熊本レポート

文字の裏に事件あり

宇佐市では「官製談合」と抗議が出て、伊佐市では「積極的な営業を図る」と発表した新日鉄が落札を辞退したが、次の合志市では何が出るかとパンドラを開けちゃいました!?257億円の入札  第2回

2017-07-14 | ブログ

 大規模公共事業における入札の多くが現在、価格と技術及び性能等の評価を含めた総合評価落札方式に移行されている。中には異例もあるが、それが価格重視と見られる結果では「一般競争入札と同じ」という見解の出ることから、その多くは施行中の環境面での影響を含めた技術、性能を重視した評価にウェイトがおかれて落札者が決定される傾向にある。だが、その評価点が外部には解りにくく、そこで「イコール官製談合」という見解が出るのも確か。
 その評価は建築、土木、機械等の専門的な学者による審査、検討委員会から出されて決定するが、某種の審査会で同メンバーの委員が「審査会をセレモニーと言われれば、それは否定しません」と証言。発注側が「専門家の審査委員による選考決定であって、文句の着けようもない」と、そう見解を述べた結果後での話。
 セレモニーとは本来、宗教的な儀式を意味するが、野球の試合前における始球式と同じで、日常生活とは異なる一定のルールに基づいて行われる行為を意味し、さらに簡単に語れば「装飾」、そして「付け足し」である。次にこれを別の角度から論理的に考え、検証してみる。
 例えば、今回の事案である焼却炉施設の審査であるが、炉型によって審査方法が異なる点、また自然工学、環境社会が専門で炉の工学的な専門家ではないとか、総合的な判断は困難という条件等を外して考えても、同一の審査メンバーが揃って選ばれる地域で、改良の加わらない期間において、特定のメーカー(仮ストーカ型Z社)の炉に優秀評価が決定されたと仮定する・・・そうなると常識的にはA市もB市も、またC町もその落札決定、導入はZ社になるはずだ。ところがB市はY社、C町はX社となると、それは逆に不可解な結果という話になる。これが別の角度から観た場合の「審査委員会による審査はセレモニー」という見解で、この論理からも先の審査委員による容認と一致することになる。
 また各メーカーの賛助によって運営されている環境衛生センターの審査委員長となると、次々と決定を下す全国各地で「Z社の落札決定」の見解を示せば、他社は経営危機に陥るし、また環境衛生センターの運営も厳しくなる。パンドラの箱を開けるような話になるが、「審査、検討委員会はセレモニー」という論理は明らかに成立する。
 それでは真の落札決定者とは誰なのか、ということになるが、「表は組合長で裏は建設地の首長」と関係者の中からも名前が挙がる。汚臭、汚水はともかく騒音、交通等の環境問題と直面する市民を抱えることになると、それも当然な権利か。5、10億円の公共事業ならどうあれ、今回の菊池環境保全組合のように257億円規模となると、一部市民の反対運動はあっても、その争奪戦が市町間に存在したことは想定される。
 ところで2016年、宇佐・高田・国東広域組合(大分県)の実施した焼却施設の建設に向けた入札で、同入札に参加希望した日立造船、荏原環境プラント(両社とも菊池環境保全組合の入札にも参加)を代表者とする2企業体の1企業体が、この入札の寸前になって辞退し、その企業体に参加の一社から「官製談合、暴力団等による圧力があった」と訴えが出て、その入札結果が1年間も棚上げとなった。
 また昨年、鹿児島県の伊佐北姶良環境管理組合が実施した焼却施設の入札では、ドイツの焼却炉メーカーを買収して「積極的な営業展開を進める」と発表していた新日鉄住金エンジニアリングが落札決定後、それを辞退するという不可解な事態も発生。この新日鉄では10数年前、「営業本部長が裏社会との約束を履行出来なくなり、アメリカへ逃亡」という噂も浮上。
 建築、土木事業と違って、その汚水、ごみという土壌の環境が関係するのか、焼却炉施設の入札は「死人も出る競争」とも語られ、表現は悪いが「表は幼稚園でも裏の受注競争は古い昔のシカゴ・外人街」(捜査関係者談)と聞かされた。
 それでは彼らの営業ルートとなるが、これについて焼却施設の入札を巡る疑惑捜査で、首長や議会議長まで逮捕した福岡県警の元刑事は、
「汚泥、下水道施設部門も抱える業界で、先ずはその関連の業者筋から入る。首長や議長と近い距離にある後援会幹部の設備業者、設備業界の調整役辺りが、そのライン。臭いを感じたら、こっちもターゲットはそこ」
 断っておくが、菊池環境保全組合の予定する焼却炉の入札が「疑惑」と、そう断定しているわけではない。昨今の事例からの一般論で、約257億円の超大型事業の入札となると、眠っている子でも寺の団子に目が眩んで起き上がるのと同じで、そこで色々と注目、注視されるのは当然。それも残り4ヶ月の勝負・・・(熊本レポート・ブログ2015年6月4日号参照)


