チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 192

2019年07月23日 17時29分18秒 | 日記

官僚の方が一昨日私にこういった

「ナカタニサン日本から養蚕がなくなっても地球の何処かで蚕を飼育する国があれば絹は途絶えませんよ」

「絹のグローバル化ですね」とチャコちゃん先生の皮肉にもあっけらかんとして

「もはやそういう時代です」

「日本人がいなくなってもアメリカ人がこの地球上にいるから人間生存しているという感覚ですね」

「そうですねあははは」

 

日本の養蚕農家が293軒 10年前は1169軒 昭和50年代に5万軒になり先行きを心配した 

110トンの繭生産量では「日本の絹」としての着物生産も滞る

 

昨日も「日本人なら着物だよ」というテーマで着物の基本のセミナーに集まった方々が

「伝統の手仕事と民芸としての手仕事は着物に関してどういう区別をするのでしょう?」

という質問があり(着物の基本を話し合う会にしては高度な質問)

みんなで「手仕事」「伝統」についての熱いディスカッションが続いた

 

政府は養蚕に関して「孵化して3玲までは人工飼料」を勧めている その材料はタンパク質なら何でもよく 大豆、とうもろこし 桑の葉の粉末が与えられる

糸を胎内に始める頃になると桑を沢山与えるという指導をしている

つまり「どんな糸を作ろうか」という目的から「とにかく大量の糸を作る蚕を育てよう」という姿勢だ

 

そのためには無菌蚕の飼育は国として大いに援助

また最近開発された蚕に少量の放射能を当てて大きくするというある大学の実験も成功

本来の「良い糸を作って着心地の良い絹製品にしよう」という絹産業の態度は霧散した

 

当然のごとく「製糸業」にもその考えは連動しとにかく糸になれば良いという経営方針

ある養蚕農家の方が「ナカタニサン 良い糸にしようと丁寧に蚕を育てても、製糸会社の区分けができて三流の製糸会社にあたったからもう養蚕をする熱意が弱まったよ」

 

養蚕業に限らず日本のあちこちで一次産業の方たちの苦悩が深い

きちんと今の状況を把握しながら若い方たちと明日に向けて蚕の幸せを築いていきたちと思う

今度は30日18時から 興味のある方ぜひいらしてください 会場は秋櫻舎 離し手中谷比佐子 会費 3500円

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コメント
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