楡 周平 著 「無限連鎖」を読みました。
全米各地で再び発生した同時多発テロ。
その直後、セレベス海で日本の巨大タンカーがシージャックされる。
爆薬を積んだ船は、犯人らの指示により進路を東京湾へ。
「一億ドルの現金を用意しろ」。
謎のテロリスト集団の要求を呑まなければ、東京湾は火の海になる。
刻一刻と近づく危機に、日米首脳は苦渋の決断を迫られる・・・。
経済大国の米国び米支援国へのイスラム原理主義者のテロがテーマ。
しかも、ここに書かれたテロはすごい。
単に無差別に大量殺戮するテロではなく、 国民生活をじわじわと痛みつける、経済に大打撃を与える為のテロ。
アメリカではC-4プラスチック爆弾の使い陸橋・トンネルなど物流の要所を同時を破壊する爆破テロ。
そして日本では東京湾で原油満載のタンカーを盾にした爆破テロ。
もし東京湾内に大量の原油が流れ出したら・・・。
テロがテロを呼び、戦争は戦争を呼ぶ。
権力と武力、大国の正義とは・・・。
まさしく無限連鎖。
考えさせられる一冊です。