熊本レポート

文字の裏に事件あり

改革の路遠し菊池市の腐蝕の構造  第二回

2015-09-25 | ブログ

 感情を抑えたつもりであったが、「信頼性に欠けるの一言で、そこで伺った次第」と念を押して告げると、「極めて特異なケースなので文書での概要説明をお願いできますか?」と中央官庁の担当官は電話口の向こうから逆に要請してきた。当事者には要らぬ世話だろうが、実に厄介な話だ。詳細は省略するが、菊池市の一連の入札、発注疑惑の噂に基づく法律上から見た自治体の対応についてである。
 それはさておき、平成25年10月に開かれた菊池市議会の臨時議会では、冒頭の見解そのものの質疑と答弁が行われている。 議案は『防災行政無線デジタル統合化整備工事の契約締結』に関する承認で、先ずは回答側の問題。
 東英俊議員(前)が「マイクロ系18GHzの機器について、それを仕様書に明記し、同機器を製造している業者に限ると条件を設定した結果、入札には同機器を製造している日本電気と日本無線だけが参加し、これは他社の排除につながったのではないか」(競争入札を損ねた)と質問。
 これに対して市民環境部の下田部長は、「沖電気工業、東芝、パナソニックシステムネットワーク、日立国際、富士通ゼネラル、三菱電機もマイクロ18GHzは製造可能であって、そうした中で彼らが入札に参加しなかったからといって、公正な入札が損なわれたとは思われない」と答弁。これについての問題点は後述するとして、次は菊池市議会議員としては、日夜問わず勉強した跡の想定される質疑を紹介。
 A議員が九州北部豪雨の例を取り出し、「隣接市町との互換性、マイクロ多重回線を導入した目的」について質問し、同環境部長の答弁に「安心しました」と承認の意向を表明。
 さて、先の同部長の答弁だが、総務省の推進しているデジタル統合化整備はVHF、UHFが主であって、菊池市の同整備事業で入札に参加した日本電気、日本無線以外の沖電気工業、東芝、パナソニックシステムネットワーク、日立国際、富士通ゼネラル、三菱電機の6社は現在においても未製造。すなわち、市民環境部長は偽証とまではいわないが、嘘の答弁をしたわけだ。
 仮に同部長が『製造しているとはいっていない。製造可能だと答弁』と技術レベルの話をしたとなると、町工場ではあるまいし、七城町の2装置だけのためにメジャーな企業が製造するか否かくらいの判断は、部長なら可能な話。
 公共事業において特許製品等の特殊な機器、装置(限定数)の指定があった場合、それを同業者間で売り買いするのはよくある例。ところが同整備事業で、菊池市は「自ら製造している業者に限る」と入札参加条件を設定。明らかに6社の排除である。同6社は、「設計図から日本電気のソフトが使用されていたりと、菊池市には魔物が棲んでいると、コンプライアンス以前の問題で早々と匙を投げました」と語った。
 同部長は、彼らの疑問、疑惑を全て承知の上で嘘の答弁を並べて執行を急いだ。
 そして、マイクロGHzの導入を称賛したA議員だが、他メーカーのプランについて勉強不足だったことは確か。もちろん地方議員においては、限定メーカーだけの勉強で一杯なのは当然・・・。

 


改革の道遠し菊池市の腐蝕の構造  第一回

2015-09-23 | ブログ

「この二年間の苦労は何だったんだ」と、持って行く場のない怒りを拳に込めてテーブルを叩いた。それを沈黙で通すしかないと、彼から目を反らして時の経つのを待っていた男が後日、軽い性格からか「予想(情報)が狂って恥をかいたな」と、笑顔を見せて子供の喧嘩のようなことを呟いた。
 マスコミには品格、器の問われる庶民相手の勝った、負けたの記事はタブーだが落札者の決定前、『1億円もの差は余りにも大き過ぎる。地元(業者)に負担せよといっても呑まないだろ…降りるしかないな』という漏れ出て来た(調整役?)話を考えると、種々の情報活動は活きたという結果になる。少なくとも菊池市は1億円の無駄が省けた。同市の庁舎増改築整備事業の入札に関する事案である。
 ところで同入札は郵送入札で8月10日に開始されて20日が開札で、23億5300万円の前田建設工業の落札が決定、公表となったのは9月1日。
 西松建設のチャンピオンは断定こそしなかったが、色々な状況証拠から可能性の高いことは噂として発信した。単なる西松建設の落札予想だけなら誰が関与したと噂になっても事件性には乏しく、逆に出て来るのは名誉毀損、営業妨害。だが、それを関係者の談話、漏れ出て来た信ぴょう性の極めて高い情報から問題点の背景、そして同社JVの入札価格24億6035万円を予想したのは8月17日深夜。それは入札への配慮であった。
 そこで振り返ると、関係者に緊張があったのは19日以降で、入札後ということになる。入札価格が事実であったか否かは、それは執行部が正常なら開札調書で明らか。また落札者予想が狂ったことについては、先述の通り結果的に菊池市民には大きなプラス。そもそも大手ゼネコンは、「敷かれたレールを走るだけです」と妥協を詭弁でかわす地元業者とは異なり、10年前に「脱談合宣言」を誓った業界。もちろん、地方の政治力学に狙われる旧態依然の大手ゼネコンもあるが、それは話題の特異、限定される業者。冒頭の怒り、県事業への影響を懸念するような企業でもなく、普通ならどこの市町村でも有り得た結果。
 一方、同時に実施された生涯学習センター建設の入札は、入札要領15条により中止、やり直しとなったが、この15条とは「入札が1社しかなく不成立」ということで、これは「事件性が懸念される」と敬遠された結果。予想通りだったか否か、懸念されたとは何か、それらは前事業と同じく閲覧で検証すれば市民でも確認は可能な真相。加えて、地元業者グループの下請け受注を支持して、不当な圧力はないか、その確認で施工台帳の閲覧も必要ではなかろうか。
 さて、テーマの核心はここからである。自治体の裏には縁がない、興味がないとする市民こそ理解の求められる中身で、秋の夜長に灯りとなればと話を続けるが、「1億円の差額」がこれまでと同じく事実となると、推察される同調整の場は行程的に入札後で、そこは官製談合。以前より疑惑の持たれていた菊池市の暗部である。「自称の仲間は多けれど議会の同志は二人」と見解が出れば、その裸の王様には同情も起きるが、期待して担いだ以上、そこには義務も要する。そこで、そうした市民に明らかにしたいのが腐蝕の構造。
 今後、幸いか不幸か外からの検証も予想されるが、その前に語ると平成25年10月の臨時議会で、某部長は全てを承知の上で、某事案について嘘の答弁を持って真相を隠した・・・(つづく)