手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2014年10月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されます。
・孫祝ひの宴の最中起きし揺れ東日本大震災の日幼も二歳 つくば 宮本通代
・老いて尚ほめ言葉受くる嬉しさに師を前にして恥づる児のごとし 柏 高橋毬枝
・廃屋にはびこる蔦のもみぢしてフレスコ画のごと夕日に映ゆる 取手 木下和子
・知らぬ間に息をひきたる猫抱けばまだぬくもりのありて悲しき 我孫子 岸野トモヱ
・あらし過ぎ風雨に耐へし樹に草にやさしく差せり月の光は 我孫子 小熊宗克
・断れぬ性分ゆえにまた一つ仕事のふえて四月を迎う 土浦 相川盈子
現代短歌新聞2014年9月号の読者歌壇(筒井早苗選)に、当会から次の作品が掲載されました。
須田博(千葉県)
・予報士は台風接近告げゐるも空青青とその気配なし
開催日 平成26年10月12日(日)午後1時~4時30分
会 場 我孫子駅前 けやきプラザ第一会議室
講 師 「新アララギ」選者 雁部 貞夫先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
10月2日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の編集委員・選者です。登山家としても知られています。
歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
yohkuraq@gmail.com 手賀沼アララギ短歌会
新アララギ 2014年8月号より
・高麗川の巾着田に採りて五十年二株三株春蘭の咲く
・文明邸より巡りめぐりて吾が庭に今年も繁るこのアカンサス
・坪庭を覆はむばかりのアカンサスこの幾年か花茎立てず
・十年(ととせ)経て花の咲きしはただ一度このアカンサス葉の繁れども
・この朝もわが薔薇垣に媼よしばしその香たのしめ
・道庁の園に仰ぎし蝦夷山桜相見し人も逝きて三年(みとせ)か
新アララギ 2014年8月号より
・久し振りに来たりし国会図書館は電子化されゐてしばし戸惑ふ
・一生をかけて償はねばならぬとは何についての夢にてありしか
・地震なのかわれの身体の揺れなるか分からずしばしわれはをりたり
・遠足か校外学習か幾組かの小学生らと船に乗り込む 佐渡にて
・北一輝兄弟(あにおとうと)のリリーフありわが知るは別の弟にてあらむ
・朱鷺保護の標語考へる子写生する子孵化の映像を凝視する子ら
三谷和夫:百歳の君の通夜なり我は宿に遠く偲びて酒少し飲む(新アララギ2014.8)
佐々木フミ子:先生の待たるる思ひに歩の軽し雨の青葉のみ墓へのみち 宮路先生展墓(新アララギ2014.8)
細田雄子:この重き歌集に思ふ恙あれど五感たしかに生くるわが身を 明石海人歌集(歌会2014.8)
木村和子:和種のたんぽぽ墓の廻りに増えておくれ友の携へし綿毛を飛ばす(新アララギ2014.8)
千葉照子:宿屋より百段降りて岩風呂あり阿武隈の谷に楽翁愛でし(歌会2014.8)
須田博:指示されて日の丸振りて万歳と征く人送りし昭和の子供ら(歌会2014.8)
今野英山:歌にあひて八年過ぎぬ七百余首選(よ)りわけて見るわが生の跡(新アララギ2014.8)
高橋毬枝:奥つ城の標(しるし)なぞりて浮かび来ぬひとたびのみの強き握手を 宮地先生(新アララギ2014.8)
小熊宗克:散り際に美学を持たぬ為政者に大和心を求むる空しさ(歌会2014.8)
山崎日出男:庭の芝刈り終へ憩う昼つ方鮭焼く匂ひ隣家より来る(歌会2014.8)
麦島和子:*花満つる桜木の下手をひかれ歩む媼の面輪穏しき(新アララギ2014.8)
岸野トモヱ:長門にて氏残したしと祖の願い筑紫に移るを如何に思うや(歌会2014.8)
大倉康幸:*近くでもきっかけが無く行きづらく用事が出来て堂々と行く(新アララギ2014.8)
小那覇暁美:*オレンジに染まるガラスの高層ビル真っ赤なんだろう見えぬ夕陽も(歌会2014.8)
前澤重成:藪歩き草をかき分け飛び退(すさ)る足元に一つまむし草咲く(歌会2014.8)
相川盈子:*JAXAにて買いし子どもの宇宙服つるして待ちぬ孫の誕生(新アララギ2014.8)
宮本通代:水張田に逆さ筑波に早苗ゆれ田植え終はりて静けき朝(新アララギ2014.8)