一週間という時間で、人は変われるという実感を抱いたこと、皆さんはありますか?
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「本当にそれで大丈夫なの?」
「ダメ、もう一回やり直し!」
そんな会話が聞かれたのは、今から3週間ほど前のことでした。
この日は私立高校の面接試験に向けた個人練習の日でしたが、質問に対する回答や教室の出入りなどについて、厳しい指摘をせざるを得ない状況でした。
志望動機があいまいだったり、自分の長所・短所といった自分自身に関することがきちんと言えなかったり、将来の夢・希望といった面接では一番大切なところが答えられなかったりという状況でした。
あるいは応答はある程度できるものの、言葉遣いがあまりよくなかったり、出入りの際の挨拶や礼の仕方などに問題があるケースも多々見られました。
もちろん、初めて面接試験を受けるわけですから、そういったことが上手くできないことはしかたないことなのですが、それにしても「う~ん」と考えざるを得ない状況でした。一人一人と面接の練習をしながら「これはもしかしたら間に合わないかも…」という言葉が頭をよぎったのもまた事実でした。
だからといって、もちろん諦めるわけにはいかず、とにかく気づいたところから1つ1つ指摘をしていき、次回までに考えてきたり、練習してきたりするように指示をしました。
最初の練習が土曜日、その次の日曜日にまた練習をしました。そのときには前日同様、まだまだ課題が残る練習内容でしたが、大きく変わったのは、最初の練習から1週間たった土曜日でした。
その日の練習は一通りの流れを行う「通し練習」でしたが、いままでとは違い、動作もしっかりとしてきて、受け答えもしっかりと自分の言いたいことを言えるようになってきました。
そして、最終練習となったその翌日の日曜日。本番の雰囲気を出すために制服を着て塾に来てもらい練習をはじめました。そして、そのときの光景を今でも忘れることはできません。
つい1週間前まで、あんなに指摘しなければできなかったことが、最後まで通しでやっても、ほぼ指摘することがないくらいにまでできるようになっていたのです。これは正直驚きました。
通しの練習が終わったあとに生徒さんから感想を求められるまでもなく「これは正直驚いた、よくできているよ、よく頑張ったよ」という言葉が出てきました。
生徒さん達も練習とはいえ「緊張した」と話していましたが、そういう中で、しっかりと自分のことを伝えられるようにまでなったんだなぁと思うと、本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした。
たった1週間という短い期間ですが、本気を出して取り組めばいくらでも人は変われるということを、私は生徒さんから教えられた気がします。1週間では何もできないと思うのか、それとも1週間あれば何かができると思うのか、そこは考え方しだいなのだなと思います。
幸いなのは、生徒さんが私の指摘をまっすぐに受け止めてくれたことだと思います。自分は行きたい学校がある、その気持ちが生徒さんを変えていったのだと思います。
たった1週間という期間でしたが、生徒さん達は大きく成長できたと思います。たとえ短い期間でも最後まで全力を尽くすことが“何か”を変える、そんなことを教わった気がします。