最近、こんなご相談をいただくことが多くなってきました。それは、
『中間・期末テストの点数は取れるのに、実力テストだと思ったように得点できない』
というご相談です。
そういったご相談をしてくださる生徒さんを見ていると、ある共通点があるように感じます。
それは、
【真面目な努力家】
ということです。
実は、この【真面目な努力家】の部分が実力テストで得点が伸びない一つの原因、そんなふうに思うことがあります。
それはなぜか?
真面目な努力家の皆さんは、真面目が故に、決められたことはきちんとできるのですが、そこからはみ出すことができない、それがネックになっているように感じます。
中間や期末テストは、試験範囲ややればいいことが明確です。
教科書のページで指定されていたり、ワークやプリントのどこをやればいいか、それが明確です。
そういったやるべきことが明確なものに対しては、真面目な努力家の皆さんは、その能力を発揮します。
示された範囲や与えられた課題をコツコツこなします。そして、実際に結果を出します。
しかし、実力テストは範囲が不明確です。実際には範囲はあるのですが、その範囲がとてつもなく広いということができると言えます。
それが故に、このワークをやればいい、このプリントから出るといったことも明確ではありません。
こういった『あいまい』さ。これがな真面目な努力家の皆さんを困らせることになるのだと思います。
『ここが範囲だ、これをやれば大丈夫』と明確に示されていれば、真面目な努力家の皆さんは、それをコツコツとこなし結果を出します。
しかし、実力テストのように、全てが曖昧なものだと、何をしていいのか、どんなふうに取り組めばいいのか分からなくなってしまう、そんな状況に陥ってしまうのではないかなと思います。
ゴールが見えれば、それに向かって努力ができるのも真面目な努力家の皆さんの特徴だと思います。
しかし、実力テストのように、どこへ向かえばいいのか、どんな手段を使ったらいいいのかが不明確なものだと、うろたえてしまう、そんなふうに感じます。
おそらくですが、このタイプの皆さんは、大人の言いつけを守るとても素直なお子さんが多いように思います。
与えられたことをしっかりとできるお子さんだと思います。
しかし逆を言えば、与えられることに慣れすぎていて、自分から何をしたらよいのかを自分で決めて実行していくことができなくなっている可能性があるように感じます。
習ったことはできる、けれど未知のものに弱いのもこのタイプのお子さんの特徴だと思います。
とても素直で真面目な努力かの生徒さんは、私はとても応援したくなります。
しかし、頑張っている自分の姿に隠れた自分に潜む課題に気づいていかないと、実力テストでは伸びていかないと思います。
これからの私の課題はこのタイプのお子さんに、いかに冒険をしてもらうかということだと思います。
与えられることだけをこなすのではなく、
自分の考えをもっていくこと、
失敗をすることを恐れないこと、
妙なプライドを捨てて謙虚になること、
そういったことに気づいてもらわなくてはいけないかなと考えています。
そのための処方箋を、今年度はさらにしっかりと考えていきたい、そのように思っています。