熊本レポート

文字の裏に事件あり

新ごみ処理施設事業に見る熊本県天草の不正への慣れ?

2022-07-14 | ブログ
 自治、行政が法に基づいて執行してはならない行為について住民、議会が論理的に理解していなければ違法、反社を容認、放置する地域であるのは当然だが、6億3500万円余りの通信設備及び同管理を随契で受注(議会談)させて貰った経験からか、そんな当事者が政治家も育てられない天草を逆に幸いとして市長に就任すると、自己保身の平穏無事型という議会など何ら気にする事はないと8月、新ごみ処理施設建設、同運転管理委託の発注(計約360億円)で、「官製談合は正当」と自らの思惑通りに執行する疑いが濃厚となった天草広域連合(天草市)。



 そもそも地元紙の1面スクープと連帯して、第三者委員会の設置まで動かして告発した前漁協長の収賄容疑問題が、75日も経過すると跡形もなく立ち消えたという話を振り返るまでもなく、月日が経つと、どっちの方が詐欺、恐喝、収賄容疑なのか判らなくなる天草。事の善し悪し、真贋の見分けも困難な精神的にも長期過疎地の補助金依存症と診れば、果たして言い過ぎだろうか。
 リーダーと称する人々らの意識分析はともかく、恥も外聞もない天草市議会は新ごみ焼却施設建設、それに約20年間に及ぶ同運転管理に向けた事業費約360億円について6月議会では、その数字に何ら戸惑うこともなく、すんなり可決したが、理由は後述するとして後は九州テクニカルメンテナンス㈱(鯵川太司代表・熊本市東区健軍)、南九州エンジニアリングサービス㈱(長谷大輔代表・熊本市東区御領)の経済が後押しする正義感に可能性1パーセントが託された同事業と言っても過言ではない。
 即ち、このままでは天草広域の新ごみ焼却施設事業は官製談合の容疑が色濃く、一部の正常な住民にも更に諦めを生み、精神的な補助金依存症の拡大に繋がる恐れがある。
 実は020年、環境施設事業計画のアドバイザーでもある日本環境衛生センターのT熊本営業所長が、同じく熊本県庁OBである日立造船のY氏を伴って中村前市長を訪問。
 日本環境衛生センターは事業計画のアドバイザーで在るにも拘らず、宇城広域連合のごみ焼却施設の建設では、執行部と結託して日立造船とのJVを組合議員にも隠蔽して受注という灰色の過去を持つが、ここ天草では市長が馬場氏に替わると、今度は構図を示せば中学生でも判る官製談合容疑へのプロセスが浮上した訳だ。
 何度も繰り返して来たが、同新ごみ処理施設の建設に向けての「官製談合容疑」は、発注先を決定する(総合評価型の入札)選考、選定委員会の委員に宿泊先の手配まで要する宮城大学(同県の国立東北大学ではない)のK教授を迎えたこと(馬場市長)に始まる。
 熊大、九大の専門教授らにK教授について尋ねると、何れも「知らんわ」の第一声に始まり、後でネット検索の「コンクリート用材へのごみの再資源化を図る研究者」というヒントが寄せられた。
 この研究は論文で発表されており、それは日鉄エンジニアリング㈱(日鉄住友金属)の協力によるもので、論文は同社技術スタッフとの共同研究。
 ごみの再資源化は再資源の環境汚染等の問題で、まだまだ研究段階にあるが、再資源化を図る焼却炉の1つがシャフト型で、その専門メーカーが日鉄エンジニアリング。即ち、日本国内でポピュラー化したストーカ型については、日鉄エンジニアリングは実績がなく(建設中は1基)、該当の天草広域では表上、この日鉄エンジニアリングのシャフト型と、他社のストーカ型との受注競争となるが、この競争に白黒を着ける選考、選定委員会に日鉄エンジニアリングと繋がりの深い教授をわざわざ東北から迎えたとなると普通、常識的にストーカ型はアウトと想定する。



 そもそもシャフト型とストーカ型との比較は、まな板に神戸牛と大間のマグロを上げて、その味の決着を図るような異常な競争だが、再資源化への研究段階とは言ってもシャフト型は最終処分場が不要で、既存の最終処分場、また再資源化の企業、工場への輸送、運搬費用も不要。その分、シャフト型はストーカ型より2割弱は格安と見られている。
 そこで「官製談合は根も葉もない話で、技術的な優秀さは勿論、何より格安であった」と結論されると、ストーカ型の各社は「ぐうの音」も出ず、該当住民は「そうなんだ、そうなんだ」と納得する構図が出来上がる。
 ところがシャフト型は、大量なコークスを使用し、「地球温暖化、環境汚染」が叫ばれる脱炭素時代に大きな課題も残す。
 またウクライナとロシアとの情勢でも理解される通り今後、石炭(コークス)価格の高騰化も想定される。
 それを「発注後は環境問題、高騰化する燃料問題はメーカーの問題」と、責任転嫁するのが自治体の真の姿であろうか。
 しかし、ここでの問題は、先述したプロセス(過程)での「官製談合容疑」で、「公正、公平」をモットーとする自治体が、検証次第では談合罪、独占禁止法よりも重罪となって、純粋な子供らから見たら「恥を知れ」の構図。
 そこで最後の期待は先述した九州テクニカル、南九州エンジニアという地元企業の経済を背景にした正義(公正、公平を求めた活動)に託される訳だが、その可能性は残り期間もなく1パーセント。





 九州テクニカルメンテナンスは環境施設の運転管理、メンテナンスを主事業とする地元企業で、天草市新和町にも事業所を設けて居て昨年、川崎技研のストーカ型を推し、鹿児島県の北薩行政事務組合での新ごみ処理施設を受注という実績に在る。ただ川崎技研が牛深、氷川、益城、山都町に既設が在るにも拘らず、同社の経営陣交替から「熊本県は新規辞退」(県内行政事務組合談)という県内からの撤退との気掛かりな噂。
 また南九州エンジニアサービスは環境設備のメンテナンスを主力とする地場企業で、代表は焼却炉も主生産のメーカーである荏原の元社員。ポンプ、下水道設備における荏原の代理店として、該当の天草市とも繫がりは深い。
 いま環境設備は大変貌を遂げて居て、地元の関係企業も業界構図を変えつつあるが、この2社に期待する自治体も多く、そういう意味から託した2社。
 今回、日鉄エンジニアのシャフト型に挑戦するストーカ型のメーカーは、JFEが沖縄県での不祥事から辞退するのは残念だが、ここに取り上げた荏原、川崎技研、それに日立造船と想定。彼らストーカ型が落札する可能性は1パーセントと見ているが、その賭けに託すのが九州テクニカルと南九州エンジニア。
 多額な補助金を含む約360億円もの事業を巡る入札において、誰も異常との声を挙げなかった天草の2年間で、その背景は冒頭に在る…。