大英博物館とナショナル・ギャラリーを見学してほぼ一日が終る。帰りにリバティに立ち寄った。
大英博物館の開館は午前10時なので、余裕を見て午前9時に宿を出る。地下鉄ベーカールー線に乗り、オックスフォード・サーカスでセントラル線に乗り換えてホルボーンで下車。既に通勤時間のピークを過ぎているはずなのだが、職場へ向かうと思しき人々で地下鉄は混雑していた。こちらでも車内や駅構内で携帯端末を操作している人は少なくないのだが、東京のようにヨタヨタ歩きながら弄っている人は皆無ではないにしても少ない。エスカレーターの速度がやけに速い所為もあるのかもしれないが、駅構内を移動する人の流れが速い。ゲーム機や電話などの携帯端末の普及に連れて東京は人の流れが緩慢になり、しかもかつて見られた秩序が失われているように感じられるのだが、ロンドンは今でも急流のように駅構内を人が移動している。この違いが何を意味するのか、これからどのような意味を生むことになるのか、少し関心を払って観察してみたい。
ところで、ピカデリー・サーカスに面したビルに嘗て日本の電子部品メーカーと家電メーカーの巨大な看板があったのだが、電子部品メーカーの看板は韓国の電子機器メーカーのものに、家電メーカーの看板は韓国の自動車メーカーの看板にそれぞれ置き換えられていた。ふと、大英博物館で見た遺跡の出土品を思い出した。日本も「そういえば、昔、そんな国があったっけね」なんてことにならないようにしないといけないと思う。