ただ漂うだけ

このところ帰りがいつもより遅くなっている。様々なことを同時並行で進めようとすると、集中力がなかなか続かなくて、うまく回らなくなっている。

残業時間にだらだらとしたしゃべり声が聞こえる中、ふと、「自分は何のためにここにいるのだろう」という思いが過ぎり、終わらない仕事を残して切り上げた。

来月発売になる、映画『大丈夫であるように』のＤＶＤを予約しに、渋谷のショップに寄った。ここに来た目的はもう一つ、映画『ワンダフルライフ』のＤＶＤを合わせて注文したかった。

実は６年前の発売時に買ったのだが、去年の１月にある人に渡したきりになっていた。僕が卑怯な別れ方をしたので、今さら返してほしいとも言えず、忘れようと思っていた。だが、ここ数日、改めて観てみたいと思い始め、ダメもとで店員さんに聞いてみると、在庫があるといい、探し始めてくれた。だが、なかなか見つからず、最後は他の店員さんまで登場し、ようやく探し出してくれた。

さて、僕が今死んでしまったら、一番の思い出として何を選ぶだろうか。すてきな思い出を見つけられない僕は、ただただ今を漂っていくだけだ。