の老夫婦ツクツクボウシ突如鳴きだす(新アララギ2019.1)
岸野トモヱ:*武士の世を終わらせんとて相討つは仲良き同士何と悲しき(歌会2019.1)
大倉康幸:*小さくとも感謝されて生きていきたい自分の出来る範囲のことで(新アララギ2019.1)
相川盈子:*冥土には方向音痴も行けるかと祭壇の叔父に叔母は聞きたり(新アララギ2019.1)
宮本通代:台風の度に倒れしゴーヤー棚三度目つひに起こすことせず(新アララギ2019.1)
葛岡昭男:*リュックには仲間に配る飴入れて生涯大学校の旅人となる(新アララギ2019.1)
丸山さち子:*獅子舞えば母のうしろに隠れし日故郷の町は今日秋まつり(新アララギ2019.1)
立川多喜子:アララギに話及べば診察を忘れて左千夫を語りてつきず(新アララギ2019.1)
戸田邦行:*神様が気まぐれなのは知っているだから私は神に祈らず(新アララギ2019.1)
鈴木英一:本土寺の裏庭よぎる渡り廊下くぐり抜けて長きを確かむ(歌会2019.1)
新アララギ 2019年1月号より
・半ばまで雪をかぶりし富士の峰見つつし思ふ君亡き今を 小谷稔氏逝く
・夜を徹し友の下宿にアララギを語り合ひしよ六十年前
・君が葬り忙しく終へて帰り行く秋篠寺の塀に沿ひつつ
・この寺の伎芸天見む願ひ持ち一人詣でき大学一年冬の休みに
・君亡き今われらは如何に進むべき考へあぐねて一日また過ぐ
・思ひ立ち君の『アララギ歌人論』読めば見えくる歌の手がかり
新アララギ 2019年1月号より
・ゆくりなく秋篠寺の脇の道通りて通夜よりわが帰り来ぬ 悼小谷稔氏
・宮地先生と三人この庭に語りたり『アララギ』のことそれ以後のこと
・大和三山大峯登山芋峠越夏休みごと三人(みたり)にて為しし幾年
・国内留学にて上京せし君わが家に寝泊まりせしひとときのあり
・年遅れ大学に学び合ふわれら先輩清水房雄羨みたりき
・わが歌集『吹雪く尾根』の歌評君の評論の手始めなりき
池之端今昔(今野英山)
・ここに来てふつきれさうな空がある不忍池の末枯るる蓮田
・景観を横取る高層マンションは蓮のはたてをてんでんにたつ
・弁天堂をはるかに見下ろす超高層いづれが聖でいづれが俗か
・街路樹とビルの高さの論ありてそこにぐさりと超超高層
・池之端の高みに構へし岩崎久弥亜米利加に追ひつく術をめぐらす
手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2019年2月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されます
・半日をおが屑まみれで作りたる薪の束にも夕日射し込む(館山 相川盈子)
・ひとり居の友は車を手放しぬ医師やみ子らに説得されて(取手 木村和子)
・母に代わり入学式に来てくれし着物姿の祖母が恋しい(松戸 戸田那行)
・罪の無き五歳のおさなを死なしむ世つばめは今宵も子に餌を運ぶ(土浦 丸山さち子)
・小さき子も声はり上げて鬼やらい平穏であれ子らの行く末(つくば 宮本通代)
・LPに針を落とせば柔らかきアナログの響きわが身を包む(我孫子 山崎日出男)