最近は「あなたはお母さんを選んで生まれたのです」
という言葉をよく聞く
「人間は何回も何回も生まれ変わりその都度自分自身の成長のために母を選んでこの世に出てくる」
と言われる
「父は?」
「もちろん関係があって子供が父と母を引き合わせることもある」
ホントかいな
まあ100っ歩譲ってどうしてあの母を選んだのだろうと考えたことがある
もう30年も前でその時母はこの世にはいなかった
母を天敵と思うくらいに嫌いだった
しかし母の態度は生涯変わらず大事に接してくれていた
近くに父と同業の方がいてその夫人は静かで優しく控えめな美しい人だった
そのお宅は子供がいないので病弱な私はなにかといえばそこの家に上がり込んで静かに二人で本を読んだり、ピアノを教えてもらったりして過ごしていた
それに反し
母は明るくて声が高くテキパキと使用人を動かし自分もじっとしないで人の世話を焼いていた
家のことはすべて手作り(料理の味が良かった)家族の着物は全て自分で洗っていた 漬物も絶品 親戚の面倒も逐一見る
その行動力についていけなかったのかもしれない
それは病弱ということもありエネルギーの高い人といると疲れていたのだろう
人見知りで母の後ろにすぐ隠れてしまう
今で言う「ぼっち族」話もしない声も出さない 友達も作らない
そういう私がこの母を選んで生まれてきたとすれば 「人との和」「自分表現」「日本人の女の知恵」というものを学ぶ必要からなのだとその時思った
そう思えた時母を心底愛しいと感じ直接にその思いを告げたいと感じた
いままた世の中が急激に変化している今
母に学んだことをしっかりと継承する時期なのだと気がついている
そのために私はあの母を選んだのだ
長くて30歳位までの命だろうと言われていた私が元気に生かされている
母の年をとっくに越した
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