あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

日本画の系譜

2009-12-03 22:39:19 | 美と戯れる
画家の平山郁夫さんが亡くなられた。シルクロードを描いた作品がよく知られているが、僕には以前展覧会で観た日本の風景を描いた作品が印象的だった。本棚の奥から図録を出してきたら、もう11年も前だった。でも、あのときの会場の光景は記憶の中に微かに残っている。

淡い色彩で描かれた作品は、横山大観の力強さとは印象が異なるが、東山魁夷の作風には通ずるものがあるように思う。彼らが近代日本画の系譜だという僕の認識が正しいかは別として、日本画の持つ端正さや優雅さがこれからも受け継がれていくことを祈る。
そして、芸大の学長を務めるなど、そのことに力を注いだ画伯のご冥福をお祈りする。
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語り合う

2009-12-03 08:07:23 | 本を読む
筑紫哲也さんの著作『ニュースキャスター』を読んだ。彼がメインキャスターを務めた『NEWS23』は、初めはあまり見ていなかったが、何かのきっかけで見始めた。ただ、その「何か」を思い出すことができない。

彼の、いや、彼らの切り口がおもしろかった。その年の締め括りに文字で世相を表すというのは、確か京都のお寺でやっていただろうか。それと似てなくもないが、ある文字をキーワードに現在を掘り下げていく特集を興味深く見ていた。
また、自分の心に響いたニュースがあったときなどは、彼がどんな想いを持ったのかと「多事争論」だけを待った夜もあった。
今も心の中に微かに灯る「人間」への思いは、彼が注いでくれたものも残っている。

彼がいない世界に開いた穴を埋めることはできない。それは、彼がこの本で書いているように、彼自身が「ただの現在にすぎない」からだ。それでも、時代を彼と共有した者は、その穴の大きさを日々実感する。ならば、一人ひとりが誰かに語ればいい。そして語り合い、その輪を広げればいい。それこそ、彼が望んだ「多事争論」だ。
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