゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

時代の肖像「判決の『非常識』を憂う」

2007-11-28 17:00:00 | 社会・経済

◎裁判所が道徳を壊すと指摘していますね                                         元裁判官 井上 薫さん(52)

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東京大学理学部化学科卒、同大学院化学専門                           修士課程修了の異色の裁判官だった。司法試                            験には2年間の独学で合格したという。                                東京都八王子市在住

「代金は支払う」「借金は返す」。これは法律というより、社会の常識だ                          ろう。だが、今の世の中、学校の給食費や保育料を払わない親が大                           勢いる。文部科学省の調査では、全国の給食費未納額は二十二億                           円以上。払えるのに払わないケ-スが6割もあった。井上さんは、こう                          した「道徳心の欠如」の原因の一端が裁判にあるという。「債務の支                           払い能力があるのに、支払わなくてもいい制度がある。破産法による                          破産免責制度です」司法統計では、自己破産などによる免責の申し                           立て件数は、1975年まで年間60件未満だった。それが80年代以降、                         急激に増え続け、2002年には20万件を超えた。05年には、その99                         %が免責を許可された。一軒当たりの債務は500万円、総額一兆円                          を超すという。破産免責というと、「サラ金地獄」が社会問題になったこ                         ろ、貧しい債務者を救う「弱者救済」のイメ-ジが出来上がったが、「実                         際は違う」という。「借金を帳消しにした上で、その後の収入は手に入                           るので、高所得者に有利な制度なのです」。女性関係で散在した医師                         が破産免責後、二千万円の年収を得ていた事例もあったそう。                              破産法には「浪費や賭博」など、免責を不許可にできる事由が挙げら                          れているが、ほとんど顧みられないという。「裁判官は前例尊重の意識                         が強い。許可が慣例になると、自分も従う。考えないんです。その方が                         楽だから」「正義の府」の裁判所のお墨付きを得て、借金の踏み倒しは                         不道徳ではなくなった。「こんな風潮なら、正直に借金を返すのがばか                         ばかしくなるのでしょう」井上さんの指摘は、頻発する「親殺し」にも及                          ぶ。1973年、最高裁は、厳罰を定めた刑法の「尊属殺人罪」は、「平                          等原則に反した違憲」とする判決を出した。尊属とは父母や祖父母の                          こと。親への敬愛や報恩という道徳に基づく規定だった。「この事件で                         は、殺された父親が反倫理的だった。このケ-スに限って普通殺人罪                          を適用すべきで、尊属殺人罪を否定する必要はなかった」。これ以降、                         司法では尊属殺人罪は適用されず死文と化し、95年には条文が削除                         された。「この違憲判決で、報恩の道徳は否定された。実務への影響                          は大きく、少年事件で裁判官も言わなくなった。親殺しへの歯止めが                          失われたと思います。」井上さんは、横浜地裁時代に「判決文が短すぎ                         る」との理由で再任を拒否され、昨年4月に退任した。短い判決文には                         理由があった。「判決主文に影響を与えない判決理由は蛇足であり、                           違法。書くべきではない」との主張だ。これを「蛇足理論」と名付け、実                          践した。「審理が長引き、被害者の救済が遅れるのも蛇足判決の弊害」                         という。退任後も司法批判を展開、9月に「裁判所が道徳を破壊する」を                         出した。

裁判所が道徳を破壊する (文春新書 590) 裁判所が道徳を破壊する (文春新書 590)
価格:¥ 746(税込)
発売日:2007-09

道徳破壊の最たるものとして井上さんは、昨年9月の東京地裁判決を挙                        げる。「入学式や卒業式での日の丸・君が代の強制は違憲」とし、学校の                         教職員に国旗掲揚の際の起立や国歌斉唱の義務はないとした判決だ。                        この判決には、「思想・良心の自由」などの評価をめぐって賛否があった。                        井上さんは「教職員の国旗国歌の拒否は、生徒らの拒否をあおる恐れが                        ある。判決は結論も理由付けも間違っている」と批判。「国旗国歌に礼儀                        ある態度で接するのは社会常識なのに、尻を向けてもかまわないと言っ                        ているようなもの」と、判決の大きさを指摘した。

