読書感想文で苦戦するひとも多いように思いますが、まだ終わっていない人は、早めに終わらせてしまいましょうね!
読書といえば、今年の夏も何冊かの本を私も読んでみました。
仕事柄、教育に関する本や、生徒指導にも役に立つような本が多いのですが、今年は政治に関する本を読む機会がありました。
毎年のことながら、塾を運営する側からみると夏はとてもあわただしい季節なのですが、2日間ぐらいで一気に読んでしまうほど、私には興味のある本でした。
↑山口敬之・著「総理」
その本の内容や安倍政権については、いろんな考え方があるとは思います。ただ、それはさておいて「一人の人の復活劇」として読んでみると、「使命を感じる」とはすごいことなんだなということが分かる本だと思います。
第1次安倍政権は、わずか1年余りで幕を閉じました。
安倍総理自身の病気もありますが、相次ぐ閣僚の不祥事などもあり、追い込まれていった上での降板。いま振り返れば、これが後の民主党政権誕生へと向かうきっかけになった流れの始まりだったのかなと思います。
その後、福田、麻生、そして民主党政権を経て、安倍総理が復活をするわけですが、その間に安倍総理がどうしてまた総理を目指そうとしたのか、今度は前の政権とどんなところが違うのか、そのあたりの展開がとても印象に残りました。
政治家としてはいったんは辛酸を舐めた安倍総理が、東日本大震災を機に、国家というものをもう一度見つめなおしていくところ、その中で感じた「使命」など、復活し今につながる流れが印象的でした。
もちろん本人の意思が一番だと思いますが、それを支える周りの人たちの様子、前の失敗を生かした政権作りなどは、“国家”と“塾”という、規模は全く違うし、やらなくてはならない使命も全く違い、比較すること自体おこがましいのですが、それでも、何か1つのものを“運営する”という意味では、参考になる「何か」があったような気がします。
失敗をすると二度と這い上がれない、そんな印象から人は「失敗することを恐れる」ような気がします。もちろん失敗をしない方が良いとは思いますが、あまりにも失敗を恐れるがゆえに、チャレンジをしたり、新しい物事に向かっていく勇気を持てなかったりするのも確かかなとも思います。
そんななかで、言い方は失礼なのかもしれませんが、一度辛酸は舐めたけれども、再びチャレンジをした人が総理を勤めるのが、いまの日本でもあります。だからこそ「再チャレンジ」という言葉がもっと当たり前になってもよいのではないかという気がします。
そして、たとえうまくいかないことがあったとしても、「使命」と「支え」が人をまた行動に駆り立てる、そんな本として読んでみると、とても印象に残る本だと思います。
生徒さんと日々接する私たちも、生徒さんが目の前で失敗をしたり挫折をしたりということを目撃することが多々あります。そんなときに、生徒さんに「使命」を自覚させ、自らが「支え」となってあげることで、生徒さんの“復活”の後押しにつながる、そのように思います。
安倍総理の場合は、麻生副総理と菅官房長官がその役を担ったようです。自分の周りを見渡して、そういった本当の意味での「友人」と呼べるような人を見つけること、それが運命を握る、そのようにも感じます。その意味では「友人」を選ぶということは、本当に大切なのだと改めて思います。
日本の国はいろんな閉塞感に今は苛まれていますが、日本人はもっと誇りをもって良いのではないかと思います。一人ひとりが自信を持ち前に進んでいく、そんな国になるには、まずは周りにいる人たちと助け合うこと、そんなことが印象に残った本でした。