須田 博(入選)
・どくだみの真白なる花咲く見れば無下には抜けずはびこるままに
・炎天にめげず咲き継ぐ夾竹桃忘るな八月六日九日を
葛岡昭男(入選)
・任地より帰りし居間の仏壇に母の好物リンゴが匂う
開催日 平成31年2月10日(日)午後1時~4時30分
会 場 我孫子北近隣センター並木本館1F多目的ホール
講 師 「新アララギ」選者 吉村 睦人先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
1月31日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆吉村先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の前代表です。開成高校教頭・青稜高校校長を歴任するなど教育者としても知られています。
☆見学または入会を希望される方は下記にメールしてください。
eizan@plum.ocn.ne.jp 手賀沼アララギ短歌会
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:眼も口も大き土偶に親しみて物言ふが如向かひてゐたり(新アララギ2018.12)
佐々木フミ子:冴ゆる月「静かの海」の彼のあたり放射能なき空洞あるとぞ(新アララギ2018.12)
木村和子:「ただ生きているだけではつまらないよ」米寿の恩師は喜寿の吾らに(新アララギ2018.12)
千葉照子:吾が胎児の心拍停止を告げられて忽ち失せるわが幸ひは(歌会2018.12)
今野英山:鈴木清順撮りしツィゴイネルワイゼンを今見て理解できるかあの死生観(新アララギ2018.12)
高橋毬枝:棚雲の広くかかりし空の下時移る風おほらかに吹く(新アララギ2018.12)
山崎日出男:四年ほど交友ありりしフジコ・ヘミング ラ・カンパネラのCD親し(歌会2018.12)
麦島和子:*月明かり広らに差しいる夜の街すだく虫ごえ秋めぐり来て(新アララギ2018.12)
岸野トモヱ:*チケットを求めんとして窓口捜すスマホパソコン使えぬ吾は(歌会2018.12)
大倉康幸:*頑張った昔のことを聞かれるとまた頑張ろうとネジ巻き直す(新アララギ2018.12)
相川盈子:*房総半島最南端の灯台に立ちたる母を夕日に思う(新アララギ2018.12)
宮本通代:二巡目の祥月命日に咲き初めし秋明菊を御霊屋に飾る(新アララギ2018.12)
葛岡昭男:*内視鏡の順番を待つ老夫婦妻が夫に御守り渡す(新アララギ2018.12)
丸山さち子:*丸めがねの奥の瞳と目が合いぬ藤田嗣治の自画像のまえ(新アララギ2018.12)
立川多喜子:八月は原爆の月敗戦の月別きてもかなし母の忌なれば(新アララギ2018.12)
戸田邦行:*過去を悔い未来への不安を抱えつつ眠れぬ時が刻々と過ぐ(新アララギ2018.12)
鈴木英一:ITはエネルギー食ふ大食漢放つて置くと食ひ尽くされる(歌会2018.12)
新アララギ 2018年12月号より
・札幌の雪の夜道に倒れたりし友元気にて車椅子こぐ
・この友と石狩湾を北上し増毛目指しき「雄冬」の岬を越えて
・雄冬岬は名に負ふ蝦夷の三嶮かかつてここも鰊の漁場
・増毛には何があるのか野暮言ふな暑寒別の山水(やまみづ)かもしし「国稀」が待つ
・利き酒の杯いく度も替へありき札幌の友も吾も若くて
・朝(あした)行き昼も「利き酒」に入りし倉少女居て言ふ「利かなかつたの」
新アララギ 2018年12月号より
・われもすぐ行くと思へば悲しみもさびしさも無し義弟の火葬
・大好物の栄蜾をまたも貰ひたり安房鴨川出身のわがクリーニング店
・乳母車押す母親に寄り添ひて車に手を掛け一心に歩く幼
・好きだけど短歌(うた)の下手なりし父なりきそれと殆ど変らざるわれ
・亡き母と久し振りに会ひし夢コスモスの咲く花野の中にて
・還暦が米寿を祝ふ級会今年は是非とも行かむと思ふ