熊本レポート

文字の裏に事件あり

事件は現場で起きている(3)消えた川内原発の8億円と上天草市の6億円

2014-03-20 | ブログ

 遊休資産の売却まで手を付ける状況の九州電力は、原子力規制委員会による川内原発1、2号機の再稼働に向けた優先審査には万歳の声を上げたが、この川内原発には3号機増設に絡んだ43億円の埋蔵金問題もある。
 再処理、プルサーマル等の核燃料再処理システムが確立していない我が国での原発問題は、そのものが異様ともいえるが東北大震災後、原発について世論は大きく動き始めた。
 原発の建設が決定すれば、その用地は電力会社へ渡るまでに地価は10倍以上に値上がりし、その利権に加えてもらえなかった政治家が反対運動に回ったり、反対運動のリーダーがビジネスホテルを建ててもらった替わりに阻止の旗を降ろしたりとか、日本の原発問題は利害というマネーで動き、推進されてきたといっても過言ではない。Gaiyou_photo_01_2
 平成22年12月の鹿児島県知事による川内原発3号機の増設了承という前後、九州電力は鹿児島県に25億円、地元漁協へ18億円を対策費の一部として渡した。3号機増設の未着工時では預け金であって1、2号機の再稼働はともかく、ここに来て3号機の増設が危ぶまれて来ると当然、その45億円が電力料金再値上げの際にはネックとなる。
 ところが、その地元漁協の銀行口座にプールしてあるはずの18億円中の8億円が、すでに引き出されて行方不明というのだ。
捜査が入れば誰が引き出したかは直ぐ判明するが、誰に配られたかとなると「政界を巻き込む事件」と現地も注目している。
 一方、昨年10月に発注された大道港浮桟橋整備工事(吉田・住吉JVが2億2230万円で落札)について、官製談合容疑が浮上している上天草市だが、同市議会の開会日に面白い出来事があったと議会筋は伝えてきた。
 「同容疑に建設部長が関与となれば市長に任命責任が発生する。それでは施政に支障を来すわけで、そこで替わりに副市長の引責辞任で幕を収めるのが妥当」
 そんなシナリオが作成されて、用意された「依願辞職の挨拶状」が副市長に提出された。Photo
 これには市長も副市長も戸惑ったと思われるが、同議会筋はこれについて「手早過ぎるお膳立てからして、行政責任での決着で事件の終結を目論んだ」という見解にある。
 上天草市には旧龍ケ岳町から引き継いだ6億円の漁協債務保証が存在し、それが棚上げされっ放しで あることが同市、同議会には当事者ながら疑問符の付く事案となっている。
 上天草問題の原点はここにあるというが、発生する問題で納得の解答を希望する人には、この「合併前夜」が必読と勧められている…。


紺碧の天草西海岸での秘め事

2014-03-06 | ブログ

 2月26日、地元紙が地域欄の囲み記事ながら実に面白い出来事を教えた。「あまくさ荘(国民宿舎)跡地における随契での譲渡には問題があると『監査請求』が市民から出されたが、それに天草市は『問題なし』と回答」と、現地の市政クラブから報道。
 だが、これは昨年9月の同市議会で中村三千人議員から問題提起され、ここまで継続審議となって現在、同議会経済委員会で検証、審議中の事案。
 請求した市民は「告知義務(同市)を怠った」と、また地元紙は「会見記事で紙面構成」との言い訳でも通るだろうが、同市の執行部がここまで「議会軽視、無視」となるとは実に面白い。熱中するほど関心を抱く面白味ではなく、呆れた上での面白さである。
 9月議会で、中村議員の該当事案での質問に対して同市総合政策部長は、
 「宿泊施設(譲渡相手)前の土地は『緑地帯を設ける』と環境省からの指導もあって、またこれは旧天草町とで取り交わされた約束の継続案件」
 同実行の理由を上げて答弁。。
 これでは環境省からの指導に基づいた、また合併前の旧天草町からの継続事案(譲渡)となれば、それは納得と市民は理解ということも考えられる。
 ところが中村議員の質問は、
 「民営化への入札に向けた審査中、その公募で提示された19640平方メートルの中から6311平方メートルの敷地について、特定の業者へ譲渡手続きが進められたのは(譲渡契約は同入札の中止が通知されて6日後)公平、公正さの求められる自治体としては不可解な執行で、また5000平方メートル以上の市有地に関する売買は、地方自治法(第九六条第一項第八号)の規定及び定められた議決案件によって、議会の承認を要したのではないか」という内容で、それを専権事項ですり抜けるという同執行部には無理がある。1 (図の黄色が譲渡された市有地)
 また、執行部側の答弁について旧天草町の元議員は、「敷地の極一部は自然公園法の対象地にあるが、該当の施設と敷地の大部分は同法許可対象外で、緑地整備等の対象地ではない。また駐車場等の賃貸契約については申し送りもあったが、該当地における売買契約の申し送り等は存在しなかった」と語っている。
 事実と真実とには場合によって大きな違いがあって、得する気分になれるのは真実の選択。
 しかし、そこは地方自治を考える絶好の花見シーズンが、紺碧の西海岸から直ぐ上がってくる天草…。


