ようやく「輪違屋糸里 下」を図書館で見つけ読みました。
最初にこの本を手に取ったのはまだ暑い盛り。
読み始めて、やさしい京言葉がすぅっと心に沁みいって、そこだけ涼しい風が吹き抜けるような、そんな感覚がしたのを覚えています。
けれど、太夫や天神が話す京言葉のはんなりとした雰囲気とはうらはらに、時代は殺伐とした幕末。
新選組がまだその名をもたず、芹沢派と近藤派に分かれていたころのことです。
実は新選組の本を読むのは初めて。
「竜馬がゆく」以来坂本竜馬のファンだし、初めて新選組に興味を持ったのは「るろうに剣心」の斎藤だったし・・・。
大河を見るまで、詳しいことは何も知りませんでした
だからこの本を読んでいても、芹沢鴨は佐藤浩市氏になっちゃうし、お梅は鈴木京香さんになってしまう・・・
読み始めは違和感があったけど、それにもだんだん慣れてきました。
でも土方と斎藤はイメージが違ったので、山本耕史くんとオダギリではありませんでしたが。
この本で注目されるのは、新選組を扱いながら、一方で否応なく彼らに巻き込まれていった女性たちを描いていることでしょう。
島原の芸妓糸里に吉栄、芹沢の愛人お梅、そして新選組を世話した八木家のおまさと前川家のお勝。
後で知ったのですが、5人とも実在の人物のようです。
当時のことで女性の資料が残っているわけでもなく、浅田氏がいろいろ調べて想像をふくらまされたようですが、その女性たちが本当に美しくせつなく、それでいて強く描かれていました。
歴史の中でほとんど表舞台に上がることのない女性たち。
けれど、いつの世も女性たちは運命に逆らうこともできず、時代の流れに翻弄され、つらいことも悲しいことも受け入れ生きてきました。
そんな中でも、自分の信念をできうる限り貫こうとする凛とした女性が、どの時代にもいたと思います。
この本の中で、糸里は土方を想いながらも芸に生きる道を選び取りました。
自分の思いすら土方に利用され、挙句に刀をつきつけられることになっても、土方への想いを捨てなかった糸里。
しかし、彼女は土方の申し込みをきっぱり断ります。
「わては、わてにしかできひん生き方をしまっさけ、土方はんもそうしとくりゃす。あんたはんは、立派なお侍や」
ふたりが別れる場面の、この糸里の言葉に胸が打たれました
いろいろ思ったことはあるのですが、ネタバレになりそうなのでこれくらいにしておきます。
新選組といってもけっして血なまぐさい話ではなく、私はどとらかというと女性の視点で読んで感動しました。
新選組の隊士も愛着を持って描かれており、身近で世話したおまさやお勝から見た芹沢や近藤が、時代を動かす近寄りがたい人物ではなく、欠点はあるもののまっすぐな人物をして描かれているのがうれしかったです。
ただねえ、斎藤の出番がもっとほしかったかなあ・・・。
永倉とか沖田のことを書いてる場面はよくあったのに、斎藤ってやっぱり変わり者だったのかなあ。
最初にこの本を手に取ったのはまだ暑い盛り。
読み始めて、やさしい京言葉がすぅっと心に沁みいって、そこだけ涼しい風が吹き抜けるような、そんな感覚がしたのを覚えています。
けれど、太夫や天神が話す京言葉のはんなりとした雰囲気とはうらはらに、時代は殺伐とした幕末。
新選組がまだその名をもたず、芹沢派と近藤派に分かれていたころのことです。
実は新選組の本を読むのは初めて。
「竜馬がゆく」以来坂本竜馬のファンだし、初めて新選組に興味を持ったのは「るろうに剣心」の斎藤だったし・・・。
大河を見るまで、詳しいことは何も知りませんでした
だからこの本を読んでいても、芹沢鴨は佐藤浩市氏になっちゃうし、お梅は鈴木京香さんになってしまう・・・
読み始めは違和感があったけど、それにもだんだん慣れてきました。
でも土方と斎藤はイメージが違ったので、山本耕史くんとオダギリではありませんでしたが。
この本で注目されるのは、新選組を扱いながら、一方で否応なく彼らに巻き込まれていった女性たちを描いていることでしょう。
島原の芸妓糸里に吉栄、芹沢の愛人お梅、そして新選組を世話した八木家のおまさと前川家のお勝。
後で知ったのですが、5人とも実在の人物のようです。
当時のことで女性の資料が残っているわけでもなく、浅田氏がいろいろ調べて想像をふくらまされたようですが、その女性たちが本当に美しくせつなく、それでいて強く描かれていました。
歴史の中でほとんど表舞台に上がることのない女性たち。
けれど、いつの世も女性たちは運命に逆らうこともできず、時代の流れに翻弄され、つらいことも悲しいことも受け入れ生きてきました。
そんな中でも、自分の信念をできうる限り貫こうとする凛とした女性が、どの時代にもいたと思います。
この本の中で、糸里は土方を想いながらも芸に生きる道を選び取りました。
自分の思いすら土方に利用され、挙句に刀をつきつけられることになっても、土方への想いを捨てなかった糸里。
しかし、彼女は土方の申し込みをきっぱり断ります。
「わては、わてにしかできひん生き方をしまっさけ、土方はんもそうしとくりゃす。あんたはんは、立派なお侍や」
ふたりが別れる場面の、この糸里の言葉に胸が打たれました
いろいろ思ったことはあるのですが、ネタバレになりそうなのでこれくらいにしておきます。
新選組といってもけっして血なまぐさい話ではなく、私はどとらかというと女性の視点で読んで感動しました。
新選組の隊士も愛着を持って描かれており、身近で世話したおまさやお勝から見た芹沢や近藤が、時代を動かす近寄りがたい人物ではなく、欠点はあるもののまっすぐな人物をして描かれているのがうれしかったです。
ただねえ、斎藤の出番がもっとほしかったかなあ・・・。
永倉とか沖田のことを書いてる場面はよくあったのに、斎藤ってやっぱり変わり者だったのかなあ。