去る6月11日に、NPO埼玉教育ネット主催の潤徳女子高校見学会に参加してきました。北千住の駅からアーケード街を歩くこと約10分、潤徳女子高校に到着しました。学校までのおよそ4分の3ぐらいはアーケード街なので、雨の日でもそれほど気にしないで通学できるのもいいですね。
この4年で入学者が100人も増加
潤徳女子高校の今年の一番のトピックスは、入学者が4年前と比べて100人も増加し、入学者が200人を越えたことにあります。
埼玉県内には比較的大規模な学校も多く、400人、500人という定員の学校もあります。それと比べると人数は少ないように感じますが、都内の女子高は比較的小規模校が多く、学年が100人台という高校は珍しくはありません。
女子高に強いこだわりを持つ生徒さんがいる反面、共学校に行きたい、という生徒さんが近年は増加し、女子高は苦戦気味ではあります。そんな中で、200人を越える入学者がいる都内女子高は数が少なく、5校しかないとのことでした。その1校が、ここ潤徳女子高校です。
それだけいま潤徳女子高校には勢いがあり、注目をされている学校といえると思います。
地に足のついた教育
最近はどの学校の説明会に行っても、「ICTやグローバル化にむけた教育への取り組み」というお話がされます。潤徳女子高ももちろん、ICTやグローバルといった教育を行っているのですが、そのグローバル教育の説明を聞いていて思ったのは、とても「地に足のついた教育」だなあということです。
ICTやグローバル教育は、今の教育に求められているものだといえるものではありますが、ややもすると、「派手なことをやっている」「新しいことをやっている」という表面的なものになってしまっているところもあるように思います。しかし、潤徳女子高校のこれらの教育は、「外に向かっていくもの」であると同時に「内や身近なところにも向かっていく」ものだなあと感じました。
UF(ユニバーサル・フォレスト)の取り組み
その代表的な取り組みがUF(ユニバーサル・フォレスト)です。目標は他校でもよく聞かれるものと同じで「現代社会の諸問題を主体的に解決しようとする力」というものです。ただ、このミッションを遠くの国際的な問題として取り上げるのではなく、身近な人達に対する問題解決として取り上げているのが特徴だと思います。
もともと福祉関係のコースがあったことも影響していると思いますが、「3つの心」の授業を通して自分を知ったり、手話を学んで身近で困っている人の役に立つようにしたりと、身近かなところからこれらのミッションに取り組んでいくところが特徴的かなと思います。
これから始まる様々な諸問題を解決するための手段としての教育は、様々な学校で行われていますが、こういった身近なところから取り組んでいくことで、実際に自分の行動が人の助けにもなるという実感を持ってもらうことができるのではないかなと思います。
その意味で「地に足のついた教育」だと思います。
自信をもって頑張ってほしい
この見学会のあと、当塾の保護者会に学校長の木村美和子先生がゲストとしてお越しいただくことになっていたため、打ち合わせをさせていただきました。その時に木村先生は、「自信をもって頑張ってほしい」というお話をされていました。
埼玉県の、特に東部地区は人気の私立高校が多く、年々レベルが上がっていっています。そういった中で、相談でもなかなか厳しい返事しかもらえず、自信を失ってしまう生徒さんもい多いと思います。
木村先生は、校長先生ながらご自身も個別相談などで、入学希望の生徒さんと直接お話をされることがあるそうです。そういった中で、自信を失ってしまっている生徒さんを多く見かけたと話してくれました。
もちろん高校に入るには一定の学力は必要です。しかし、これからまだまだ伸びるはずの時期であるにもかかわらず、自信を失ってしまう生徒さんが多いことを気にかけていらっしゃいました。潤徳はそんな生徒さんにとって、もしかしたら自信をつけてもらえるような雰囲気のある学校なのかな、そんなふうに思いました。
見学会を終えたあとに思ったことは、この学校は地域と共に歩む学校なんだなあということでした。「地域の皆さんに」という言葉を何度も耳にしました。その成果が入学者の増という形で表れてきたのだと思います。
これからの潤徳女子高の歩みが楽しみになりました。