熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本のいぎたなき鼻孔まで膨らませた市議会

2015-06-29 | ブログ

 女性市議による歴史あるパワハラ問題、市議5人の市民税滞納問題、そして「報酬アップは与党議員の拡大にあった」と市長時代を振り返って語った市議に対する懲罰問題と、地方議会は追求する議員も含めて実にお粗末。片手の指を開いて、「まともな議員は何人か」と探すのにも空白の時間を要する。
 選挙の啓発運動に逆らうつもりなどないが、メザシの束をまな板に上げ、「この中から選べ」と並べ広げられて迫られる制度で、果たして参政権を与えられる18歳に選別の意思が生まれるかどうか。
 上天草市議会の田中万里、新宅靖司両議員が兼業禁止を定めた地方自治法に違反したとして辞職したが、議会開会日の全員協議会で田中議員に対する「資格決定要求書」が途中で中断したとか、同提出がなければ後の新宅議員までの辞職などなかったと聞くと、旧態依然の政治力学で決着しただけの政治倫理。
 それに「県が認めていたから市でも通用すると思った」(同市幹部談)となると、県内の地方議員は県議会議員も含めて半数近くは、公費を不当に腹へ入れているという推察の証。
 その上天草市と自治境界にある天草市はまた別で、ここは倫理観の認識すら飛んだ議会。天草市議会の古賀源一郎市議は、同市指定管理者制度による下田温泉の足湯場、観光案内所を管理受託する「ぷらっと」の代表。それに同市が住民代表とする地区振興会長で、その振興会長が営業時間の変更まで任せられた温泉センターの理事まで務める。
 指定管理者には公費を支払われるが、市議の立場からだと可能な限り公費は支出するべきではなく、一方の委託された側の代表、理事となると可能な限り多く貰いたいのが本音。
 こうした商取引関係(指定管理委託契約)を利益相反行為といって、高校生でも好ましくないと理解するが、天草市及び該当地である下田地区の市民は8年以上も何ら不可解にも思わない常識としている。
 土曜日の昼下がり、市電に乗ってきた高校生のグループが選挙権の話を始めた。やがて終点に近づき結論となったが、戸惑うことなくそれを素直に伝えると、「ろくな議員しかいないのは市民が馬鹿だからだ」と締めた。
 繕いの選挙用ではなく、時間を経けての政治家育成、その環境が急がれる・・・。