CM全国区の再春館グループに赤ひげが放った雉の草隠れという評

2014-03-03 | ブログ

 世の中についての視点が多種多様化すると、人はことの本質、善し悪しを見誤る場合もある。そういう意味で社会活動上の基本となるのは、やはりルールであって、そのコンプライアンスにおける姿勢によって人や組織の品格、値打ちが決まる。
 ところで保険医療機関や保険薬局に関わる人々について、社会的に指導的な知識層という認識にあるが、そこに「国民を薬害から守り、薬で利益を図る医療機関の解消」を目的として制定された「医薬分業に関する法」(保険医療養担当規則)が存在する。彼らも人の子で、それは「国民の健全な健康保険の活用」を主旨とする規則。
 その第二条の三に「健康保険事業の健全な運営の確保」として、保険薬局は保険医療機関と一体的な構造であってはならないし、また保険医療機関と一体的な経営にあってはならないとしている。
 一体的な経営についてはともかく、禁じられている一体的な構造について厚生労働省保険局医療課は、
 「保険薬局と保険医療機関とは公道、またはこれに準ずる道路等を介さずに専用通路等により患者が行き来するような形態」と説明。Photo_11
 療養担当規則第二条の四及び第十九条の三にある「特定の保険薬局への誘導禁止」にも関係するが、「保険医療機関と保険薬局とは公道、それに準ずる道路で分離」という規則にある。
 それでは「特例、除外事項はないのか。また該当法律、規則に反した場合の罰則規定はどうか」と確認すると、先述の同省保険局医療課は「そもそも違反するような立地構造の保険薬局は認められない」と回答。
 ところが、同見解に疑問を抱く保険薬局が熊本には存在した。
「厚生労働省の厳しい指導で開局地をやむなく変更させられた保険薬局もあるが、あそこは異例」(熊本市薬剤師会員)
 医師会会員の病院長の中からは同所在について、「不条理な状況」という声さえ挙がった。
 彼らが示唆する該当の病院とは、再春館がグループに入れた桜十字病院(熊本市御幸木部)。Photo_12
 誤解のないように替わって説明し直すと、該当の保険薬局は桜十字病院の所有地に建っているわけではないが(土地所有権として分離)、変形塀で囲まれた同病院の敷地内に存在し、保険医療機関から駐車場へ通じる中間の一角に所在する。もちろん駐車場は、同病院の駐車場で兼用。
 厚生労働省保険局は「特例も除外事項もなし」と、自信あるかん高い声を返したが…だとしたら指定、許可理由とは何だったのかと不可解、理不尽だと同業界が思うのは当然。Photo_14
 薬剤師会の中からは「保険医療、薬局の資格取り消しまである」と、その罰則規定まで超想定話で噴き出したが、たらい回しされる関係機関の中で辿り着くのは、端っから承知の熊本県社会保険医療協議会(九州厚生局熊本事務所内)。
 桜十字病院は、先に述べた通り幼児でも承知のCM全国区まで成長した再春館グループの病院。風当たりの厳しさを知る者には、いまや地元経済界の長老グループ内でしか知らない創設時、また県警本部長の怒りなど引き出して語るつもりはないが、CM で紹介の環境問題への取り組み、人間愛には敬意を表する気持ちにはある。
 しかし以前、同グループの警備会社から駆け込む社員について、厚生労働省の別部局が「常習業者」と漏らしたのを記憶していて、それと今回の事案とを重ねてしまうのも視点の問題か。普通なら急激な規模拡大による歪みと評するが、師事する赤ひげは「雉の草隠れ」と呟きながら天を仰いだ…。