父が亡くなったのは47歳のときだった。生まれつき心臓が弱く、そのために戦争には行かずに済んだのだろうか。お陰で兄と妹、そして僕がこの世に生を受けることができた。
あの日の記憶はもう微かにしか残っていない。早く逝ってしまったと、あの頃は思っていたけど、父の兄弟ももう一人しか残っていない。
来年は父の歳に追い付く。だけど、僕はいまだに父になることができない。その点ではこれからも父に追い付くことはできないだろう。兄と妹には子どもがいるので、父と母の命は受け継がれていく。僕はそろそろ、人生の終い方を考え始めなければと、最近思っている。
まあ、それはもうちょっと先のことなので、今週末はどこかに飲みにでも行こうかな…