熊本レポート

文字の裏に事件あり

合志市の環境工場計画を裏から覗く得な気分にはなれる市民講座 第2回 4-2

2015-05-28 | ブログ

 第1回に続いて繰り返すことになるが環境生態、水環境、大気環境、衛生環境学等の専門学者に焼却施設の方式、型で優秀性の順位を決められるわけがなく、トータル的には同施設場長を経験した団体法人の技術部長に同判断を委ねるというのは妥当と思われるが、同団体法人が施設メーカーの一部による賛助会員によって構成されるとなると、その判断は公平、公正さに欠けるという疑問的な批判は否定できない。
 また考えるまでもなく、総合評価方式において上記のような審査委員会が、同様な自然環境の地方において、搬入される廃棄物の資質にも大差がないという中、A施設組合にはB社の焼却炉が最良と選出されて、C施設組合にはD社の焼却炉がベストだと判定すること事態が不自然。これが「審査委員会は承認機関」という説の理由であって、彼らを広告塔くらいにしか想定していない主催者側にはそれだけで十分なのである。
 また地下鉄新路線の建設事業において、入札結果の段階で落札した業者は、すでにコンクリート大柱群を準備完了にあったというのは特異なケースとしても、100億円規模の事業で入札結果後、直ぐに全てを準備出来るかという疑問は当然ある。
 それに総合評価方式の一般入札に向けての資料作成となると、本格的に取り組むには1000万円以上の諸経費を要するといわれる。そして現在、震災復旧、オリンピック景気で技術者不足の九州では、少なくとも半分は事業負担することになるゼネコンにとって、受注できるか否かの不透明な事業に対して賭けでは挑めないというのが彼らの本音。結局、業界側の物理的な理由と発注側の思惑とが上手く合致して、後はセレモニーで粛々と日程が消化される。
 それでは、どの段階で判定が下されるかというと、補助金等の申請に向けての策定から詳細設計の完了までの期間。すなわち、遅くとも入札、審査前までには決定されるというのが事情通の一致した見解。それだと、該当外の焼却炉メーカーも一部は後発事業に向けての誠意として、セレモニーへの協力参加は営業上で可能という理屈にはなる。
 だが改めて断っておくが、先述した通り場合によっては、表上の結論とされる審査委員会前までは熾烈な営業攻勢が展開されるが(逆転狙い)、それ以前における結論は一種の官製談合。
 ところで、住民の意向とは関係なく自治行政の間で誘致合戦が行われるのは、施設組合長よりも該当地の首長に決定権が委ねられるという背景が、その理由。後述することになるが、地元対策費として約2%が営業経費で用意されるとも噂され、また補助金や意向のキャッチボールで中央とを往復すると、着工に向けて尽力した組合議員として旨味も計算される。
「組合議員でも関与できるか否かで月とスッポンほどの大差があって、その背景は情報収集力と政治力学、それに権益での執念」
 これも事情通の一致した見解。
 それでも組合議員の中、場合によっては上っ面をかじった一般議員の間から
「疑惑が多過ぎて、契約は不承認」
 承認議会の前になって騒ぎが起こったりもするが、それはやがて沈黙に化ける。その背景に何があったかは推察となる。
 最終処分場の建設が発注されて、平成30年には着工の予定といわれる合志市(菊池環境保全組合)の新環境工場について、「新日鉄住金」という名前が挙がった。そこで第1回、2回と一般論としての基礎を述べてきたが、理解できた市民の皆さまには、これからが検証に基づく解説に向けた講座・・・。
(第3回へ続く)


詐欺被害の多い熊本県は平均的に裕福なのか、それとも一発屋が多いだけの県民性か?