拝啓  くまモン県様  代払い跡地整備工事と阿蘇市車帰住民への補償及び保障の放置との分別基準とは何ですか?  採石跡地問題  第4回

2017-07-13 | ブログ

 2012年7月の大水害において阿蘇市は浸水、土砂崩れ、家屋の倒壊と甚大な被害に見舞われた。そこで阿蘇市車帰地区の住民に懸念されたのは、背後の採石場(山)に造られた貯水池の崩壊。今回の朝倉、日田市を中心とする大水害でも理解されるが、仮に同貯水池が土砂崩れ等で崩壊し、その40万立方メートルの大水が集落へ流れ込んで来たら、どうなるか。それを不安視した住民は県に陳情したわけだが2015年、県は「2019年以降に埋め戻す」と回答。永田町辺りで走り回る市民なら「暴動」も起きる熊本県の姿勢だが、ここで根本的な問題というのは、このスタンスにある。補償、産廃施設と「親方日の丸式」に公費を投下する一方、弱い立場にある住民の防災は棚上げという熊本県行政の姿勢、その分別の基準が、先述した負の構造という中で狂ったとしか思われないのである。
 繰り返すが、採石法では「採石権者が採石権を消滅させる(終掘)際、その土地を原状に回復し、又は回復しないことによって生ずる損失を補償しなければならない」とされる。
 熊本県は、この採石法に基づいた跡地整備とは異なる手法(公費による代払い整備事業)によって処理するのだが、公費をここで投下する以上、県民に対して説明責任が発生するはずだ。安倍総理も語る通り、執行部には「丁寧な説明(理由)責任」が求められる。
 そして理解、納得の上でそれが執行された場合、その行程、経過(回収状況)には透明性の高い報告が必要。この二点を履行することがなく実行するとなると、それは闇における謀議による反民主的な執行であって、熊本県議会の野党はどうあれ本来、良識ある熊本県民には絶対に認められない自治行政。
 そもそも原状回復に応じられない該当業者によって生ずる自然公園法、砂防法、景観条例等に反する損失だが、そこで発生する補償の相手は管理及び指導の立場にある自治行政ではなく、国民及び該当住民であって、該当の阿蘇市車帰地区住民には、ここでの損失における補償を求める権利を有する。それを「県、行政が決めたことに文句などは想定されない素朴な住民で、他県と違って訴訟など起きる訳がない」という彼らの傲慢不遜こそが問題。
 また熊本県は、「安全性は確認された」として直壁(跡地)で整備終了と結論しているが、その安全性の中身、その確認者とは誰なのか。責任所在の明かされない行政発表には驚きもしないが元来、それは公表する義務にある。
 また、ここは阿蘇くじゅう国立公園。先祖が代々において遺して来た自然、国民の共有資産であって、それを誰もが認める「形状変更」をさせていながら、そのまま放置するなど国民から反発の声が挙がるのは明白。
 管理不行き届きの環境省も問題だが、その同省から「最低でもラス張工による整備は必要」と見解が出た。網を張り、周辺の環境に適合した樹木、草等の苗や種子を肥料と一緒に掘った穴に埋め込んでいく修復整備だが、それを実行させる必要がある。
 阿蘇市豆塚に続いて、ここでも国立公園の中で破壊を認めるとなると、そもそも原点となる「与えた採石権」への責任問題はどうなるのか。
 果たして、これらについて県エネルギー政策課は、どう答えるか・・・。(つづく)

 

