開催日 平成29年3月12日(日)午後1時~4時30分
会 場 手賀沼湖畔 アビスタ第3学習室
講 師 「新アララギ」選者 吉村 睦人先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
3月2日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆吉村先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の前代表です。開成高校教頭・青稜高校校長を歴任するなど教育者としても知られています。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
yohkuraq@gmail.com 手賀沼アララギ短歌会
新アララギ 2017年1月号より
・若き日に父母失ひてめげざりし吉田正俊つよき人なり
・付箋紙を次々貼りゆく老いの歌吉田正俊三十八歳
・鷹揚に四、五枚の札下されき鯰料理店出づるとき
・「世に背く思ひ残る」と詠みましき八十八歳晩年近く
・群山の奥にそば立つ白山よ雲の合ひ間に朝(あした)輝く
・しばしして雲は崩れて山おほふ遠く恋しき加賀の白山
新アララギ 2017年1月号より
・いつになつたら人間は戦争を止めるのか滅亡した時さと言へる者あり
・今更言ひても仕方なきことに気付きてわれは口噤みたり
・太田道灌ゆかりの社と誌されて垣の山吹に返り咲く幾花
・立ち並ぶマンション見つつわが思ふ四十年のここの町並
・教へることは学ぶことと常思ひ六十幾年か教師続けきぬ
・「面練る」の語源のごとく右左に顔を向けて話ゐるなり
三谷和夫:トースター壊れてごみを出さむとす世話になりしを声に謝しつつ(新アララギ2017.1)
佐々木フミ子:スーパーマリオ演じし思ひに取り組めよ汚染の水もれ止めむ手立てを(新アララギ2017.1)
木村和子:長雨にコインランドリーをよく使ふ仕上がりは良し若きにも会へる(新アララギ2017.1)
今野英山:海面より亡霊の髪出でしごと溶樹(ガジュマル)は茂る女学校の地に(新アララギ2017.1)
高橋毬枝:髪染めを止めて白さの増す様を鏡に見つむ母に似るかも(新アララギ2017.1)
麦島和子:*ゆったりと流れるような動きなり太極拳に滲み出ずる汗(新アララギ2017.1)
大倉康幸:*久しぶり乾いた空気味わえた季節はもはや秋の始まり(新アララギ2017.1)
前澤重成:*我が家での守り神なるヤモリ様晴れた日もまた姿を見せよ(新アララギ2017.1)
相川盈子:*手分けして干し柿百個吊し終え二人の暮しの続くを願う(新アララギ2017.1)
葛岡昭男:*研ぎ終えし包丁義父は撫で絆斬るなと言いて返しぬ(新アララギ2017.1)
新アララギ 2016年12月号より
・『天沼』に書き込む若き日の熊谷評「ウマイ、面白イ、鋭敏ナリ」と 吉田正俊氏を思ふ
・「熊谷も俺を残して逝ったか」と嘆きし思ふその孤独感
・「落合君は文明先生に殉じた」と取り残されし思ひ語りき
・「世に背く思ひ残る」と詠みましき八十八歳晩年近く
・百円売り場めぐり来りて七色の付箋紙見つく有りがたきかな
・水色の付箋紙貼りゆく老いの歌吉田正俊三十八歳
新アララギ 2016年12月号より
・田に水を揚げる水車のありたるを誌しし小さき石文のあり
・油点草(ほととぎす)に蕾数多付きてをり病みて構ふなかりし鉢に
・「はづみ」が「はずみ」に誤植されてをり仮名遣に激しき君の歌集に
・野牡丹の花咲く見れば思ひ出づこよなく愛でし吉田先生
・釣堀の後は公園となりてゐて水辺に幾種かの水生植物植う
・歌碑作る話に移れば風邪気味を理由にわれは退席をしぬ
三谷和夫:弟の逝きて三年か一代を木工の技知られしものを(新アララギ2016.12)
佐々木フミ子:雨やみし今宵西空にアンタレスと火星土星の小さき三角形(新アララギ2016.12)
木村和子:『鉄鉛集』の歌の中に「茅野貫一氏」わが忘れ得ぬ教師の名なり(新アララギ2016.12)
千葉照子:親族は代はる代はるに桐箱の御骨手に取り墓穴に撒く(歌会2016.12)
須田博:やうやくに山羊の呪ひの解けたるか「カブス」優勝す百八年振りに (大リーグ) (歌会2016.12)
今野英山:穏やかな記憶の祖父には別の顔近寄れぬほどの厳しき教師(新アララギ2016.12)
高橋毬枝:屋上にて子午線を究め歩測にて日本の国形を確と残せり(新アララギ2016.12)
山崎日出男:人殺す武器を輸出し国を富ます危に傾ける政治を嘆く(歌会2016.12)
麦島和子:*書を学ぶ卒寿の母が筆を執る楽しさ覚えしか日課となせり(新アララギ2016.12)
岸野トモヱ:*年老いて巡り逢うこと叶うなら幸せという語も好きになる(歌会2016.12)
大倉康幸:*思い出の残るコースを今日は行く共に歩きし人今はなく(新アララギ2016.12)
小那覇暁美:*新しき丘陵のうえの街の中空き家がそこにもここにもありて(歌会2016.12)
前澤重成:*診察はいつものように三分間画面は見るも患者我を見るなし(新アララギ2016.12)
相川盈子:*象のはな子長生きしたね六十九歳故郷のタイの空に還れよ(新アララギ2016.12)
手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2017年2月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されます。
・水が飲める灯火点るお湯が沸く命を繋ぐ日々を尊ぶ(我孫子 山崎日出男)
・「白樺村」成りて百年この年を祝ひ語らむ幾つかの会に(我孫子 三谷和夫)
・一啜(いつとつ)は最も清しと習ひつつ沈める濃茶を音立て吸ひきる(松戸 千葉照子)
・老いの我失念する事度度に眼鏡ぽつむと洗面台に(我孫子 須田博)
・妻の荷を少し軽めに調整し札所めぐりの巡礼に出る(流山 小熊宗克)
・嫁の身丈に合はせて袴直しをり教職に長く我が着けしもの(取手 木下和子)