熊本レポート

文字の裏に事件あり

TSMCバブルを迎えた菊陽町の自治能力と先手を打った政治家に噛み付いた元反社の正義 第2回

2024-03-22 | ブログ
 TSMC(JASM)進出による熊本県への経済効果は、向こう10年間で約6兆8518億円(九州ファイナンシャルグループの調査)と弾き出された。毎年、熊本県の予算分を与える効果と想定される。
 一方、菊陽町役場から歩いて20分のJR原水駅までのタクシー待ちが、怒りを超える我慢の50分を要したり、同無人駅のホームから人が溢れ落ちる程のラッシュ時を目にすると、限界という地域社会の対応能力を危惧もする。



(写真・西日本新聞、熊本県町村議会)

 さて熊本県やTSMCの発表1週間前、支持者らを前に「第二工場決定」を披露した地元選出の坂本哲志農水相に対して、「農地転用を奨励する農水大臣」という皮肉どころか、「インサイダー情報の漏洩」という声も上がるが現在、この第二工場建設に向けて誘致の熊本県が頭を悩ませている2人の人物が居る。裏を返せば菊陽町(吉本孝寿町長)の明らかな怠慢で、その自治対応能力の限界から浮上した2人。
 その1人は先述の坂本農水相による「日本の危機管理体制の脆さ」という誤作動、その半年以上も前、夢に見たのか予言したのかはともかく、「地元建設会社(アスク工業、坂本建設、東筑建設等)に対して第一工場の東隣接地を指定して買収を奨め、自らも不動産会社㈱デレクトを通じて、県道30号側の間口両サイド(約2500坪)を押さえた町議会の福島知雄議長」と、あくまで町の噂と断わった上で語った。



 あくまで噂と言うが、既に仮登記(農地法許可条件)、売買契約書が該当地の地主との間で交わされている以上、それは事実に相当する内容。因みに福島議長は㈱サンケイ地所という不動産会社の代表だが、自ら動かなかったという点からして、同噂に輪を掛けたのも確か。
 そして、もう1人が山口組元直参組長のA氏。
 「闇に先手を打った政治家は許せんと、男気からデレクトが仮登記した場所に二重仮登記」
 これも噂と言うが、A氏関連の農業法人会社が二重仮登記は事実。異なるのはデレクトが要農地法第5条の許可で、A氏関連の会社が要農地法第3条の許可という点。勿論、両者の仮登記における実質的な中身次第だが、農地売買のA氏が優先。
 噂からすると大迷惑(誘致事業)の元は福島議長となるが、熊本県が頭を抱えているのは、後者A氏関連の用地入口約7800坪の仮登記。
 2019年11月、「安倍総理の桜を見る会に反社人物も参加」と国会騒動が勃発。マスコミが先に批判を連発し、野党議員が国会で総理を追求した訳だが、問題視されたのは奈良県内の町議で、彼は22年前に足を洗うまで山口組傘下組織の組員。
 元暴5年条項はとっくに外れているのだが、同桜を見る会に税金5700万円が支出。そこで元ヤクザも参加の桜を見る会とマスコミから叩かれ、そして国会論議となった。
 A元組長のK会は2013年の解散で、元暴5年条項が外れて5年も経過するが、「暴対法だけは予想以上に警察の姿勢も固く、柔軟な熊本県警もこの事案だけは妥協なしと見る。まして今回は桜を見る会に支出された税金と比べ、その金額は7300億円と桁が大きく違う」と、裏社会の事情通は熊本県が懸念するのは当然と解説。
 そこで地元では買収にルール破りで先行した建設会社の間で、「A氏関連の仮登記地を買収すれば事は治まる」と楽観した見方が浮上。
 だが先述の事情通は「仮登記を白紙に戻さない限り、世論(マスコミ、国会)は許さないだろう」と見ている。
 白紙に戻す迷惑料を純利益18億円も計上する不動産先行組が、それを支払うという案も飛び出しそうだが、金額も桁違いで税務署が果たして納得するか否か。
 それでは「A氏の正義感からの行為はどうなる」と、噂からの見解を考えると、A氏も無報酬で正義を下ろすとは考えづらい。TSMC菊陽町バブル、そのスタート18億円の経済効果を考えると、民意がA氏を支援するという皮肉な想定もされて来る。
 第1工場用地の場合は同町前商工振興課長が、「工業団地拡大」に基きと地主の間を根気強く説得に回っているが、027年の操業開始予定を前に未だ「第2工業用地は決定ではない」という今村現同課長からして、先の福島議長の動きは吉本町長の意向だったのか、それとも放置の怠慢だったのか、実に幼稚な見解しか出ない。
 全て利権先行とは言わないが、軽んじたのは自治体に最も重要な民意、透明性を欠いた点で、これを突いたのが元反社と言えば、いまの熊本県らしいのは確か…。


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