チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

トスカを見る聴く

2011年10月16日 13時35分20秒 | 日記
オペラのトスカは残酷で緊迫感がある
ローマ帝国とナポレオンの権力交代時の話
普通アリアをここぞとばかり目立たせるのだが
このトスカはずーっと歌がまるでセリフのように
流れているので
アリアに拍手するのタイミングが難しい

しかし第二幕の有名なアリア
「歌に生き、恋に生き」
というソプラノのアリアはきちんと独立しているので
拍手し易い

逆にみんなに知れ渡っているだけに
旨い下手もすぐわかる
チャコちゃん先生一生のうち
このアリアを歌いたいと熱望しているが
一生歌えないだろうということも分かっている
一緒に行ったタナカが
「音程を下げておやりになればーー」
とからう

オペラのアリアは原調でないと心が伝わらない

恋人の命を助けようとするトスカが
祭壇にいつもお花をささげました
弱い人には優しくいたわりました
貧しい人たちにたくさんのご奉仕をさせていただきました
ですから神様
どうか私の願いをお聞き届けください
これからも神様あなたを裏切るようなことはいたしません

と切々と歌う
このアリアだけが単独で歌われているので拍手が出来る
10年位前ウイーン歌劇場で聞いたとき
拍手が鳴り止まずそのときの歌姫が
アンコールに応えもう一度歌ってくれたことがある
本当にいい歌だ

マリアカラスが最も得意としていたアリアで
CDで聴いても胸を打つ

この日も若手のハンガリー生まれのソプラノ歌手が
胸を打つ演技と歌唱だった

オペラ歌手は体が命
体調管理は大変だろうと思う
なにせ自分の体が楽器だから

出演者全員が自分の命をかけて声を出す
この迫力に観衆は満足するし元気をもらう
肚からの声で物語を進めていくのは
日本では文楽かなあと思ったりした

人が肚から力を出して表現する姿は本当に尊い

肚の座った人間になるぞっと




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