あとがき

井上さんは2005年に「司法のしゃべりすぎ」を出版、現役裁判官                            の司法批判として話題ににった。退任後も著述に専念し、新書を中                           心に既に六冊執筆。九月には東京弁護士会に登録し、徐徐に弁護                           士活動も始めるという。強い意志の人でありながら、人柄は温厚そ                            のものに見えた。

司法のしゃべりすぎ (新潮新書) 司法のしゃべりすぎ (新潮新書)
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発売日:2005-02

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未成熟な母親

2007-11-28 15:00:00 | 健康・病気

10代の性・増える心の疾患                                                  友達感覚、目立つ無関心

北海道思春期教育ネットワ-ク世話人代表の藤井美穂・時計台記                           念病院女性総合診療センタ-長が、道教委主催の性教育・薬物乱                           用防止教育研究協議会で「十代の性にかかわる現状と課題」をテ-                           マに講演し、母子関係の変容により思春期の診療内科疾患が増え                           ていると報告した。講演の概要を紹介する。道内に思春期外来がで                           き始めた20年前は、染色体異常や月経異常など身体に関するもの                           が多かったが、最近はひきこもりや不登校、リストカット(手首を切る                           自傷行為)、昼夜逆転など心療内科疾患がほとんどだ。その原因に                           家庭関係の変容がある。家庭における父親不在はずっと続いている                          が、母親象が変わった。母子が互いに独立した存在という認識が持                           てず、友達同士のように接する「母子不分離」と母親の家庭放棄だ。                          思春期だけでなく20代、30代でも増えているリストカットも母子不                             分離が関係している。親離れに対する不安は、幼児期に誰もが経験                           するが、母親が十分に愛情を注ぎ子供に安心感を与えることで解消                           されていく。しかしそれを卒業できていないと友人や恋人に一体感を                           求め、その愛情対象が失われるとリストカットに走る。不登校・ひきこ                           もりでも、母親が「苦しいければ学校に行かなくていいよ」と言う。子供                          は家で元気にしているからいいと言うが、何をしているか聞くと「テレビ                          ゲ-ム」。将来は自立しなければならないという発想が抜け落ちてい                           る。家庭放棄では、娘が妊娠しても病院に来ないか、来ても今後どう                          するかについて無関心。夫にも「私からは言えない」と相談しない。                                子供たちではなく親が成熟しちいない。15年ほど前、体外受精に成                            功した女性から中絶したいと言われたことがある。理由は「妊娠できる                         体であることを証明したかっただけ。子供はいらない」。説得して出産                          に至ったが、育児はうまくいったのか、今でも気になる。

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妊娠と薬の相談<情報センタ->

2007-11-28 14:00:00 | 出産・育児

設置2年で700件

「薬の服用中、予期せず妊娠した」「妊娠中に風邪薬を飲んでいい                           か」。妊娠中の服薬と赤ちゃんへの影響の相談窓口「妊娠と薬情                             報センタ-」が国立成育医療センタ-(東京都世田谷区)に設置                             されて2年、相談件数は700件を超えた。情報センタ-は「悩んで                            いる人は、もっといるのではないか」と利用を呼びかけている。                              情報センタ-は2005年10月に開設された。2年間の相談は、                             てんかん、うつ病、統合失調症などの薬45%、風邪やインフルエ                             ンザの治療薬が17%、アレルギ-が8%。成分について世界中の                           論文を検索、リスクを調べ、明確な根拠がないものは似た成分の薬                           から判断している。「薬の影響がなくても、生まれる子の2~3%に                            先天異常がある。リスクが上乗せされる薬もあるが、必ずそうなるわ                           けではない」と、情報センタ-の渡辺英美医師。リスクがあっても病                           気の治療の利益が大きく妊娠中も飲んだ方がよい薬と、リスクを冒                            してまで飲む必要がない薬。担当の中島研薬剤師は「この薬は使っ                           ていい、悪いの二者択一ではない。リスク情報を基に主治医と話し、                          服用するかどうか判断をしてほしい」と強調する。相談する場合は、                            情報センタ-のHPから問診票をダウンロ-ドし、印刷、記入して情                               報センタ-に送る。

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