最近になってから、2006-2008年に放送されたドラマ「アテンション・プリーズ」を見る機会がありました。JALを舞台にしたCAの物語で、CA訓練生の美咲洋子(演・上戸彩)が、数々の壁にぶつかりながらも成長していく物語です。
きっかけは、当塾にCAを目指している生徒さんがいたことでした。“CA”というワードで検索していくうちにぶつかったのが、このドラマでした。最初は何気なく(しかも最終回)から見たにもかかわらずグイグイ引きこまれていき、気がついたら全話+スペシャル2本を見終わっていました。
CAのことを「空のお茶くみ」といって憚らなかった主人公が、最後のスペシャルでは、
「私、この仕事が大好きです。世界一のCAになります。そして、この仕事の素晴らしさを伝える教官になりたいと思います」
とまで言わしめるほど成長していく物語でもあります。
もちろんドラマですから、現実はこううまくいくわけではないと思います。それでもCA訓練生としては破天荒な主人公が、様々な壁にぶつかりながらも乗越えていく姿や、その主人公を厳しくも温かい目で見守る周りの人達の姿に、分野は全然違いますが、今の自分が重なって見えて引き込まれていったのかもしれません。
破天荒な主人公ではありますが、CAとしての素質を見抜く周りの目や、どんな人にも良さがあるということを認める周りの人たち…
自分も先生という仕事をしながら思うことと重なることが多々あったのも、このドラマにひきつけられた理由かもしれません。
塾にもいろいろな生徒さんが来ます。もちろんやる気があって自ら伸びていこうとする生徒さんもいますが、なかなか本気になれない生徒さんもいます。そんな生徒さんを、素質がない、いいところがないと切り捨ててしまってはいけない、改めてそのように感じました。
当塾でも私はいろいろな生徒さんの成長を見てきました。
「わからない」「できない」を連発していた生徒さんが、今は自分で取り組むようになりました。
忘れ物などが多く授業のまえに叱らなければならなかった生徒さんが、今は90分の授業を落ち着いて授業を受けられるようになってきました。
そのような数々の成長と出会えるのがこの仕事でもあります。
この物語の主人公は周りの人たちに見守られながら成長していきました。特に三神教官(演・真矢みき)は最後まで主人公に対する温かさと厳しさを忘れなかった人でもあります。
人の成長を願うことは誰にでもできますが、そのために何ができるのか、私もこのドラマを見て考えさせられました。
「本当の優しさとは厳しさに裏打ちされたものでなければならない」
という言葉をどこか聞いたことがありますが、まさにその通りだなと、このドラマをみて改めて思います。その優しさと厳しさが主人公を「お茶くみ」から「教官になりたい」とまで言わしめたのだと思います。
塾も生徒さんの成長を見守り育てていく場だと思います。もちろん現実はドラマのようには行かないとは思いますが、それでもその精神には学ぶべきものがたくさんあるような気がします。
「将来先生になりたいと思います」とまではいかなくとも「勉強をやってよかったです」ぐらいまではいわれるようになりたい、そう私も決意を新たにしました。