あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

アヴァンギャルド

2011-03-08 23:52:59 | 出会う

朝から母の通院に付き添い、帰宅後に自転車で出かけた。目的地は東京国立近代美術館、今日から開催されている『生誕100年 岡本太郎展』を観るためだった。

岡本太郎さんと言えば、「芸術は爆発だ」とか、「グラスの底に顔があったっていいいいじゃか!」といった言葉や、社会人になる前、日曜日のお昼に放映されていた、片岡鶴太郎さんのバラエティ番組に出演されている様子などが思い出される。以前は「一風変わったおじさん」といった印象を持っていた。

だが、自分が大人になるにつれ、彼の言葉に込められた思いが少しずつ理解できるようになると、それまで奇天烈にしか見えなかった彼の作品が心に突き刺さってくるようになった。すると、結構あちこちに彼の作品があり、立ち止まって観ることもあった。

初日とはいえ平日の昼間だったこともあり、作品を鑑賞するには支障のない混雑具合だった。

会場に入るなり、彼の作品に圧倒された。そして、思わず微笑んでしまった。強烈な原色を纏った立体作品は、その色の強烈さに似合わず、温かく、そして柔らかに思えた。そして、今もなお大阪の地にその姿を保っている「太陽の塔」に関する展示を目の当たりにした時、思わず涙が溢れて来た。彼がこの作品に込めた思い、そして、大阪万博に臨んだ思いを知ると、何かが胸に込み上げてきた。

会場の外では、彼の作品のミニチュアフィギュアがガチャガチャで売られていた。病院からの帰りにラジオでも紹介していた。そして、ガチャガチャにはそれなりの人が集まっていた。

残念ながら2回やって同じものが出て来た。だが、「同じ顔が二つあったっていいじゃないか!」という声が聞こえてくる感じがして、納得した。二つ持つことに意味があるように思えて来た。

会場の出口には「太郎のことば」のプレゼントがあった。一人一枚もらうことができる。

僕に贈られた言葉は「評価されるなんていっさい必要なし!」というものだった。そういえば、ここ1~2カ月の間、自分が評価されていないことに対するいら立ちを感じていた。そういう意味では、ちょうどいい言葉だった。

会期は2カ月。その間、展示替えもあるそうで、それを言い訳にして少なくとももう一度訪れたいと思う。もっともっと彼に触れてみたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする