熊本レポート

文字の裏に事件あり

勝つのはどっちで、落ちるのは誰らかの合志市議、益城町議選

2015-04-23 | ブログ

 いまさら政策立案能力、リーダーシップ、倫理観の三つの条件とはいわないが、合志市議選はスタート前から大義とか公約達成の議席が得られるかなど疑問の声はあるものの選挙の争点は、議員報酬のアップを認めるか、それを認めないかの極めて分かりやすい選択機会。
 一方、益城町議選は人事権も執行できない西村新町政において、野党議席を上回る与党議席が得られるかが地元では最大の焦点。
 また好まない見解だが、候補者らには毎月37万円(合志市議会・益城町議会25万円)の報酬が得られるか否かでの必至の物理的戦いであることも確か。
 投票日まで残り二日となって双方、当確の候補者らは自宅で当選挨拶の原稿執筆で時を過ごす者、また家族への慰労としてGウィークでの旅行計画に夢を膨らます者もいると聞くが、残り議席の確保に向けてボーダーラインの候補らは、開票結果後での世間の冷たい視線までも恐れて猫の票まで借りたい心境と察する。


 合志市議選は残り9議席を巡って17人の争い(8人落選)、また益城町議選は残り11議席を18人が争っている(7人落選)と終盤戦を現地では見ている。
 双方、当選ラインは700票前後と見られているが、せめて児童淫行罪で摘発された候補、また原稿も書けず質疑0という候補への投票は有権として避けたいものである。ツツジ散り 心も置かず 別れけり(堅)


出水神社の変

2015-04-17 | ブログ

 3月末、出水神社(熊本市中央区水前寺公園8−1)の社務所で、一人の責任役員が使う机の中から個人の記念硬貨(8万円)を含む書類、鍵等が消えた。同役員は窃盗事件として熊本東警察署に届け出て、4月に入ると同署は直ちにこの捜査に入った。
 だが、このホシ(犯人)は盗んだ相手が県警出身の責任役員だと知ってか、指紋一つも残さず持ち去ったからスゴ腕。


 ところが、そのホシは使用者である責任役員の指紋まで拭き取っていた。すなわち綺麗に掃除までして、ホシはお帰りになったのだ。果たして、それほど時間、精神状態に余裕のあるホシは居るのかとなるが、そこで素人にも浮上するのが「内部犯行」という見解。裏を返せば、警察OBの責任役員が相手にもかかわらず陰湿なイジメ。
 出水神社は地元情報紙の解説を借りると、「金の成る木を巡る内紛状態」にある。細川県政時代から細川派の責任役員、事務局職員が増えて県庁OB、公益財団法人永青文庫役員との兼任と細川色が色濃くなり、平成24年9月には細川佳代子夫人まで責任役員に就任。細川系以外は先述の被害者だけが残って孤立となると、これは内紛というより排除抗争で、いまや出水神社はその細川家化の最終段階。
 意外な「細川家に忠誠を誓えるか否か」での信任とか、佳代子夫人から「そろそろお辞めになっては」という言葉も出ている(該当責任役員談)状態では、先の内部犯行という見解も決して不自然ではない。
 しかし古今伝授の間は細川家の管理として、また過去に熊本市と長期の訴訟にもなった水前寺成趣園の所有権を敢えて棚に上げても、この出水神社は細川家の私的財産ではなく、何ら細川家が関与できる神社ではない。これは先の物質的な見地からではなく、神社としての精神文化による見解。
 明治10年、西南の役で焼け野原となった熊本の城下を見た旧西原、旧城南村の旧藩士らが、この復興、発展を願って、また人心のより所として崇敬の甘棠会を設立し、その彼らによって建立されたのが出水神社。
 当然、甘棠会が旧藩士の集まりであったことから藩祖である細川幽斎、二代忠興、三代忠利、八代重賢を祀ることになり、場所は細川家の別邸であった成趣園に建てたという経緯にある。


 その後、歴代の藩主十柱とガラシャ夫人まで合祀とされたが、神社本庁はそれを無承認というのも創建の文化を尊重しての判断。そもそも神社、崇敬神社は創建時の趣旨、精神そのものが文化であって、規約を含めて時代、時代の背景によって改め、付け加えられるべきものではない。
 また本来、源氏や平家から江戸の藩主まで、それを祀った大宮(国管理)から神社は、その末裔、子孫が深く関与するところは他にどこにも存在しない。
 神社とは国民の共有する文化であって、崇敬という文化からして、先の出水神社におけるイジメに至る騒動は、関与する責任役員が地元では著名な顔触れだけにその品格までが問われる。物質文化ではなく、精神文化としての旧藩士らの文化からの品格である…。


益城町議選の前哨戦でも嘲笑されたくまモン知事の部下による愚かな三つの失態

2015-04-08 | ブログ

 今回の統一選挙では新議員の6割が不戦で議席を得ると予想されて、『届け出りゃ猫でも当選の無投票』と無風区議員か同地住民かはともかく質の悪さが川柳にも謳われたが、町政に住民の関心が高い益城町では18議席を巡って24人が町議選に出馬の予定。

 昨年4月の町長選挙では西村博則氏が現職を大差で敗って新町長に就任したが、18議席の中で野党13議席という議会で人事権も通らぬ1年を同新執行部は経験。そこで町長派の住民が今回、6人の新人を擁立。しかし現況は、強い野党現職を前に厳しい戦いを強いられているというのが前哨戦。

 ところで、この激戦の町議選を見せる益城町から、

「代表一人の事業所が県の公共工事を受注して、それを丸投げしたが、3月までの工期が6月まで延びても罰則の声は出ず、これも違法屋外広告物(第二空港線沿い)の長期放置と同じく特定の政治グループと県幹部の癒着が背景か」

