漁協の内紛問題を大疑惑だと1面を埋め、恥だと気づいて後は知らん振りに決め込んだり、公募受付の締切日2日前に「これから開始」と伝えるコピペ報道でも間違う地元紙。そんな新聞は、テレビ番組か訃報記事しか見ないんだよと言う人なら既にご理解だろうが、全国から笑いの飛んだ技術評価31・54点という不良一歩前の品物に対し、前代未聞の落札率99・7パーセントの超大金335億円で買いたいと、そんな駄々をこねる原因は5億円余りの光ファイバー事業での無競争受注(随意契約受注)に始まった。
そこで公共事業の原資とは何か、公平、公正な発注など構わぬと得たのが不遜。
その公共事業に対する不遜の態度が日鉄グループの誘導という個人的な思惑でスタートし、他の入札不参加まで招いた。
だが、無知識の発動で結局は日鉄に逃げられ、審査副委員長をわざわざ東北から呼んで据えた意味もなくなった。
これが1社入札となって、技術評価31・54点を前代見聞の99・7パーセントという落札率の超大金(335億円)で買いたいとなった原因で、即ち大笑いされている背景。
ところで特殊技術を要する場合とか、地元産業としての絡み等(大牟田市の三池、大分市の日鉄)から1社入札が全くない訳ではないが、そこにも厳しい審査規定が存在する。
残念ながら天草広域連合には同規定がなく、同じく同規定のなかった宇佐高田国東広域事務組合(大分県)では「1社入札では競争性が確保されていない」として、住民から疑惑の声が上がって、その意を受けた承認の組合議会が同入札結果を否決。
この時、同組合長は「建設が更に遅れる」と嘆いたが、天草広域連合の場合も半年前に「設計管理費削除」という荒手のレッドカード(非設計管理での建設)で警告(非競争入札)している訳で、そんな責任転嫁が許される訳がない。
しかし否決されたケース、また審査規定を所持して特殊事情(地元産業)から1社入札とした九州圏内の3例と比べた場合(別表参照)、今回の天草広域連合における落札候補の結果は大笑いの対象、小馬鹿にされるのは当然。
その「小馬鹿で通すか」、修正を求めるかは天草10万人からなる住民の良識と常識次第。
公共事業の入札に詳しい九州大学大学院の三浦功教授は、「予定価格が巨額の事業にも係わらず、1社入札というのは不自然。少しでも疑われる入札は、やり直すのが最善の策」と指摘し、「特別債等が絡んで時間がないなら、第三者委員会で抜本的に見直し、1社入札の弊害を図るべきだ」と語っている。
原因は何だったのかを考える時、地元とは異なる天草出身者の「良識と常識に賭ける」という言葉について、その判断の難しさを改めて考えた…。