乙一 著 「失はれる物語」を読みました。
目覚めると、私は闇の中にいた。
交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。
残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。
ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。
それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。
表題作のほか、「Calling You」「傷」「ボクの賢いパンツくん」「ウソカノ」などを収めた短篇集。
全体的に切ない系の物語が詰まっています。
理想は幻想だったとわかっても、現実もそう捨てたものじゃないと思えることがある。
白 乙一ワールド全開の短編集です。