 県行政の疑惑が再び噴出。

 簡単に説明し直すと、益城町の秋津川河川改良工事を受注した業者は社長一人の事業所で、それを別の業者に丸投げして、まして工期が延長した。さて、この責任、罰則はといった疑惑の内容となるが、実はこれが熊本県土木部(猿渡慶一部長)のミスで、やがて責任転嫁へ持って行きようがないと観念すると県はそれを認めた。すなわち「目を瞑って口を閉じて欲しい」といった結論にもなるが、真面目な県とルール遵守が第一の建設業協会という神話の常習なので敢えて裏を解説する。

 県土木部管理課によると「代表一人の事業所でも、該当代表が一級土木技能等の資格を所持し、工事実績が存在すれば入札参加、受注は違法ではない」ということだが、これは「役員実績、事業所実績」という条件付であって、有資格者の新たな事業所には認められない。すなわち「付き合い度」が岐路であって、原理原則者には理解の困難な理屈。

 それでは「雨季前での完工を目的としての3月完工が、梅雨入りの6月まで延長となった理由と罰則」に疑問は続くが、該当工事を担当する同県上益城地域振興局土木部(坂井秀一部長)は、「該当地の下流での測量で発注し、設計変更に時間を要した」と回答。それでは「施工現場の発注は未測量で実施」という極めて単純、基本的な行政のミスとなるが、そこで「金をねだられて準備段階で先払い」という庶民の噂を否定するだけの材料があるかとなると、「罰則を有する責任は全て県」という判断を認めた(同部)。

 続いて監督業務だけを除いての違法的一括発注という疑いだが、その前に同下請け業者は同入札に参加した(相指名業者)二番札の業者。

「正直に届け出た下請け業者で何が駄目か」(同土木部)

 呆れた内容の逆質問を返した熊本県土木部。そこでの回答を繰り返すと、

「相指名業者であった下請け業者は『自分が見積りを提示した価格より低い価格での受注は不可能』と入札に臨んでいるわけで、それよりも以下の価格で落札した業者の下請け価格となると、社会通念上からして不自然。国土交通省も『入札前に下請けを約束して、特定の業者が高く落札する(該当落札率は98・4%)という不穏な動き(業界談合)が十分に懸念される』として、相指名業者への下請け発注は望ましくないと厳しい指導を通達済み」

 これに対して同土木部治水班は、「入札契約の実施は別部署なので未確認」と返答。

 町から出た疑惑事案だからと全ての市町村と比べての評とはいわないが、政令指定都市の熊本市には明らかに劣る行政能力の熊本県各部。仮に「そうではない」と言い切る猛者、県庁の星がいたとすると、巷で噂される「金をもらって不法の手助け」という各部の説が一部には成り立つ…。


スタート前に大胆予告の合志市議、益城町議選で考える民意

2015-04-02 | ブログ

 散る桜 残る桜も 散る桜
 統一地方選挙を前に、握り締めた一票にあなたは「何を託す」のか?
 少子高齢化社会、地域的経済の格差、生活的な格差社会の拡がる中で、「地方自治はどうあるべきか」を改めて問われる選挙だが、「民主主義の学校」と称される地方自治そのものが問われているのも確か。政務活動費の釈明で見せた兵庫県の号泣き県議、神奈川県議の「危険ドラッグ使用」による摘発、北海道議員の航空機内での暴言騒動、中学生をネットで威圧した議員等を考えると逆に選出した有権者の政治レベルが問われるという原点に戻るが、差こそあれ似たような地方議会は、いまどこにも存在する。
 県議会の新人候補が「支持政党はどこでも良いッす」と出馬前に語ったが、「何を成すか」という志の以前に「政治理念」の不存在である。

 政治家には「倫理観」、「政策立案能力」、「リーダーシップ」の三つの条件が求められるが、その条件を揃えた地方議員など「議会の半分もいない」(地方政治専門の某大学教授談)というのは確かで、美里町定例議会の発言議員0を持ち出すまでもなく、総与党化しての執行機関に対する監視能力0とか、地方創生に対する提案0を語る以前に議員として「何を成したか」、「何を成すか」の存在しない議員が大方といえる。そんな地方議会選挙に投票を求めるといわれても正直、奇々怪々なる日本の地方政治。

 最終的には首長が議長を兼ねて、議員三人による採決議会に至るという説もあるが、競争意識を植え付け資質ある議員なら「驚異の議員報酬アップ」の争点など出て来ないわけで、地方議会の改革は財政上の報酬問題よりも定数の大幅削減にある。
 19名に定数削減した合志市議会議員選挙で、「アップ報酬の否決」を目的にして5人の新人候補が立ち上がった。全有権者の感情は同意のはずであって、これほど争点の理解しやすい選挙はない。だが、そこに地縁、血縁が入り込んで来て、民意が多様化することも分かるが、前哨戦況の下位での「報酬引き下げ派候補」という激戦は何を語るか。

 一方、益城町は野党議員が多勢で、新町長による執行部が提示する人事権も通らぬ状況にあった。そこで今回の18議席を争う選挙では、与党が10名(現職4名、新人6名…野党・現職12名、新人3名)を擁立し、スムーズな自治の推進を求めることになったが、それは事前に自治会ごとに調整された10名の候補者全員の当選。現在の選挙法では、政治は力学でもある。
 政治目的を達成するには、そこには団体戦としての戦術が求められる。すなわち真の民意とは支持候補者の当選が目的ではなく、候補者の公約達成にある。変えるべき点は、やはり有権者の政治意識ということにはならないか…。