1年程前にホテル日航熊本で下書きされた菊池市庁舎整備等の絵

2015-06-17 | ブログ

 菊池市は明日(18日)、桜山配水池(機械設備、電気計装・予定価格1億3000万円)と市営プール建築工事(予定価格2億250万円)の入札審査を終えたと、その落札者を発表する。
 同市は7月、今期最大事業とされる庁舎整備事業(同増改築・約25億円)と生涯学習センター(約17億円)の着工に向けて入札を実施するが、今回の入札はその庁舎整備等の入札、発注と密接にリンク、いや後の庁舎整備等の入札を基本に繋がっていると確信される。1年間の検証結果として詳細に7月末で報告となるが、今回はその序論。
 先に断っておくが同入札は、行政的には首長に管理責任があるものの後述する現場サイドの意地からの抵抗からして、シナリオは外部作といえる。さらに説明を加えると、入札担当の責任者は同審査委員長でもある副市長。
 入札は郵便入札による条件付一般競争入札で、その設定された条件が実に興味深い内容なので紹介すると、配水池築造工事の方は参加資格の第一条件が県内に本社を置く企業。ここで同種施工でもメジャー級である九電工が除外された。
 公正、公平な発注を謳う市長なら菊池市内業者の育成、利益配分から地元業者と県内大手業者との共同企業体で全員参加を図ったと考えるが、提案者が地元ながら部外者だったのか、その理想に壁を敷いた。単独1社への発注として、しかも第2の条件で経営審査点数800点以上としたのだ。地元の菊池市で唯一残ったのは宮本電気工事。
 ところが、それに追い討ちを掛けたのが第3の条件。同種9300万円(同事業の70パーセント)の実績を参加資格で求めたのである。そもそも地元業者との2社JVが否定された時点で、菊池市内の業者には同事業への道が断たれた。
 それでは九電工外しは何を意味したかとなるが、ここまで条件によって重ね重ね絞り困れると、これは一般競争入札からは離脱した特命発注に向けた作業。この異様な行為が首長に出来るかとなると、常識的に市民の誰もが首を傾げる。
 同入札の案内で、業者なら「小学生の戯言か」と思う問答集が添付資料として出た。水道課の作成と考えられるが、公平な入札を前に「既設業者は◯◯」と特定の業者名を発表したのだ。該当業者には、脚本家側に余程の密接な係わりでもない限り致命傷。
 さて、目前で見逃した宮本電気工事だが、地元業者の代表として同脚本家側に噛みついたとも想像される。7月の大事業で、同業代表として貸しがどこまで実るかが注目される。
 次に市営プール建築工事(予定価格約2億250万円)の方だが、こちらは地元Aランク(7社)の中での2社JVが条件で、少なくとも菊池郡市の13社の参加ならともかく、指名入札と何ら変わらない3組の中の1組となると、ここは八方建設・美麗建設工業の共同企業体と直ぐ頭に浮かぶ。ついでに落札率まで予想すると、公正取引委員会が談合入札と想定する90パーセントは軽く超えると予想。この契約金額が、実はこれが必ず注目されることになるから市民には特注である。
 残るは関係者が最も注目する7月の庁舎整備(増改築)、生涯学習センターということになるが、配分約1億円のプール建設と、地元4割配分の庁舎整備・生涯学習センター建設とを比べたら、そこで機械、電気設備分の約50パーセントを差し引いても先のプール建設受注組には、普通なら悔し涙。そこで再び思惑が浮上する。
 生涯学習センターの方はともかく、庁舎増改築は再び取って付けたような理由で、例えば仮定の話だが西松建設のような全国中堅ゼネコンに一本化発注という策がある。そこで地元4割配分の下請受注と我を通せば、Aランク7社の菊池市なら通る常識。今までなら裏まで覗く、そうした暇な市民もいない。
 そうなると焦点は、辿り着く庁舎増改築の下請け業者群。ところが公正、公平を願う菊池市民が、いつまでも我が儘を許すかという賭けもある。その彼らが忘れかけていたハードルで、国税まで入れての検証となると、1年も前からホテル日航熊本で描いたのだと怒鳴っても、赤く燃える絵という結末も想定されて来るのだが・・・。


