誉田 哲也著
「ジウ〈Ⅰ〉―警視庁特殊犯捜査係」を読みました。

都内の住宅地で人質篭城事件が発生した。
所轄署や機動隊とともに警視庁捜査一課特殊犯捜査係が出動し、門倉美咲巡査は差し入れ役として犯人のもとへ向かうが―!?
篭城事件と未解決の児童誘拐事件を結ぶ少年、その背後で蠢動する巨大な事件とは?
「アクセス」・「ストロベリーナイト」・「ソウルケイジ」ときて、誉田哲也作品4作目です。
本作で描かれるのは対照的な二人の女性警察官。
モデルのように背の高い、涙もろく、性善説をまっすぐに唱える美咲。
男勝りのたくましさで女性初のSWAT隊員に選ばれ、破壊への衝動を押さえつけながら愛を軽蔑する基子。
柔と剛、鈍と鋭のようにイメージの対照的な二人をめぐり、ドラマは動く。
誘拐事件、たてこもり、強姦未遂、犯人のアジトへの強襲。
凄惨な事件の裏に見えかくれする、およそ情を持たない少年、「ジウ」。
「ジウ」は何を思い、この事件を起こすのか?
二人の主人公を取り巻く男性陣の人物描写も興味深い。
事件、人物、どちらも実にリアルで、深く、多彩で、しかもスピーディな展開は読者を飽きさせない。
これはかなり面白い!
早速、この続きのシリーズ「ジウ〈Ⅱ〉」、「ジウ〈Ⅲ〉」を買い求めました。