2015-05-24 | ブログ

 国の施策もあって弁護士の数が増えた。そこで、そこには大きな格差が生じて「任意整理、自己破産、民事再生等の相談を承ります」と謳っている法律事務所が破産したり、詐欺行為を働き自ら弁護士資格を失うというのも決して珍しい話ではなくなった。
 平成25年2月、ユニヴァーサル法律事務所(東京)という弁護士法人が倒産して、その3ヶ月後には同代表の弁護士が自殺。同法律事務所は、英国スポーツ賭博への投資で高配当、そして同出資者の紹介者には別に高額の謝礼を支払うと謳って出資金、出資者を集めていたスピーシー(大阪市)の顧問弁護士で、最終的には全国に被害者6000人、被害総額約450億円を生んだ投資詐欺事件での被告代理人。
 現在も同スピーシー側は全国何ヵ所で被告の立場にあるが、熊本の被害者8人は県外の被害者と合わせて43人で返済請求の訴訟中(あおい法律事務所)。5月18日、投資で配当金などを隠して約2億円を脱税したとして、熊本地裁で所得税法違反の罪に問われた松下某は同被告の1人。
 彼女は配当金何千万円を現金でと大阪まで受け取りに行ったほどの猛女だが、脱税を念頭に銀行支払いを避けたと考えると違反行為は悪質。それより同じ熊本県民8人に対して、被害(1人平均請求額677万円)を発生させた被告となると当然、その責任が問われることにはなる。
 株や先物取引の名目で熊本の出資者8人、1法人から計9800万円(全国被害額約6億円)を騙し取ったと熊本県警に逮捕された「プレシャスインベストメント」の代表は、東京六本木ヒルズ内に本社を偽装設置し、高島宗一郎福岡市長の主催する政治資金パーティー(年3回の未来塾)にも参加していたが、これでは純朴な市民が騙されるのも不思議ではない。
 最近は太陽光発電など再生エネルギーに絡んだ投資詐欺が多発している傾向にあるが、ジオサーマルという会社の元社長とオーナーとによる損害賠償訴訟では、被告の席についた元代表が「実際は消費者から結果的に不可能な高額の配当を餌に投資を募り、現実の発電、売電は行わず、投資された金員をもって配当するという『投資詐欺』を行っている」と、同社の業務を証言で暴露。
 ところで詐欺事件での被害者は福岡、熊本が抜けて出て九州に多く、特に熊本の場合はその80%が投資詐欺。ネズミ講など種々の経済事件が語る通り県民性、また結果的に原告と被告とが同居するという社会環境などを考えると、被害は自己責任というのも否定は出来ないが、高齢者の1000万円超という被害額を思うとやはり地域社会問題。
 スピーシーの損害賠償訴訟のように「返済弁明」が再々に繰り返されて延長(現在は28年4月期限)となっては、「民事不介入」の警察も摘発の難しいことは確か。現在、国税が全国各地で調査中だが、被害の全額救済までは代理弁護士事務所でも困難となると、結論はやはり熊本県民一人ひとりの自己責任で、それが日本の詐欺被害を大幅に減らすという見解には実に情けない・・・。


裏と表の合志市環境工場建設計画講座 第一回 3-1

2015-05-20 | ブログ

 財政難から耐用年数を大きく超えて稼働していた県内の清掃施設が、ここにきて水を得た魚のように揃って改築に入り出した。

 その先陣を切って昨年9月、八代環境センターの建設が日立造船(株)を代表とする企業グループに発注(約158億円・運転事業費含)が決まると直ぐ、今度は「合志市(菊池環境保全組合)は新日鉄住金(株)」という情報が入った。

 この情報には当初、「合志市には最終処分場の建設予定(事業費約45億円)もあって、焼却残渣の少ない溶融炉型が主体の新日鉄住金は該当外」という理由での疑問符も頭を過ったが、

「同社は5月(014年)、シュタインミュラー式ストーカ焼却炉など欧州廃棄物発電プラントのメインプレイヤーであるドイツのFBE社(フィジア・バブコップ・エンヴァイラメント)を190億円で買収して今後、国内市場でも売り込みに必至。そして双方が特別の接触をすでに図ったという形跡もある(後述)」

 業界通の通信社からの情報ではあるが、「政変でも勃発しない限り、予定通りの確定は120%」と信頼性は極めて高い内容。もちろん、

『炉型機種の検討を慎重に進め、専門家を交えた審査委員会での総合評価方式で決定される』

 こうした関係者からの反論も想定内だが、そうした机上論通りにいかないのが一部関係者の「血眼になる100億円規模」の大型事業。

 PFI方式の導入等の事業、入札方法については事務方で十分可能だが、焼却炉の機種(方式・炉型)については「学者の意見は自然環境など各専門分野からの見解で、彼らは品位格式の上からの承認機関のメンバーに過ぎず、外に向けての広告塔くらいにしか考えていない主催者側にはそれだけで十分。まして議員など一般市民となると、説明されても理解の困難なことは常識。結局、メーカーや自治体一部が参加の公益団体法人からの代表が、現場出身者だけにトータル的には一番の専門家となるが、これもメーカーが賛助会員の団体代表では公正か否かとなって、主催者側の代弁者となることは否定出来ない」と事情通は見解。

