今回の統一選挙では新議員の6割が不戦で議席を得ると予想されて、『届け出りゃ猫でも当選の無投票』と無風区議員か同地住民かはともかく質の悪さが川柳にも謳われたが、町政に住民の関心が高い益城町では18議席を巡って24人が町議選に出馬の予定。
昨年4月の町長選挙では西村博則氏が現職を大差で敗って新町長に就任したが、18議席の中で野党13議席という議会で人事権も通らぬ1年を同新執行部は経験。そこで町長派の住民が今回、6人の新人を擁立。しかし現況は、強い野党現職を前に厳しい戦いを強いられているというのが前哨戦。
ところで、この激戦の町議選を見せる益城町から、
「代表一人の事業所が県の公共工事を受注して、それを丸投げしたが、3月までの工期が6月まで延びても罰則の声は出ず、これも違法屋外広告物(第二空港線沿い)の長期放置と同じく特定の政治グループと県幹部の癒着が背景か」
県行政の疑惑が再び噴出。
簡単に説明し直すと、益城町の秋津川河川改良工事を受注した業者は社長一人の事業所で、それを別の業者に丸投げして、まして工期が延長した。さて、この責任、罰則はといった疑惑の内容となるが、実はこれが熊本県土木部(猿渡慶一部長)のミスで、やがて責任転嫁へ持って行きようがないと観念すると県はそれを認めた。すなわち「目を瞑って口を閉じて欲しい」といった結論にもなるが、真面目な県とルール遵守が第一の建設業協会という神話の常習なので敢えて裏を解説する。
県土木部管理課によると「代表一人の事業所でも、該当代表が一級土木技能等の資格を所持し、工事実績が存在すれば入札参加、受注は違法ではない」ということだが、これは「役員実績、事業所実績」という条件付であって、有資格者の新たな事業所には認められない。すなわち「付き合い度」が岐路であって、原理原則者には理解の困難な理屈。
それでは「雨季前での完工を目的としての3月完工が、梅雨入りの6月まで延長となった理由と罰則」に疑問は続くが、該当工事を担当する同県上益城地域振興局土木部(坂井秀一部長)は、「該当地の下流での測量で発注し、設計変更に時間を要した」と回答。それでは「施工現場の発注は未測量で実施」という極めて単純、基本的な行政のミスとなるが、そこで「金をねだられて準備段階で先払い」という庶民の噂を否定するだけの材料があるかとなると、「罰則を有する責任は全て県」という判断を認めた(同部)。
続いて監督業務だけを除いての違法的一括発注という疑いだが、その前に同下請け業者は同入札に参加した(相指名業者)二番札の業者。
「正直に届け出た下請け業者で何が駄目か」(同土木部)
呆れた内容の逆質問を返した熊本県土木部。そこでの回答を繰り返すと、
「相指名業者であった下請け業者は『自分が見積りを提示した価格より低い価格での受注は不可能』と入札に臨んでいるわけで、それよりも以下の価格で落札した業者の下請け価格となると、社会通念上からして不自然。国土交通省も『入札前に下請けを約束して、特定の業者が高く落札する(該当落札率は98・4%)という不穏な動き(業界談合)が十分に懸念される』として、相指名業者への下請け発注は望ましくないと厳しい指導を通達済み」
これに対して同土木部治水班は、「入札契約の実施は別部署なので未確認」と返答。
町から出た疑惑事案だからと全ての市町村と比べての評とはいわないが、政令指定都市の熊本市には明らかに劣る行政能力の熊本県各部。仮に「そうではない」と言い切る猛者、県庁の星がいたとすると、巷で噂される「金をもらって不法の手助け」という各部の説が一部には成り立つ…。