熊本レポート

文字の裏に事件あり

半壊以上を隠蔽して200人の患者を預かるM病院の地下

2017-01-27 | ブログ
 熊本大地震の罹災者補償で、一部損壊者が半壊以上を羨む中、半壊以上の被害状況にある病院が、それを隠蔽して一部損壊に応じた。その奇々怪々なる裏をこじ開けた時、見え始めたのは「人命第一」を踏み台にもする人間の業。

 熊本大地震の震源地である益城町の復旧は官民揃って不眠不休の状態にあるが、そんな中で「次(先の前震、本震並の地震)があったら大変な人災」と、関係者の一部で極めて懸念されているのが同町のM病院。
「避難先から帰った時、病院の外壁は大きく傾いていたのだが、果たして大丈夫なのか」
 そこは200名前後の患者が入院している精神科の病院だが、その入院患者の家族から出た不安の声から始まった。
「築20年から10年(管理棟、病院棟、リハビリ棟等四棟)だが、一部損壊(壁の崩壊)は補修が終わり、建築基準(昭和56年の大改正・平成19年の改正)は満たしているので心配無用」
 これが、その不安に対する病院側の回答であった。
 ところが、だ、それが一変した。
 その「病棟は安全」といった病院が、何十億も要する病院の移転を進めていた。
 一部建設業界の営業畑には、良かれ悪かれ「熊本県6番目の代議士」という噂がある。その実力ある秘書と称されるA氏が、N病院の移転先(用地)を探している(不動産業者談)というのだ。
 さらに冒頭の不安視された病棟は、全国大手ゼネコンのB建設によって施工されたのだが、その補修工事は地元C建設によって施工されていて、これも前施工の大手B建設には企業責任上から解せない対応。
 そこでB建設の関係者に同病院(病棟)の被害状況を尋ねると、返って来たのは「前施工業者として努めましたが、その縁は切れました」と、これまた釈然としない返事・・・。
 企業責任からして事案次第では致命傷になると承知する大手企業が、ここで「前施工の責任には努めた」と答えた以上、問題は病院サイドと推察し、それを確信するのは当然。
 そうした中で後日、驚きの情報が入った。
 畑違いの土木業者が、「二度ほど地中調査をして杭の切断が確認された」と噂を披露。
「いずれもコンクリート杭(ピアノ線の入った直径30センチ・長さ20メートル)の折れと横への移動」
 彼は又聞きなので、目の前でその遠距離にいる情報主の知人に電話を入れてもらうと、「下請け作業」との理由で匿名を条件にし、「間違いなく切断、横滑りの杭を確認」
 被害条件を証言。
「4本か5本の杭が全て折れているかは不明だが、建設における杭の切断となると一本でも、あれは危険、半壊以上の被害」
 ところが事前での調査取材では、このM病院の被害状況は一部損壊。実に不可解な話が続くのである。半壊以上を何で無理して、それを一部損壊にする必要があったのか。
 そこで推察と断っての話になるが、二度の地中調査からM病院は内部的に「半壊以上」と被害を判断、確認。
 ところが半壊以上となると、入院患者は他の病院へ転院させる必要が出てくる。そうなると改築期間中、病院経営は無収入という状況が長く続くことになる。そこで抱えるスタッフの雇用期間も課題だが、最大の問題は多額の改築費。既存の病棟建築費に上乗せされる訳で、病院にとっては一から再スタートというより予期せぬ負からの出直しとなる。
 そこで、一部損壊として、現在の病院での医療継続を選択。これが推察ながら隠蔽工作疑惑と見た、その理由。
 ここで前施工のB建設との相違点が発生。
 B社は撤退して、地元業者のC社が一部損壊の補修として入った。
 …これが推察だと先に断った上での背景だが、これだと不可解な点を払拭できる第三者としての回答となる。
 決して不安を煽るつもりはないし、また病院の難しい経営についても理解ができないわけではない。
 ところで震災で半壊以上の被害を受けた南阿蘇村のD病院、そして甲佐町のE病院は入院患者を「人命第一」として転院させ、さらにD病院では一時閉院にして、スタッフの雇用問題でも駆け回って対応に努めた。
 だがM病院は患者を継続入院させて、その運営を継続しながらの移転計画に入った。
 仮に移転計画が事実だと、「半壊以上の被害」はその裏返しとなるが、さらに深読みでは行政側にも「人命第一」を棚に上げ、その隠蔽に加担した者の存在が見え始める・・・。

アメリカ合衆国大使館から抗議の続く検証議員不在の熊本県A市

2017-01-06 | ブログ
 熊本県A市(外部の調査中という点から後記の企業名等も仮称)が実施した入札に関して、アメリカ合衆国大使館(キャロイン・ケネディ)が再々にわたって抗議している。
 それを伝えているニュースソクラ(日経新聞元記者らによる硬派報道機関)によると一昨年末、まず抗議の内容が書簡で郵送され、その後に大使館から副市長宛に抗議の書簡が送られて、昨年3月には福岡総領事館のフェッジキフ首席領事らが市長を訪問して再調査(同入札)を求めたのだが、その明確な回答を得られないことにアメリカ合衆国大使館は苛立ちを覚え、抗議はエスカレートしていると語る。
 問題点は二つある。一つは入札の対象である防災行政無線デジタル統合化整備事業に関し、A市では前市長時代に電子機器業界でアメリカのトップ企業であったモトローラ(後に分社化)のシステム導入を予定していたのだが、それを新市長は「拘らない」と変更。その変更過程が「不透明」と疑問視するのである。
 次に同システムを基本とする業者も加わって、N ・Kグループとして参加した同整備事業の入札結果が、最低制限価格の目安とされる調査基準価格(18億1244万7千円)を大きく下回る14億9300万円の落札金額で決定したという不可解な点が二つ目の問題。
 先の問題点は「市長交替による施策の変更」という説明で片付けられるが、二つ目はやはり常識的に問題。それを承認(契約)議会中、問題点そのものが「理解困難」と議会から漏れ出るようでは、それはやはり「政治家の育成」を怠ってきた市民の嘆かわしい課題。
 まず同入札は、「金額だけでなく技術面、地域環境に対する配慮等を総合的に評価、審査して決定する」という総合評価方式。同市から提出された同結果表によると、落札したD グループは技術評価点において第1位ではなかった。ところが入札金額において、次位のHグループから6億円も下回るという超安値を弾き出したのである。
 安ければ市民の勘定も救われるという単純な理屈で済まされるものではなく、そもそも総合評価方式での入札主旨が問われる話であって、しかも「審査、評価委員は非専門職」と疑問の声が挙がっては、アメリカ合衆国大使館の「不透明過ぎる」というクレームは当然。
 さらにハードルを下げて説明し直すと、事業費及び入札の予定価格は、業者から事前に提出される仮見積もり金額で設定される。すなわち、「最低、この程度の費用は必要」という参考資料を提出した後、弾き出された最低制限価格上で競われる入札が、その金額の57パーセントという超安値で落札となると、想定される同業者グループのこれから後は、TPPによる市場の国際化、アメリカ合衆国大使館の抗議を抜きにしてもコンプライアンス、いや企業としての倫理観が問われる。「安い買い物といっても、年に5000円づつ20年も付録を買わされたら高い買い物」と同市西部の一人の市民が市議会に替わって語ったが、それも無理な仮定ではない。もちろん、アメリカ合衆国大使館の心配、懸念がそこまで踏み込んだものでないことは確かなのだが、抗議が正論に基づくことは明らか・・・。

 餅なしも 笑顔の元旦 して見せた