 ところで記者クラブの弊害が内からも語られ始めたが、当局側に「都合の良い情報だけ」をコピーで手渡され、今風の特ダネ奪い合いでコピペ記者が増えると、自ら被害者にさせられた「誤報による名誉棄損」も発生するし、その癒着によって「都合の悪い真実には蓋」という事実も生まれる。新聞の購読部数が激減傾向という事実からして、新聞は終末の段階に入ったとも語られるが、その元凶は明らかに記者クラブ。支持率10パーセントにも満たない野党第一党の問題点は、代表の二重国籍問題ではなく、その代表を含めた議員の平穏無事的な資質、彼らが乗っかる与えられた組織にある。その民進党の明日を元社会党と予想する者もあるが、その背景は新聞も同様とは言い過ぎであろうか・・・。


93歳の頭の下がる会長再選と、後に不安が懸念される問題山積みのJA熊本県果実連合会  第2回

2017-07-12 | ブログ

 既報の通り元参議院議員で、農林水産政務次官まで務めた三浦一水JA鹿本組合長(JA熊本県果実連理事・63歳)が6月23日、同組合長選挙で敗れて辞職。
「JA熊本県果実連合会の会長選挙(10月)を前に、またしても候補者の芽が摘まれた」
 表現は悪いが、次期会長候補と目されていた三浦氏が「モグラ叩き」に遇った、という見解。
 前回の同会長選挙でも会長候補と見られていた高峰博美副会長が、地元のJAあしきたで、セクハラ問題で辞職したはずの前同常務理事がクーデターを起こし、そこで高峰組合長を引き釣り降ろし、同氏は副会長職を辞職し、会長候補の資格を失った。
 そこで、「三浦理事(JA熊本県果実連)も連合会長選挙絡みで潰された(JA鹿本組合長再選)」と、そうした見解が飛び出たのである。
 その是々非々はともかくJA熊本県には「農協長も政治家」と、そうした自覚が日頃から求められるという印象にある。ポスト維持、昇格には合従連衡が存在し、それに向けて根回しという政治力学が求められる。その能力に長けた者がトップを得るというシステムだが、そこに札束が飛び交うのは公然の秘密。厳しい経営を強いられる農家にとっては、実に腹立たしい、納得の難しい組織の権益争いだが、これも皮肉なことながら彼らお任せ農家の責任。
 厳しい果樹農家の経営状況にあって、その商品化、販売の上部組織(JA熊本県果実連)が「好調な業績」を続けていることは確か。
 それだけに彼ら果樹農家の知らない情報が、JA熊本県果実連には風評を含めて今まで色々と噴出。
 前回の会長選挙前、「ホテルニューオータニ東京事件」、「猥褻」と刑事事件相当の情報から「公式行事における失禁話」、そして「結婚前の女性職員に対する東京転勤辞令」とコンプライアンス問題まで発展しそうな情報までも流出。
 また遠く離れた白州工場(山梨県北杜市)では、JA山梨関係者に同工場施設の導入に際しての疑惑が浮上し、現地農家を苦しめる環境問題までも出ている。そしてヤクルトの株主権、工場の同社委託問題でも全国紙が取材に走った。それに現在、熊本本部ビル、同工場の改築もJA熊本県果実連は会長選挙後に実施を計画。これらを農産物自由化の波を前に農産物価格の下降、後継者不足で苦闘中の果樹農家が、果たしてどれだけ実情を把握しているか、それは極めて疑問。
 今回の背景を繰り返して語るまでもなく、浦田会長に「震災後のこの困難な時期に任せられるのは(浦田)会長以外にはない、と組合員から拝み倒されては、断る理由はない」という強い意志がある以上、10月の同会長選挙は浦田会長の続投が濃厚、いや決定と想定。
 だが一方、卒寿を過ぎた93歳の浦田氏を白寿まで酷使するというJA熊本県果実連合、果樹農家も実に問題。
「思いやりに欠けた熊本県果実農業連合会」(経済団体役員談)
 こうした見解は当然で、「今まで通り週に三日、朝10時出勤で昼過ぎには帰宅の相談役で結構ですから、後は我々にお任せしてください」との言葉が、JA熊本県果実連関係者には皆無というのは実に嘆かわしい現状。
 それは、そのまま不安な同連合会の明日を懸念させるもので、先の情報等を考えると決して放置の出来ない問題。
 最大の問題は、真実を知らなさ過ぎるという果樹農家。組織にはその透明性が求められるが、先に紹介した情報を噂の検証を含めて、それを果樹農家へ公開することが責務と考えられる。これが、不安なポスト浦田(会長)の解決への糸口になると思われるのだが・・・。


