ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

『歩く』  SMALL STEPS

2007-12-18 | 読むこと。
最近、本のレビューがすっかりご無沙汰になっていました。

忘れっぽいので、レビューを書かないことには、
なかなか次の本に手が出せないのです

↓この作品も書きかけのままになっていました。

フラニーさんに教えていただいた作品。
長女がどうしても読みたい、と言ってたのに
図書館にはなかったので、京都の本屋で見つけたとき、即、購入。

久々の、本の衝動買いでした(笑)




          『歩く』
        ルイス・サッカー



以前、同じ作者の『穴』を読みました。
長女が図書館で借りてきて、おもしろいよ、と
薦めてくれたのです。

ルイス・サッカーの作品はおもしろいと聞いていましたが、
なんとなくわたし好みではないかな、と思い込んで
まだ手にしたことはありませんでした。

このときもあまり期待せず読み始めたのですが・・・。


無実の罪で矯正キャンプに送られた主人公スタンリー。
まわりは、ひとくせもふたくせもありそうな少年ばかり。

焼けつくような大地で、させられることといえば穴を掘ること。
矯正のため、とは言うものの、実は謎がありそうです。

代々ツイてない家系のスタンリーが、
その呪われた運命(?)を見事はねかえし、
合間に語られる昔のエピソードが、
最後に見事にひとつにつながります。

読み終わって、ほんとに「おもしろかった~!」
思わず拍手したくなるような結末なんですよ。


で、この『歩く』。
スタンリーが送られた矯正キャンプで一緒だった、
アームピット<脇の下>が主人公です。

キャンプを出て、真面目に働くアームピット。
そこへ同じキャンプにいたX.レイがお金儲けの話を持ってきます。

せっかくきちんと高校を出て、
まっとうに生きようとしてるのに、
X.レイの甘い言葉にだまされたらあかんよ~!

オバサンとしては、つい忠告のひとつもしたくなります(笑)

しかし。
案の定、警察沙汰に巻き込まれ、
ずるずると悪運に引き寄せられていくアームピット。
一体どうなることやら、と読者は心配させられますが・・・。

タフで優しいアームピット。
脳性麻痺の少女ジニーと、ごく普通の友達関係を
結んでいるところがなんとも素敵です。

そして、もうひとりの魅力的な登場人物、
人気スターのカイラとの恋。

少年少女時代は、回り道したり、遠回りしたり、
かと思えばあわててかけ出して転んだり。

そんな少年や少女のナイーブな内面が、
とてもよく描かれています。
いかにもアメリカ的、と思わないでもないですが、
ちょっと反抗的なところは万国共通ですね。

アームピットとカイラもさまざまな出来事を経て、
今、別々の、小さな一歩を踏み出そうとしています。

ちょっと胸がきゅんとするラストもいいですね。


『穴』に比べると、少しインパクトが弱いかなあ、
とも思いましたが、長女いわく、
「それは『穴』のあと『道』を読んでないから」
だそうです。

今度、『道』も読まねば


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2 コメント

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おお~ (jester)
2007-12-20 23:22:25
Holesですよね!
私も前に読んですごくおもしろかった。
玉ねぎ食べたくなりました。
英語もとっても平易なんですよ。

あの続編がでてたんですね~~
これは読まなくては!
くっちゃ寝さん、情報ありがとうございます♪
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Unknown (くっちゃ寝)
2007-12-21 14:07:15
続編といっても全く違う話ですが、Holesでチョイ役だったアームピットが主人公です。

>玉ねぎ食べたくなりました。

そうそう、玉ねぎね~。
ちょっとほら話っぽいところが、なんともよかったです(笑)

日本語訳は『穴』と違って金原瑞人さんでしたが、長女は『穴』の訳者のほうがよかったと言ってました。
私はあまり気にならなかったけど。
翻訳だとこういことがあるんですよね。
微妙に雰囲気がかわるとか。
これも日本語のタイトルが『歩く』なので、なんでかな、と思ったら原題がSMALL STEPSでした。
他につけようがなかったのかな・・・









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