 それでは、問題の暫定機種炉型決定だが、「補助金等の申請、策定時期に始まり、設計終了までの期間」と断言する。

 こうした情報に素早く反応するのが、当事者である焼却炉メーカー。だからといって「業界談合」が行われての結果ではなく、それはどちらかというと「官製談合」の意味合いが強く、その結果に該当企業以外のメーカーは不服ながら従い、その上で後のセレモニーまで一部は付き合わさせられる。それが、後に託す彼らの営業姿勢となる…。(第二回へつづく)


投資による熊本での脱税と投資詐欺グループ訴訟

2015-05-19 | ブログ

 18日、投資で得た配当金などを隠して約2億円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた松下○○○(熊本市南区)に対して、熊本地裁は懲役2年(執行猶予4年)、罰金4500万円の判決を下した。

 彼女の投資とは英国政府公認のブックメーカー(賭け業者)を巡るもので(賭け倍率の違いに目をつけた一種のサヤ取り及び投資者の紹介に基づく紹介料)、その投資会社はスピーシー(大阪市・同類の訴訟被告)。

 昨年春頃から「投資詐欺グループ」として全国紙、週刊誌等も大阪府警、国税情報を中心に記事にしているが、被害は79歳の老婦人の4億円など全国に少なくとも被害者6000人、被害総額450億円と見られている。

 

 あおい法律事務所では熊本の8人を含めて原告43名で請求訴訟中であるが、冒頭の松下○○○はその被告の一人…。  


東京エレクトロンの統合解消とテクノパーク衰退に観るくまモンの政治力

2015-05-12 | ブログ

 4月28日、東京エレクトロンの株価が前日比15・6%まで急落、32年ぶりの下落率を見せた。その背景にあったのは、前日に発表された米アプライドマテリアルズとの統合計画の破談。
 東京エレクトロンは2013年9月、半導体製造装置では世界第1位の米アプライドマテリアルとの間で経営統合を発表したが、それが統合(6月予定)寸前になって白紙撤回。
 米司法省の許可(独占禁止法違反)を得られなかったのが理由とされるが、現地からは「技術革新を巡る半導体メーカー、装置メーカーとの攻防が裏側にあって、米インテルや韓国サムソン電子などの大手半導体メーカーによるロビー活動に負けた」と伝えている。


 熊本県には合志市に同社のグループ会社である東京エレクトロン九州(株)があって、熊本県が日本有数の半導体製造拠点を目指す中で、その一角を担ってきたのは確か。ところが、60年代に掲げたその「日本のシリコンバレー」はどうかというと、テクノ産業財団が「くまもと産業支援財団」に衣替えというのが理解の早い現状で、いまや衰退の一途を辿っているといっても過言ではない。
 2008年、テクノリサーチパーク隣接地に投資総額500億円と発表して立地協定を結んだ大日本スクリーン製造(株)(京都市)は、計画後のリーマンショック、米アプライドマテリアルズとの半導体コーターデベロッパー(塗布現像装置)における事業提携の解消等もあって、その工場予定地は牧草地への様相を見せている。


 また同パーク内でマイコンシステムの開発、設計にあったルネサスマイクロシステム(株)(従業員400名)は2013年、同工場を閉鎖、撤退して、いま同パークは熊本大学研究センターと地場企業の研究室が点在するという状況。同パークへ向かう車は入口前を右折するゴルフ場の客と教えられると、「日本のシリコンバレー」は何処へ消えたかと空を見上げてしまう。
「統計学者をトップに迎えた地元政界の大失敗。前熊本市長を据えて大胆な産業支援策を図らない限り、地方創生どろこではない」

 地元経済人は政治力学を理由にして語るが、そうしたポイント的な問題ではなく、いま半導体業界には「トップでなければ生き残れない」という説もあって、そうした中でヘッドハンティングによる頭脳争奪まで含めて同業界はグローパルな経済戦争の真っ只中にある…。