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待ち時間を含め、2時間半も診療所にいた。診断結果は鼻炎で、しょっちゅうかかっている「持病」であるが、ついつい忘れてしまっている。
帰りに買ったサンドイッチを食べた後に、炎症を抑える薬を飲み、心の中で早く治まるよう祈ってみた。
待合室で、吉田修一さんの『パレード』を読み終えた。所々に着火装置の焦臭さを感じながら、独特の軽妙かつリズミカルな文章に引き込まれながらも、一向に小火も出ない展開に、逆に不安を感じていた。これは単なる群像劇ではないだろう…と読み進めて、最終章で仕掛けが働いた。だが、良くも悪くもそれで華々しく終わるような展開ではなかった…と感じた。そして、それが吉田さんの小説世界で、それが僕らの世界だと思った。
川上弘美さんの解説が秀逸にその世界を切り取って見せてくれた。解説は文庫版の特権であり、また時に楽しみを邪魔するものだが、この解説は、「解説」の範囲で高レベルのバランスかつ内容だった。
さて、この作品は映画化され、現在公開されている。観たいと思わなくもないが、積極的になれない。そういえば、映画からだいぶ遠ざかっている。
帰りに買ったサンドイッチを食べた後に、炎症を抑える薬を飲み、心の中で早く治まるよう祈ってみた。
待合室で、吉田修一さんの『パレード』を読み終えた。所々に着火装置の焦臭さを感じながら、独特の軽妙かつリズミカルな文章に引き込まれながらも、一向に小火も出ない展開に、逆に不安を感じていた。これは単なる群像劇ではないだろう…と読み進めて、最終章で仕掛けが働いた。だが、良くも悪くもそれで華々しく終わるような展開ではなかった…と感じた。そして、それが吉田さんの小説世界で、それが僕らの世界だと思った。
川上弘美さんの解説が秀逸にその世界を切り取って見せてくれた。解説は文庫版の特権であり、また時に楽しみを邪魔するものだが、この解説は、「解説」の範囲で高レベルのバランスかつ内容だった。
さて、この作品は映画化され、現在公開されている。観たいと思わなくもないが、積極的になれない。そういえば、映画からだいぶ遠ざかっている。