熊本レポート

文字の裏に事件あり

阿蘇山の世界文化遺産登録問題で危惧されるは蒲島知事の行政能力!?

2023-07-10 | ブログ
 世界最大級のカルデラを持つ阿蘇山が、その美しい景観を損ねて居ると、世界文化遺産の登録が難しくなった。
 だが懸念、危惧されるは192ヘクタール、東京ドーム41個分のS級メガソーラー事業を許した蒲島郁夫熊本県知事の政治資質、その行政能力。
 メガソーラーの規制強化について議論された6月16日の「阿蘇世界文化遺産登録推進会議」の後、蒲島知事は
「外輪山の中には太陽光パネルを敷いて欲しくない。一度、メガソーラーのパネルを敷かれると、それを撤去するのは不可能だ」
 と語っているが、その他人事のような見解は勿論、そこに責任転嫁の意思もないとなると、やはり彼は一期目の就任時から語られていた「裸の王様」。くまモン誕生後は、担ぎ出した県政一部のくまモンそのものである。そもそも自称する政治学者も統計学専門では、期待する側に無理。ここでの行政責任は上益城産廃場計画と併せて県知事に存在すると改めて記し、レベルの低過ぎる知事論はここまでとして本題に入る。


(西日本新聞)
 さて阿蘇外輪山に沿うような形で登場した西日本最大級のメガソーラーだが、それを同開発許可段階から懸念して来た1人として、表現は悪いが「稼働してから騒ぐは目くそ鼻くそ」という言葉に尽きる。今さら「知らなかった」とは、年間100万円から1000万円の政務調査費を懐に入れる地方議員は無駄という証しで、特に日頃から環境問題に積極的に努めると主張する野党地方議員は、NP法人で「公金チュウチュウ」に多忙かと皮肉さえ吐き出したくなるが、そもそも本題の阿蘇外輪山に沿ったメガソーラー事業も低レベルな地方政治に始まり、そして推進された。
 大分、岡山県、大阪府などから反社組織への絡みも疑わられるような人物、不動産業者らが土地(農地)買収に入り、それが紆余曲折して約192ヘクタールがJRE(ジャパン・ソニューアブル・エナジー)に売買された。付け加えるとJREは、ゴールドマン・サックスグループ(投資会社)の傘下会社。
 この時、熊本県農林水産部も「草地改良(農業)、パイロット基盤整備他が含まれている補助金農地の可能性もあって開発許可は困難」という見解を示し(蒲島知事の見解は自らくまモン知事の証明)、また九州農政局も「4ヘクタール以上の農地開発許可では我々も審議に加わり、知事が許可」と語って、同事業計画にストップを掛けるとまで述べた。
 それが一変したのは該当地の熊本県山都町農業委員会、それに続く高森町農業委員会で、彼らが192ヘクタールの牧草地を「農地ではない」と結論したのだ。
 当時は遊休地状態であったにせよ、農業補助金絡みの農地という可能性も高く、また土地登記簿も農地(後に地籍合併で問題部分地を削除)。それを該当地の農業委員会が「農地ではない」と結論しては、天下の九州農政局も手も足も出ない。


 農業沈滞に悩む該当地ながら肝心の農家が農地を捨てるレベルだと考えると、誰が彼らに悪意的な手法(知恵)を授けたかだが当時、この事案で頻繁に動いて居たのが元園田博之代議士事務所のS氏(現坂本哲志代議士事務所在職)。当時、博之氏は既に死去し、坂本氏に懸念される関わりは想定され難いとなると、「単独での活動は無理」(旧園田事務所関係者談)とされる能力のS氏が、誰の意図的指示で動いて居たかだが、そこで浮上したのがB町長。
 後にジョー・バイデン大統領の誕生で、同呼称と話題にしたのが地元紙だが、そんな地元紙に該当問題を厚き忖度、か細い能力で記事に出来る訳がない。
 該当地の西部に隣接の首長が、「あれは町(山都町)の誘致企業」と語り、また、北隣の町長がそれを否定しなかった点を考えると、「推進役はB町長」を打ち消すだけの材料がない。
 かっては県農業界のトップに座った男が「町長職は金にならん」(関係者談)という町長に就任して、農業を放棄するだけでなく、歴史ある郷土まで捨てた。


(西日本新聞)
 そして、この阿蘇におけるメガソーラーは、世界文化遺産への登録を難しくするだけでなく、熊本市を中心とする県民90万人の水(命の水)を奪う可能性もある。
 メガソーラーの建設時、石灰石を積んだトラックが何台も山上へ駆け上がって行ったが、それは土壌改良用の石灰石。表はNTTでも中身は大分B級の工事業者らが指示を受け、除草不要を狙っての土壌硬化へ向けた石灰石散布だったが、これでは防災面での懸念は勿論、その涵養面から阿蘇山からの伏流水(水源)を奪う事になり、飲料水メーカーの事業存続どころか、県民90万人のミネラルウォーターはやがて乏しくなると想定される。
 改めて断っておくが、エネルギー再生のための太陽光発電を全て否定する訳ではないが、該当の阿蘇外輪山沿いのS級メガソーラーはルールや法を度外視して稼働に至った。それを誘導したのが地方政治で在り、また放置したのも地方政治。問題が浮上する度に責任所在を明らかにする必要にあるが、その相関において問題なのが目くそ鼻くそ。
 知るべき立場に有りながら、実は全く知らなかったと見るべきである熊本県知事とは異なり、「世界文化遺産登録推進九州会議」のメンバーの中には、該当事業の建設中に承知していた委員も存在。即ち、彼らは名誉メンバーの意識にあって「登録されたらいいナ〜」と、単にそれだけの感情型での組織。
 だが線状降水による災害も当然ながら命の水が懸念されるとなると、そうした情緒型では済まされないし、住民は浮上する責任者を市中晒し回しの刑に処する位の問題視を有しながら、民主的な政治責任は負わす必要は在る。即ち、何十年も愚かな自治、行政を繰り返させてはならないのだ。
 いずれにしても日本の政局は地方から大変革の時代を迎えると確実に想定。主人公は俯瞰の機能を働かせられる住民として、それを早期に変える必要がある世界文化遺産問題…。