あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

真珠の耳飾りの少女

2012-09-09 22:41:01 | 美と戯れる
今日は東京都美術館で開催されている「マウリッツハイス美術館展」を観に行った。

今年の初めには、リニューアルが完了する東京都美術館でフェルメールの有名な作品が観られるという情報を入手し、「行くかな…」くらいは考えていたものの、ついつい行きそびれていた。

先月、石巻で訪れたおかあさんのお部屋にフェルメールの絵はがきが飾られていた。お尋ねしたところ特にファンという訳ではないということだったが、その時にこの展覧会のことを思い出し、絵ハガキでも買ってみようと思った。ただ、絵ハガキだけ買うのではなく、作品を観たことを語らずとも観ておきたいなと思い、行くタイミングを計っていた。昨日は散歩の際に「朝、どれくらい行列ができているか」を確認した。そして今朝、8時にその列に加わった。6人目だった。

9時半の開場予定は30分早められ、一目散にあの絵に…の前に、音声ガイドの機械を借りた。美術品は心で捉えればいいのだろうと思うけど、最近こちらに頼ることが多くなっている。絵画が書かれた背景などの情報が音声として与えられ、その絵により近付けるように感じるからだ。また、役者さんを起用する例も増えていて、今回はイメージキャラクターを務めた武井咲さんが登場していた。こちらの内容はあまりよく覚えていないが、作品に対する蘊蓄というよりは、その作品世界をイメージさせてくれるものだ。

で、展示会の目玉であるフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の前に立った。一瞬にしてその輝く瞳と潤んだ唇、そして、絵全体から放たれるオーラのようなものの虜になった。これほど力のある作品だとは思っていなかったこともあり、心に強く印象付けられた。まだ空いていたからよかったが、心が震え、しばらく動けなかった。あの、顔の傾き加減に愛を感じたから?なんて…

作品数はそれほど多くなかったが、レンブラントやブリューゲルなどオランダを代表する画家たちの作品はそれぞれ魅力的で、「真珠の耳飾りの少女」を観終えてからすぐに入口に戻り、ゆっくりと一点ずつ堪能した。

「現地に行けばいい」という人もいるが、オランダ・ハーグにある美術館に行くことができる人がどれだけいるだろうか。多分僕はこれから先も行かないだろう。だったら、行列を作ってでも観たいと思う。そう思ってもいいと思う。

そんな気持ちと共に、美術館を後にした。