天草広域連合(天草、上天草市、苓北町)の議会は2月22日、新ごみ処理施設の建設に関連する施工監理業務委託費(1億630万円)を削除する修整案を提出し、それを賛成6、反対3で可決した。コンサルタントの監理抜きでの建設は無理な訳で、議員側から提案しての可決という礼を尽くしての手法だが、実質は執行部の事業計画に「NO」を突き付けた訳だ。
同広域連合の執行部側は5月の落札者決定、8月の同承認議会と予定しているが、6議員の大義、正義が揺らがない限りアマチュアによる今回の事業計画は常識的に潰れると想定。
ところが入札参加業者の資格審査決定(昨年10月7日)前後を境にして、このN社の動向が急変。アマチュア事業計画だからか、そのコミニケーションにもN社側には難題だったと推察されるが、シャフト式とストーカ式での混合総合評価型入札となると、乾燥器付きの洗濯機を単一の洗濯機と値段で競わせるような入札で、技術面で100点満点の150点でも取らなければ金額では負けると判断し、N社の営業部は魚心あれど水心なしと入札辞退へ動いたと推察(他メーカー情報)。
それでは彼らが「NO」とする理由、その根拠だが、その中には地元紙が同事業段階を「業者募集中」と大誤報した業者資格審査決定日(昨年10月7日)も重要な点で、端的に言うと「疑惑不正を感じさせるアマチュアによる事業計画」への議会からの「NO」である。
同広域連合の執行部側は5月の落札者決定、8月の同承認議会と予定しているが、6議員の大義、正義が揺らがない限りアマチュアによる今回の事業計画は常識的に潰れると想定。
そんな先に結論を考えると思い出すのが、宇佐高田国東広域事務組合(大分県)の同議会における同種事業での否決。
宇佐高田国東広域事務組合は2018年2月、3市による新ごみ処理施設の契約議案を2対9で否決した。組合長である是枝宇佐市長は「建設計画は一からやり直しだ。再公募して入札までを考えると、工事着工が2、3年も遅れる」と危機感を募らせたが、否決した組合議員は揃って「何百億円以上の国民の血税を投下する事業であって、そこには公平、公正な発注が求められる。種々の疑惑(金銭の授受、その予定という噂…暴力団の関与)が解明された訳ではなく、まして1社による入札なんて競争原理の働かない管理者による随契」と、着工の遅れより公正さが優先されるのは常識と語った。
そこで話を天草広域連合の新ごみ処理施設の事業計画に戻すと、同事業計画は溶融炉式(シャフト式)とストーカ式の混合入札で公募したが、この2つの異る焼却炉にはメリット、デメリットが双方に在って、大間のマグロと神戸牛の味比べといった総合評価型の入札ではアマチュア計画。
次に連合長(天草市長)は落札者を選考、選定する審査委員会のメンバーに東北大学の専門学者ならともかく、その東北から宿泊先も必要な宮城大学のK教授を据えた。このK教授は溶融炉式が専門のN社スタッフと共同で「焼却灰の再資源化」という論文を発表しており、連合長の思惑、意図が「N社の溶融炉」にあると焼却炉メーカーが推察するのは当然で、これが他の焼却炉ビッグメーカーの公募への敬遠を生んだ。
ところが入札参加業者の資格審査決定(昨年10月7日)前後を境にして、このN社の動向が急変。アマチュア事業計画だからか、そのコミニケーションにもN社側には難題だったと推察されるが、シャフト式とストーカ式での混合総合評価型入札となると、乾燥器付きの洗濯機を単一の洗濯機と値段で競わせるような入札で、技術面で100点満点の150点でも取らなければ金額では負けると判断し、N社の営業部は魚心あれど水心なしと入札辞退へ動いたと推察(他メーカー情報)。
替わって浮上したのが、残りのストーカ式で入札参加したK社、いや同社と運転管理でJVを組むK2社。震災、水害の多額な見舞金で、この5、6年の間に急激な売上増を見せている地元企業だが、その同社代表が3年の間に4人も替わるという意外な点もあり、地元同業者の間では噂の絶えない業者。
このK2社の動きに連合長が「渡り舟(乗り替わり)」と思った否かはともかく、K2社から出ていた質問、要望に応えて昨年12月、「運転管理面での協定、契約変更」を実施。先述の昨年10月7日以降での発注方法変更となると、入札参加を見送ったメーカーには明らかに不公平。
この2つの点から6人の組合議員が「公共工事の入札からして適正に非ず」と「NO」を下したと思われるが、1番に懸念されるのは想定される1社による入札、即ち随意契約で、それを見越しての「NO」であったと言える。
地方自治法施行令167条の2第1項2号から1社による入札、随契は後述する特例を除いて認められない。よって礼を尽くし(後述の想定)義会提案として可決し、同契約議会までの8月までが無駄との温情から「NO」を突き付けた松岡寿、勝木幸生、平山泰司、新宅誠司、何川雅彦、塩田真一氏の6議員はプロフェッショナル。アマチュア集団の休眠地方議会が多い中、また執行部批判は在っても無意味、無価値な万年野党の対決演技の政治という中にあって、彼ら6人の議員は住民代表、その政治家資質からして「あっぱれ」と称賛される。
今回の組合議会について馬場連合長は「議員を説得する」と語っているが、随契には説得の意味もなく、先述した宇佐高田国東広域事務組合と同じく「組合議員のクレームで着工が2、3年延びる」というのは責任転嫁で、その責任は執行役の連合長に在る。
それでは随契の認められる特例だが、国の秘密を要する国家事業とは異なり、既設関連で単一の専門技術を要するとか、また住民の大多数の要望で特殊機器、施設に限定されており、今回はあくまで「競争入札の原理、原則を否定する1社入札での随契は予算決算及び会計令、地方自治法から認められない」の1点。また裏を返せば、「一から出直すのが早いか遅いか」の執行長の責任上における資質の問題で、「必要と認めた場合は入札執行を中止する(連合)」という作ったルールを自ら守れる器に在るか否かである。
余計な添えながら同事業計画に賛成を通した濱洲、澤井、野崎氏の3議員。その背景を間違っても「金か情実か」と話題づくりはしないが、大誤報を流した調査取材能力0、コピペ地元紙の記者もそうだが、他の大方の地方議員と同様なアマチュアとは言える…。