チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 190

2019年07月19日 11時07分10秒 | 日記
誕生日を迎えた昨日は母を強く感じ母に持たされた「洗濯板」を取り出して足袋を洗った
なんとよく落ちる 汚れが落ちる 本当に落ちる 瞠目!
「洗濯機があるだろうけど小物や足袋は手洗いにまさるものはない」
と小さな物を洗う洗濯板を渡された

「ふん」
なにせ母親不幸の権化だったし今どきーーとやや軽蔑して受け取ってはいても使わずにいた
入院した時義妹が私の下着などをこれを使って病院で洗っていたのを見たことがあるくらいだ

それくらい放り出されていたにもかかわらず捨てずに今日まで持っていた

今日薄日がさしてきた新宿で「そうだ足袋をあの洗濯板で洗ってみよう」
と思い持ち出し洗った
すごいよすごい 手と板のふれあいがよく実に細かいところまできれいに落ちていく
「お母様ありがとうございます」
と最敬礼

なんでも母の言うことにジャッチしていた頃をおもい出す
まずは拒否、なんでも拒否
「お茶のお稽古きちんとしなさい」拒否
「着物を着て頂戴」拒否
「勉強をしなさい」拒否
「手伝いなさい、覚えなさい、ーーーー」何もかも拒否

しかし母の言うことは常に正しいと感じていた
その証拠に外の人への対応は常に母に教えられたようにきちんと行っていた
「素直で礼儀正しくて明るいいいお嬢さん」
の外の評価に母は黙って笑っていた

誕生日には必ずおはぎを作ってくれた(私の大好物)今私も作るが未だにその味は超えられない

洗濯板が俄然輝いて見える 今干しているが彼は嬉しそうだ
お天気になったら手元にある布糊(布海苔とも)を使い長襦袢など洗ってみようと思う
母直伝のやり方でというより見ていただけだけどーー

拒否をしながらも母の仕事を肯定して観察していたのだと今に思う(いい娘だよ)

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コメント
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