合志市の環境工場計画に落差の大き過ぎる市民の社会意識 第4回

2015-06-16 | ブログ

 環境工場と称されるごみ処理施設の建設が、自治体連合の環境施設組合長ではなく、権限は建設該当地の首長が握るとか、処理方式及び型の機種(メーカー)決定は同審査委員会前までに決定される等について、その事例に解説を加えてパンドラの箱を開ける思いで述べてきた。それは平成30年度に着工予定の合志市での同計画(菊池環境保全組合)で、すでに新日鉄住金との特別的な接触が図られたと、信頼する県外の通信社からその情報が届いたことで取り上げた(第1回~第3回参照)。
 そこで最終の今回は、同事業計画の主人公でありながら間接的にしか係われない市民の認識、意識について、3年後への期待としつつも、それを敢えて警鐘という思いに替えて出す検証報告である。
 断定はしないが合志市には、市長の関係する政治資金管理団体を巡って「政治献金の不記載」という噂がある。毎月3万円の献金が 、例年の政治資金収支報告書に不記載だと複数の事業所関係者が漏らした。ただ徴収仲立ちの同後援会幹部が、業界談合では名高い建設業界のS建設M氏、設備業界ではK設備K氏ということで、途中で消えたと国税の方が注目する説もあって、それが断定しないとした前提でのこの疑惑。ただ、この疑惑が市外、建設関連業者を巡る政治献金による事案だけに、疑惑そのものを払拭するだけの説明が難しいことは確か。
 また同市には予定価格435万円の基本調査の入札で、それを超低価格の18万円での落札に始まった防災行政無線デジタル化事業の疑惑話もあった。これは同機器及び施設の補修、メンテナンスの検証までと続くが、同市議会の議員は誰1人として腰を上げる者はなかった。
 そして最高の証明は、同市野々島における産業廃棄物の不法投棄についての議員の対応。同地に市外から同廃棄物が持ち込まれ、不法投棄されたという話は、環境問題は当然ながら「隣接する農地価格まで暴落」と何人かの市議が通報を受け取っても何ら動かず、その事実確認を全国紙が記事にしても、それでも誰1人として対策に走る議員はなかった。
 選挙の際に「4年の実績は?単独の議員提案は?」と現職への質問もなく、良くも悪くも任期中は「任せっ放し」となると、『年間90日の出席で報酬約600万円』が第一目的になるのは当然。また選挙の感謝祭か先日、某市議が後援会を中心としたイベントについて、同市の防災無線を使って案内したが、これらは能力以前の問題で、裏を返せば何ら不可解にも思わない市民の常識も問題で、「市民意識のレベルによる議員資質」との見解も当然。
 先の市議選では、最も選択が容易い「報酬7万円アップの阻止」という公約まで飛び出したが、結果はそうした候補4人を否定した。報酬アップに同意の市民ならともかく、裁決第一の市議会で「アップ分は福祉協議会へ寄付」と考えて投票した市民は、自らその公約不達成を生んだのである。
 新住民の増加が著しく急激だった新都市化の合志市とはいえ、同じく同地域社会の変革化にある他町と比べて、同市の場合は20年前の過去という先発組。ここは既に二世代社会というのが、他町と意識の異なる理由ではなかろうか。
 寛容過ぎる市民の社会意識が、係わる自治社会の空洞化を進めるという特異なケースともいえるが、果たして3年、4年後を見据えて、全て取っ替えるくらいの気概ある市民が出て来るだろうか。そんな情熱ある市民、合志市出身者にとって、極めて魅力ある合志市であることは、ここに述べてきた検証結果にある。good  lack・・・。


農林水産省中山間地域振興課の農政が問われる南阿蘇村の農地無断転用問題

2015-06-09 | ブログ

 4月、熊本県は南阿蘇村の長野敏也村長が、「中山間地域等直接支払制度」による交付金対象にあった(2010年~)親族の農地を無断で駐車場に転用していたと指摘。それがここに来て「南阿蘇村を良くする会」が同村に発足して、村長追求の文書が村民に郵送されるなど村を揺るがす問題にまで発展。
 一方、該当の同村長はというと「制度に関する理解不足があったのは確かだが、辞職というのはそんな噂事態が失礼な話」といたって強気で、また同村議会からも「この問題がいま南阿蘇村に必要な議論なのかと疑問を感じる」(太田議員)と、村長擁護論まで周辺には出現。
 もちろん「村を良くする会」の趣旨が感情的な村長選挙の延長戦だと困るが、そうした話にすり替えられる単純な問題、軽く見過ごされて済む事案でないことだけは確かで、これが双方で次元の低い感情論での対立構図を見せると、中山間地域対策という農政など吹き飛んでしまうのは明らか。
 該当地住民らが阿蘇の生んだ農政として掲げる故松岡利勝氏(元農林水産大臣)も挙げられるが、彼ら日本の農政が苦労を重ねて培ったのが中山間地域対策。その趣旨に沿った一つの施策が中山間地域等直接支払制度であって、それらの原資は国民の税金であるというのが今回の事案での基本で、これが第一点。
 二点目は始末書、新たな農振除外申請、許可という単純な農地無断転用とは大きく異なり、生産条件の厳しい中山間地域において農地を維持、管理する目的で先述の公費約8000万円(該当の長野集落58人・毎年約1600万円)が既に投下された「中山間地域等直接支払制度」の対象農地での無断転用という中身と条件の問題。同協定違反の場合は、協定締結時からの交付金返還が発生するという極めて厳しい条件にあって、それは協定参加農家の連帯責任。そして今回、該当事案の検証で決して見逃せないのは、同制度が農地の管理方法や役割分担まで、幾度となく集落で協議され、そこに村が関与して協定が締結されたというプロセス。ここまでが責任所在の焦点ともなる第二点。
 この第一、二の要項を考えると、「足の引っ張り合いなどしているときではない」といった理屈は明らかに問題の隠蔽であって、村民の明日を左右する重大な村の問題として考えると明らかに公人としての資質が問われ、また先述した協定締結までの経由を検証するまでもなく、「制度の理解不足」という弁明もまた首長としての資質の問題。
 こうした認識の甘さの裏には、政治力学という介入での自治行政から九州農政局を引っ張り込んだ談合で、責任所在不透明という処理も想定、懸念されるが、それは中山間地域対策という農政の崩壊を意味するもので、それこそ先に述べた第一項目の農政の先人、また国民を侮辱するものである。だが、そうした自分の首を自ら締めるような案が、関係行政の方で練られているという情報もあって、農政というのは不条理というより実に奇っ怪・・・。


