ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

魔法の声

2005-11-15 | 読むこと。
                   
                       『魔法の声』
                       コルネーリア・フンケ

久しぶりに図書館でのんびりと本の背表紙を眺めていたとき、引き寄せられるように1冊の本に手が伸びました。
(時々こういうことってあるんですよね。本がおいで、おいでしてるみたいな)
その本というのは、『魔法の声』。
コルネーリア・フンケ作のファンタジーです。

フンケ・・・ああ『どろぼうの神様』の作者か・・・おもしろいかも・・・。

ハリー・ポッター以来次から次からファンタジーが出版され、最初喜んでいたものの、どれも似たり寄ったりで最近は少し遠ざかっていました。
借りてみる気になったのは、主人公メギーの父が本を声に出して読むと、登場人物がこの世に飛び出し、引き換えにそばにいた人間が物語の中に消えてしまう、という設定に興味をそそられたからです。
物語の登場人物が飛び出すって、おもしろそうじゃないですか!

『どろぼうの神様』を読んだとき感じたのですが、フンケの作品は登場人物が魅力的に描かれています。
本でも映画でもストーリーはおもしろいのに、主人公が魅力的でなかったらがっかりしませんか?
本を読む楽しみのひとつは、お気に入りの人物をみつけることですよね・・・って私だけ!?

この本の中では、意外にもそれがホコリ指でした。
しょっぱなから出てくる何やら怪しい男、ホコリ指(名前からして胡散臭い)。
イイヤツなのか悪者なのか・・・メギーも彼を警戒します。
読みすすむうちに、ほらやっぱり悪いヤツだ、と思いながらもどこか淋しげで憎めない。
謎だらけで暗くって、臆病者かと思いきや、意外に頼りになって・・・。
一体何なんだコイツは、と思って読むうちに、すっかり彼ばかり追いかけているわけですよ。

噂によると、この物語は映画化されホコリ指はヴィゴ・モーテンセンがするとかしないとか・・・。
真偽のほどはわかりませんが、私の頭の中では「ホコリ指 → アラゴルン」のイメージが定着し映像化までしてしまいました

ストーリーは、テンポの早いハラハラドキドキのファンタジー。
映画にはまさにうってつけでしょう。
本当に映画化されるといいな。

ストーリー展開のおもしろさだけではなく、この本のもうひとつの魅力は文字の持つ不思議な力のことが描かれていることです。
私たちはふだん何気なく文字を読み、その世界に浸っているわけですが、それって不思議なことですよね。
紙とペンだけで生まれる世界。
実際に登場人物が目の前に現われなくても、本を読んでいる間私はその世界にいるわけだし、自分で勝手に頭の中で映像化までしている。
まさに文字は魔法の力を持っているんだなあと思いました。

『ピーター・パン』を読んだらティンカーベルが出てきたり、本の作者が自分の作り出した悪者をなんとかしようとしたり、本をめぐってのファンタジーなので本好きにはけっこう楽しめます。
終わり方がすっきりしないなあと思っていたら、続編が出るようです。
ホコリ指がどうなるのか心配だったので、続編が楽しみ








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