熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本地震によるトラウマからの独り言

2016-04-25 | ブログ

 舐めた手前に災い降るではないが、今回の熊本地震を懸念していた県民がどれだけいただろうか?
 布田川断層帯と日奈久断層帯の上に存在し、専門家筋から「地震」が懸念されていたのは確か。また、それを知り得ていた県民も少なくはなかったはずだ。
 ところが1895年、1931年の過去とは無縁の県民はある部分では楽観的で、「地震は余所事」とタカをくくっていたのも確か。
 4月14日のM6・5を経験し、避難の呼び掛けにも係わらず、同じく舐めて大の字の我が身に降りかかったのはM7・3によるトラウマ。飛び出した道路に座り込んで知った一人っ子いない闇の街は、不届き者への地獄。
 そこから避難場所での余震と続くわけだが、そこで頭を過ったのは国、自治体、民間人の避難対策。東日本大震災から5年も経過して、果たして避難対策は満足する方向へ進展したのか。
 2月、全国自治体の災害弱者避難計画作成率12%が発表されたが、救援物資の輸送、配分方法をとっても隣接自治体の速やかな協力体制が求められる。また自衛隊による救援物資の輸送手段と同じく、民間医療施設の混乱からして、整った医療設備まで持つ護衛艦の速やかな派遣が求められる。
 さらに付け加えると、若者を中心としたボランティア活動には感謝だが、ボランティアも量より質で、多くのボランティア活動家らの名誉を考えると、一部のためのマニアル、そのリーダー養成も必要。
 我が国が地震国であることをトラウマの過程で実感し、その早急な対策を願う・・・。


大分、宮崎、鹿児島県にはなくて、熊本県では今も残る福祉の腐れ縁

2016-04-11 | ブログ

 隣接する大分、宮崎、鹿児島県には存在せず、熊本県では認められているという中に「県議会議員による社会福祉法人の理事長」がある。
 地方自治法第92条の2において、「議員は当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の執行役、これらに準ずべき者たることはできない」と、兼業禁止規程が定められている。公共工事を受注する建設会社の役員という相関が、この規程を早く理解する例。
 また同一の行為とあるが、請負量の25・1%を占める森林組合の役員に対する判例もあって、一概に50%以上の数量を意味しないことも確か。
 さらに、この兼業禁止規程が適用される法人についてはディサービス、配食サービス、外出支援サービス、ボランティアセンター管理運営などにも委託料が支払われているとして、営利を目的とする法人に限ることはなく公共組合、公益法人も含むとされている(東京高裁平成15年12月25日判例)。
 尚、該当する候補が選挙で当選し、その当選を告知された日から5日以内に地方自治法第92条の2、142条において所定の兼業関係を有しなくなった旨の届け出を必要とし、それを怠ったとして当選を失ったという判例もある。
 もちろん、ここまでは地方自治法に基づく議員の資格問題。そこで社会福祉法人から見た議員の理事長職だが、専門の大学法学部教授等による見解は言うまでもなく、全国福祉協議会は「社会福祉法において議員による執行役員は認めないという規程はないが、『社会福祉事業について熱意と理解を有し、かつ実際に法人運営の職責を果たし得る者』となると、議員には実体的に困難であることは常識」と語る。
 ところが、こうした一般論を異として、県議会議員による理事報酬を得ている社会福祉法人の理事長まで認めている熊本県健康福祉部は、地方自治法の前に社会福祉法での存在を有していることを棚に上げて「社会福祉法には禁止規程で示されていないし、また異を唱える県民もなく」と、議会側を向いた苦しい弁解。
 実に可哀想な子羊たちだが、これは裏を返せば「荒療治に立ち上がる県民への期待」であって、いつもの通り視線は勇気ある有権者へ向けられた・・・。


御所浦東南斜面を除外して雲仙天草国立公園が生まれた時代背景とその責任

2016-04-11 | ブログ

 平成21年、「白亜紀中期の地層がむき出しにとなった御所浦の東斜面。ジオパーク認定へ熱い期待」という報道に、地学専門の教諭が「人工での形状変更が許されるのならジオパーク候補地はいくらでも浮上する」と語ったが、天草市ジオパーク推進室の職員も「水産資源の振興、観光の整備から採石場跡地の原状復帰は急務」と訴えた。
 ところで、該当の東南斜面が「国立公園外」ということをどれだけ知っているだろうか。昭和31年、天草地域が雲仙天草国立公園として追加される際、誰かの意向を汲んだ何処かが、この東斜面だけを除外して申請し、思惑通りの区域で止めたという経由にある。
 一方、阿蘇市内の採石場を見た誰かが、「国立公園内で見苦しい」と語り、その意向を受けた何処かが南阿蘇村立野の採石場について補償金3億5000万円を支払い、その上に修景整備事業費を何回か該当業者に発注して終掘させた経過もある。
 しかし、外輪山でいまでも採掘中の採石業者が存在するという点、また「金を払ってでも終掘させろ」といわれて景観の整備に努めた採石場、跡地が、いまは衣を替えて建築廃材のリサイクルセンター化となると、皮肉な話としても出す価値もないのが「何処か」という地方行政。
 そんな溜め息でさらに付け加えると、天草富士と称される山頂には金比羅神社が祀られている高杢島という無人島が、上天草市松島町の樋合島から望める。夏場は海水浴客で賑わう樋合島から引き潮の際、そこまで歩いて渡れるとあって展望の名所、冒険心をくすぐる散策コースと希望の膨らむ話を聞くのだが、「国立公園内にあって残念ながら西岸は採石場の跡地で、壁面の崩壊が激しく家族連れの観光客には勧められません」とは地元での声。
 採石場の跡地整備について、熊本県は「採石業者の自己責任」と語るが、その風見鶏行政を理由に挙げるまでもなく、関係者だけでなく、人は揃って「県行政の責任」と吐く。問われるのは採石法第14条第3項ではなく、地方公務員法第29条のコンプライアンス意識・・・。