最終日。少し早く起きると、昨夜飲んだビールやらの空き缶を見てちょっぴり反省しつつ、てきぱきとシャワーを浴び、荷物を整えホテルを出た。そして、ゆいレール旭橋駅でゆいレールとバスの一日券を購入し、まずは空港に向かった。
とりあえず荷物をコインロッカーに入れ、帰りの便のチケットを発行してから再びゆいレールに乗った。たまたま空いていた1番前の席に座り、那覇の景色を楽しんだ。
初日にも乗って感じたんだけど、走行中に車内に流れる琉球音楽が素敵で、中でも県庁前に差し掛かる時に流れる曲を聴いていたらグッときてしまった。いくらなんでも弱すぎだろうと思いつつ。。そんなことも旅行から戻るとすっかり忘れていたけれど、昨日ふと思い出し調べていたら『てぃんさぐぬ花』という曲だった。改めて聴いてもいい曲だと思う。
それた話を軌道に戻すと、ゆいレールは30分ほどで終点の首里に到着した。少し寒いかなと思うくらいだったけど、そこから首里城までは少し歩くことになり、また日も射してきて、結局持っていた上着は邪魔になってしまった。
守礼門は、なぜか子どもの頃から知っていた。その頃は沖縄と言えばこの門を連想した。そして、40代も半ばになりようやくこの門をくぐることができた。ちょっとだけ、心の中で子どものように気持ちが跳ねた。そう、紅型を着飾った女性との記念写真サービスがあり、帰りに寄ろうと思っていたのに、別の道を帰ってしまい、こちらも次の楽しみにしよう…って、そんな僕を隣で呆れる人が一緒だったら。。
首里城に入る前、休憩スペースを兼ねた場所でガイドの方がいろいろと親切に教えてもらった。11時からイベントがあるので是非見ていってとのご案内もいただいた。でも、時間が読めず先を急ぎ失礼してしまった。後で「観ておけば良かった…」と後悔した。首里城は朱が映える美しい場所だった。一昨年訪れた北京の紫禁城をコンパクトにしたような印象を受けたが、外れではないだろう。ゆっくりと見たかった。けど、ここでも大勢の修学旅行生と遭遇し、その騒々しさを避けるように早足で回ってしまった。
帰りにまたガイドの方のところに寄り、アンケートを書いたりした。修学旅行生の話をしたら、またいろいろと教えてくれた。これもまた次回に活かそう。
王族の募陵である玉陵(たまうどぅん)に寄り、石畳の坂道を降り、そして、王家の庭園である識名園を見て回った。思っていたよりも小さな印象だけど、回遊式庭園は楽しい。
ここでは花の蜜を求める蝶を見かけた。そのメスを狙うオスとのやり取りを見ながら、僕も好きな人に果敢に向かっていかなきゃと思った…って、単純だな。。
修学旅行の小グループを案内していた方の話を隣で聞いていたら、この蝶はオオゴマダラという、沖縄でいちばん大きな蝶だそうだ。立ち止まって耳を傾けなければ、知らないまま帰ってきてしまっただろう。
壺屋やちむん通りを散策し、アーケードの商店街を抜け、前夜に諦めた牧志公設市場の食堂で食事をとった。もちろん、生ビール付きで! 刺身は切り置きされたものであまりいただけなかったが、いい雰囲気を楽しんだ。次に来るときは別のメニューを頼もう。
国際通りでお土産を買い求め、また大道芸を見たりしていた。沿道には子どもたちがたくさんいて、大道芸のお兄さんの再三の呼び掛けで集まってきて、彼のパフォーマンスを楽しんでいた。
空港に向かう途中、小禄という駅で途中下車した。沖縄のスーパーマーケットを見てみようと思いつつ、結局はここにある全国区のイオンしか見なかった。ミミガーとか沖縄らしい品揃えもを見かけたけど、それくらいしか違いがわからなかった。もっと地元に密着していそうなスーパーは見かけたけど、寄っていく余裕がなかった。
駅でゆいレールを待っていると、おばあさんに連れられた小さな姉妹の妹の方が僕に微笑みかけてきた。楽しくて微笑み返すと、照れくさいのかおばあさんの後ろに隠れたりしていた。那覇空港に着き、おばあさんに尋ねてみると、今日はお母さんが出掛けていて、普段は車しか乗らない孫たちをゆいレールに乗せ、飛行機を見せに来られたとのこと。そんな彼女たちに笑顔で手を振り別れた。
ラウンジで一時間近く、ビールを飲んだりしながら過ごし、機内へと向かった。たぶん最後の搭乗となるだろうジャンボ、あえてプレミアムクラスを選んだ。確かに高いけれど、ゆったりしたシートだけでなく、ラウンジサービスや機内での食事や飲み物など、新幹線のグリーン車よりも遥かに値打ちがある。
さて、慌ただしく駆け足で回った3日間だったけど、初めての沖縄はとても魅力的だった。できれば足しげく通いたいが、ならばLCCの利用も考えよう。
普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古沖の埋め立てを県知事が容認するなどの疑問に思う動きがあるなか、それを沖縄は容認しているのだからと突き放すのではなく、そうせざるを得ない状況に追い込んでいるのは誰かということを考えながら、これからも関心を持っていたい。