7月は「新アララギ」の全国歌会があるため、講師先生のご都合で「手賀沼アララギ短歌会」はお休みです。
次回は8月11日(日)となります。
場所は手賀沼湖畔 アビスタ第3会議室
講師は雁部貞夫先生を予定しています。
7月のブログ更新時に詳細をご案内します。
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:同じ年の君の逝きたり去年に生(あ)れし曾孫はしかと抱きたりしか(新アララギ2019.5)
佐々木フミ子:民謡の多くは反戦の歌と知りしみじみと聞くカチューシャの歌(新アララギ2019.5)
今野英山:ビルの間にネガのごとくに残りたる表具屋畳屋この下町に(新アララギ2019.5)
高橋毬枝:広き視野持てと見開く広目天の目と親しみて吾が年明くる(新アララギ2019.5)
山崎日出男:子や孫の暮らしやいのちが質草か借金重ねて武器買ふわが国(歌会2019.5)
麦島和子:*父母の助けをかりて子育てせし頃を思いて今を努める(新アララギ2019.5)
岸野トモヱ:*新宿から登戸中原新丸子桜愛でつつ慣れし地歩く(歌会2019.5)
大倉康幸:*目的は七福神巡りより歩くこと広い市内をあちこち廻る(新アララギ2019.5)
相川盈子:*冬ごもり終えし蜜蜂安房を立つ北へ咲き継ぐ花を求めて(新アララギ2019.5)
宮本通代:悔いはないと言ひつつ溢るる涙あり悔しさにじむ稀勢の里の引退会見(新アララギ2019.5)
葛岡昭男:*園児らが選んで描いた母の顔園の廊下に優しく掛かる(新アララギ2019.5)
丸山さち子:*デイサービスの職員のためと青色のマフラー編みき九十の母は(新アララギ2019.5)
戸田邦行:*疑いて日々を生きるに疲れ果て妻と二人でネットに逃避(新アララギ2019.5)
鈴木英一:沖縄の真栄田岬より見し海の色いきなり青へストンと変はる(歌会2019.5)
新アララギ 2019年5月号より
・映画待つあと一時間なに読まむ「大御歌」なる特集読むか
・沖縄の「分断」嘆きしその口にて「大御心」を謳歌するとは
・どんな思想持つも自由ださりながら若い寺井も先棒かつぐ
・擬態変態変節するは世の常か歌詠む者も例外ならず
・史上最悪好戦的なる人物を平和の使途とするのは誰だ
・いち早く「人間宣言」せし天皇を忘るるな「忘却」は吾ら歌詠みの得意技らし
新アララギ 2019年5月号より
・典籍の閲覧ならねど二十年振りに静嘉堂文庫を今日訪ね来ぬ
・吟行会の帰り途なりといひながら摘みし土筆を分けて呉れたり
・ベランダの小さき鉢に何草か萌出づる春となりにけるかも
・ 「人生の並木路」を共に歌ひたる妹は今一人病みゐる
・池あれば池あるごとに若き女(め)が身を投じたる伝説のあり
・最前列に座ってゐたるこのわれに声掛けくれしドナルド・キーン氏
5月30日(木)、天候に恵まれたの中、恒例の吟行会を行いました。
場所は浅草で、雁部先生以下9名が参加しました。
浅草寺でお参りをしてから、喜劇人の碑や映画弁士の碑などのある奥山、浅草六区のブロードウェイと旧東洋館・フランス座などを見学。
さらに合羽橋商店街を通って源空寺に行きました。この寺の墓地には伊能忠敬の墓を始めとして、シーボルト事件で獄死した高橋景保や谷文晁、幡隋院長兵衛などの墓があり、雁部貞夫先生から解説していただきました。
食事は泥鰌と鰻の老舗「飯田」です。
手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2019年6月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されています
・芍薬が咲いたら兜飾らむと今年も思う何時ものように(我孫子 岸野トモヱ)
・父親と引越しの手伝ひに行く孫に新しき軍手を持たせてやりぬ(取手 木下和子
・明日には君はもう居ぬこの村の夕焼けを今我は見ており(流山 葛岡昭男)
・楽しげに産後のことなど妻と娘の電話漏れくるわが部屋内に(柏 今野英山)
・一連に羽光らせて何鳥か円かな月の下びを行けり(牛久 佐々木フミ子)
・健やかに生きるを誓い友と歩む歩幅を広げ早足をして(柏 麦島和子)