奥出雲に「稲田神社」がある
御祭神は「櫛稲田姫」すさのうのみことの奥様
古事記でヤマタノオロチに美しい娘を生贄にしないと、大暴れして田畑を荒らしてしまうという暴れ者おろち
今日はその日だと大泣きして娘と別れる覚悟をしている両親
その話を聞いた「すさのうのみこと」は美しいその娘を櫛に変死させ、その櫛を自分の髪にさして、おろちを退治する
そしてめでたくお二人は結ばれる
おろちの尻尾から草薙剣が出てきて、その剣をすさのうの姉君にあたる天照大神に差し上げ、今ではその剣は皇室の三種の神器のひとつ、名古屋の熱田神宮に収められているといわれている
さて
櫛に変身した姫とともに戦ったというのはまさしく一体で難事に取り掛かったということ
深い縁があればこそ
出雲大社はが縁結びの神社として名を成しているけど
チャ子ちゃん先生はこの稲田神社こそ「ご縁」を結んでくれる神様だと信じている
奥出雲といってもどこからみて奥というのか、空港からだったら30分もあれば到着
稲田という名前のごとく土地も肥えていて水も清らか、そのためにお酒や豆腐のおいしいこと!何よりこの雲南市は弥生時代の青銅器が大量に発掘された土地でもあり、たくさんの民話が育ち、人々のおもてなしが温かい
農薬や化学肥料と無縁の空気のなんとおいしいこと!頬をなぜる風のやさしさが、こうまで心地よいものかと目を閉じて味わう
日本は美しい
この自然を守り育て愛してきたわが先人たちにただただ感謝
昭和の初期以前に生まれた女たちが、櫛を大事にしてきた風習は、こういう古事記の話からつながったものだったのだと思う
その櫛も柘植の木が材料
細かいものの細工に適しているというが、湿気があっても乾燥しても決して曲がったり折れたりしない丈夫さが、「しなやかで強い」大和撫子そのものの姿を現しているのかもしれない
ほんとうの優しさとは何もかも受け入れてはいるが、自分軸がしっかりしている。ということだと思うが、柘植の櫛にはそれがある。その姿が日本の女のだろう。