廃業補償、随契での緑化整備に産廃施設、そして住民の防災は二の次で仮払い跡地整備まで出たくまモン県 採石問題  第3回

2017-07-10 | 日記

 10数年前、阿蘇山を削り落として、国立公園を造形したまま放置している採石場跡地(阿蘇市豆塚)について取材した際、「熊日(地元紙)でも取り上げないのに『採石場跡地の未整備』とは何だ」と、熊本商工観光労働部の担当課から意外なコメントが漏れ出た。だから、というわけではないが、未だ熊本県の採石場跡地(上天草、天草、山鹿、阿蘇市)は未整備状態。
 採石場跡地整備は採石法に基づき自己責任となるが、熊本県はその過程で廃業補償約1億円を支払い、後の整備費に約7000万円を公費から支出し、それによって普通なら緑化整備の行われるところを何と「産業廃棄物の保管施設」で認めた。
 業界と何らかの利害関係にあって、また行政の推進を錦の御旗に掲げる与党議員はともかく、「県民の代表として自治行政のチェック機能を果たす」と約束した県議会の野党議員らが、地元紙と同じく「初耳」と自ら馬耳東風の怠慢さを認めると、「任期中に何に務め、何を成したか」と問う以前に「不要なる7議員」という以外に並べる言葉はない。年間約1億1千万円の無駄であるが、その責任は彼らに投票、支持した県民、団体にある。
 今回の九州北部における豪雨もそうだが、住民や地域社会に甚大な被害をもたらす災害は、熊本震災で思い知らされたように前触れもなくやってくる。
 ところが熊本県議会(経済環境常任委員会)は平成27年12月、九州北部豪雨(平成24年7月)で土砂崩れや浸水被害に見舞われ、「採石場の貯水池」(約40万立方メートル)が崩壊することを懸念した阿蘇市車帰の住民に対して、「終掘後(採石終了)の2年後(平成31年以降)に埋め戻す」と回答。危機管理が問題となる昨今、温厚な住民には「のんびりと対応」と3年間も棚上げにしたわけだ。仮に3年の間に懸念する事態が発生した場合、その責任を誰が負うのか、となるが、災害よりその責任を第一に避けようとするのが彼らである。
 次に問題なのは、埋め戻しが公費での工事となる点。
「法に基づく国(経済産業省)の指導(自己責任)、他県での跡地整備と異なるが・・・」
 この素朴な疑問に対して、県エネルギー政策課が次のように答えた。
「県の代払い事業で、後々その事業費は該当業者から徴収する」
 会計法での処理は、という疑問も発生するが、そもそも代替え支出の回収など念頭にないといえる。その上に同工事を前例のように該当業者に随契で発注すると、同業者には二倍の利益が発生することになる。
 業者の跡地整備が2年も放置されると、その責任は自治行政ということになるが、途中を省略しての行程と簡単に納得の出来ないのは確か。
 該当地域の住民から不安視されている跡地整備には排水路の工事も加わるが、採石に当たっては防災、治水等の環境整備に努めるとなっている以上、その更新期においてはもちろん、県行政における指導、監督の怠慢が生んだ結果というのが現状。これでは業者を責められない背景も理解されれが、それを県民の税金で片付けるというのだから非論理的というか滅茶苦茶な自治行政。しかも無駄な報酬を受け取っているとしか想定されない野党議員らが、自分の非を隠してチェック機能を果たせるわけがなく、実に上手く出来ている負の構造ではある。
 経済産業省(資源エネルギー庁)は「そもそもベンチカットそのものは平成11年以前からも採石工法と存在していたわけで防災、環境整備に努めながら採石を行うことは当然。仮にそれを怠り、ベンチカットには間に合わないとの理由で真壁で残すというのは屁理屈。真壁で安全とはいっても、周辺の樹木や草に適応した環境整備はどうなのか。まして該当地は国立公園」と語るが、そこで「ラス張工による岩盤緑化整備」が浮上。
 緑化整備は周辺の草木、樹木を考慮して、それに適合した整備が求められているが、直壁にラス網を張り、真壁に穴を掘り、そこに草や樹木の種子、肥料等を埋め込んで岩盤緑化に努める工法がある。
 野党県議辺りから「森友、加計学園の問題と一緒で、結果は我々と同じく批判で終わる」という声の挙がるのを予想して、これから他県での防災、治水、周辺環境に努めながら採石するとした指導、そして自己責任による跡地整備、工法等を紹介しながら是正への道を示すことで、その反論に応える・・・。(つづく)