『何これ、全然できない!』 『予想外に難しい!』
私立高校の過去問を解いていた生徒さんが、過去問を解いた感想だ。どちらかというと悲鳴にも似た声といったほうがいいかもしれない。この光景、最近にになって塾内でよく見られるようになった。先日実施した『私立受験・事前指導』のあと、私の話を聞いて、早速何人かの生徒さんが過去問に取り組んでくれたのだが、実際に取り組んでみると予想外に難しかったようで、冒頭のような声があちこちで聞かれる。
もし、塾で事前指導を行なわなかったら過去問を解き始めるのがもう少し遅くなっていたかもしれない。そうしたら、私立高校入試の本当の大変さに気づくのがもっと遅れていたかもしれない。過去問を解いてみて、ガッカリした人もたくさんいるようだが、今のうちに気付けたことは、実は良かったことなのかもしれない。
私立高校入試はそんなに難しくないだろう、北辰テストなどしか受験をしていないと、そう思いがちだ。しかし、実際の私立高校入試は、その私立高校独自の問題であり凝った問題をだすところも非常に多い。現実的には、ある意味公立入試よりも難しい問題も多いといえる。それをしらないまま入試直前を迎えたとしたら…きっと面食らってしまったに違いない。
どんなことにも用意が必要、そういう思いから事前指導を行なってみた。確かに私立高校は事前に可能性が分かりやすいので安心しがちだ。だが、それが甘えになってはほしくない。公立を目指すならなら、私立高校入試をきちんと解けるようにしておくことこそ合格への近道といえる。事前の目安にこだわらず最後まで全力を尽くす姿勢がその人を成長させるのだと思う。
事前指導に従って早速過去問を解いてみた人は、私立入試に難しさに気付いてくれたと思う。きっとその人はきちんと合格への道筋を付けられるようになっただろう。もし私立の問題の難しさに気付かないまま過ごしていたら…、気付くことの大切さをこのことを通して知ってほしかった。
人はしばしば「きっとこんなもんだろう」と自分自身の中で勝手に決め込んでしまうことがあると思う。これは学習面や入試においても同じかも知れない。過去問を解くことで、私たちは何かに気付くことができる。それが合格への道に他ならないのだと私は思う。