合志市の環境工場計画を裏から覗いての得な気分にはなれる市民講座 第3回 4-3

2015-06-04 | ブログ

 ごみ処理施設として処理法式、炉型において「これがベスト(メーカー)」は存在しても、それは専門家であっても決定するのは誰も困難で、その決定理由は素人のじゃん拳よりも低レベルとは失礼な表現だが、それは「天」の都合によって、セレモニーの審査会前に決定される。これがこれまでの解説だが、それが市民意識とは余りにもかけ離れていると言うのであれば、それ以上に市民意識を逆撫でする事例もある。
 2007年10月、「鳥栖・三養基西部溶融資源化センターの建設を2002年に受注して、同施設の運転業務も受託していた住友金属工業が『当初、見込んでいた採算ベースに乗せることが困難』と、その契約破棄を申し出て来て、同施設組合は頭を抱えている」と報道された(佐賀新聞)。
 仕事を受注していながら「儲けにならないから辞める」という意向なのだが、これほどの憤慨する話が出て来るのは、これも前述の「天」の都合が背景。
 ところで、この住友金属工業は2005年8月、大阪国税局から4億円の所得隠しを指摘されたが、そこで「使途秘匿金」とされた34億円は、同社が大分市の設備会社を使って捻出(架空工事での工事金バック)した裏金で、それは各地の環境プラント工事における受注工作に使われたと、そうした見解も調査の関係者から出た。
 先に述べた鳥栖・三養基西部環境施設組合発注のガス化溶融炉では、その受注に際して、衆議院議員元秘書の福岡県議が同組合長の鳥栖市長、建設地となった三養基町長を訪ねて「住金で頼む」と要請。後日、同県議は「代議士の後援会で住金とは知り合って、依頼を受けて要請したのは事実だが、同社からの謝礼は一切なかった」と語っている。惚れ込んで、誠意で走り回ったというのである
「入札直前に1市4町の首長が最低制限価格を話し合うことになって、某首長が80~85パーセントを提案したが、直ぐ別の首長がそれよりも低い78パーセント(54億5688万円)を主張したことで、それに同意。ところが住友金属の落札金額は、それよりもわずかに高い54億6300万円。これには同意した4人の首長らも『神業』と驚き、他社の幹部も『事前に数字を知っていたとしか思われない』とコメントしたが、全て字にすることは出来なかった」(全国紙記者談)
 またメーカーが受注のためには裏社会にも協力を求めたのも事実で、いま各地で稼働中の焼却施設が建設された20年程前、旧新日鉄の担当部長が、異動時期に関係なく突如、アメリカへ転勤。その裏には「裏社会との約束通り受注が出来ず、そこで逃亡」があったと噂が流れた。
 先の旧住友金属工業と旧新日鉄は、城山三郎著の「官僚たちの夏」にも登場の長き深いライバル関係にあったが2012年10月、この両社が合併して新日鉄住金となった。
 そして同社は昨年5月、シュタインミュラー式ストーカ焼却炉など欧州廃棄物発電プラントのメインプレイヤーであるドイツのFBE社(フィジア・バブコック・エンヴィイラメント社)を190億円で買収。
 その新日鉄住金が、「合志市に建設される新環境工場に関して、同関係者と特別に接触」との情報が県外から寄せられたのは昨年秋であった・・・(第4回へつづく)