熊本レポート

文字の裏に事件あり

拝啓 河野俊嗣、東国原英夫様  ごみ焼却処理施設をPFIに決めての最終処分場プランです(熊本県) 第2回

2022-10-30 | ブログ
 山都町での最終処分場計画は、単に星山商店の営利事業という表の顔だけではなく、熊本県の環境インフラとして組み込まれた事業計画(想定)であって、宮崎県の河野俊嗣氏か東国原英夫氏でも出て来ないかぎり、その計画阻止は厳しいと述べた理由が、そこにある。
 その参考事業の一例を紹介すると、山都町は隣町の高森町と合わせて19ヘクタール(東京ドームの41個分)にも及ぶ西日本最大と称する外資系のメガソーラを阿蘇外輪山に誘致。現場は熊本市民74万人を中心とする約100万人が、命の水と称するミネラルウォーターの故郷。


 その阿蘇国立公園の際に石灰石を撒き、それによって硬化土壌工事を施工(除草不要目的)。だが、それによって涵養、保水能力は失われて命の水が絶えることは必至。また山上の土壌硬化工事において、変動気候からの大災害も懸念されるが、それを防止する程の砂防ダムも見当たらない。
 それでは行政は黙って放置したのかとなるが、実は県農林水産部の現場は勿論、九州農政局まで農地法、山林法を盾に阻止に努めたのは確か(ブログ熊本レポート2020年9月、021年1月公開)。
 ところが、そこに立ち塞がったのは同じ行政。同町の副長に送り込んだ熊本県元三役(会計管理者・出納長)ではないか、そんな推察も出た竣工前までの経緯。県三役の天下り先というのは過去、空港社長か大手企業の役員待遇が通例で、普通は課長クラスの副長天下りに対して三役が、しかも県境の副町長に就任するとは特例、いや異例。
 その彼が、今回事案の環境インフラも敷いたと想われる(同副長は8月に異例の懲戒免職)。
 さて山都町を含む上益城郡5町(上益城広域連合)が、新ごみ焼却処理施設の計画で投資建設費、立地場所(最終処分場)で悩んでいたのは確かで、それが用地(同郡御船町上野)を確保した段階で熊本県が横取り、いや代行として「民間企業から提案」とPFI方式での発注を突然発表。
 そして上益城広域連合は、「最終処分場(同御船町上野)は造らない」と結論。
 熊本県が委託の覚書を結んだ民間企業については後述するが、その民間企業における自社の焼却施設ではなくとも、目指す施設型では最終処分場を要する。即ち、同県は最終処分場計画も民間企業委託で、その覚書の一方として山都町の最終処分場計画での尽力を想定。さらにハッキリ言うと、星山商店が計画する最終処分場の実現が必至。
 同県が語る先の「民間企業からの提案」を受け取ったのは蒲島知事とは、そんな話は県政に繋がりの深い県民ほど不信は濃くなるが、先述の元三役の人事権を含めて誰の誘導、主導かが最終的なポイント。
 裸の知事様と同じく、先述した涵養、保水能力が懸念されるメガソーラ問題で、新有権者の高校生らから出たのが「野党地方議員の存在価値」である。


 日米安保条約には論理不明の反対で演習場まで出掛けても、何ら地域社会問題に目の向かないのが熊本県の野党議員。議員提案を出す訳でもなく、執行部の自治行政に対して、社会を揺るがす程の検証能力を発揮する訳でもなく、高校生の彼らが「野党議員らの存在価値が全く見えない」というのは当然。県議会議員の年間報酬は約1170万円+政務調査費+交通、宿泊費だが、「税金泥棒」と言えば、それを否定する材料があるだろうか。勿論、裏を返せば、野党県議会議員7名を生んだ有権者の感傷的な選挙権の行使が問題となるが、せめて新有権者には俯瞰の機能を働かせての選挙権行使が求められる。
 さて山都町の最終処分場(星山商店計画)が万が一にも立ち消えとなると、県が代行する上益城広域連合の環境インフラは振り出しに戻るが、それはともかく山都町の広報紙でも紹介(ごみ処理施設建設整備、運営の民間企業委託)の「大栄環境は日本最大手の施設メーカー」に振れると、同社の実績は近江八幡市(滋賀県)での76トン/日で、しかも中身は三菱重工グループ(三菱重工環境エンジニア)の製造、製作。
 それが今回、400トン/日(上益城広域連合対象の一般ごみは100トン/日と想定)となると、どう理解すべきかだが、「当初投資は12億円」(メーカー側談)まで、ここまでの経緯が実に奇々怪々…。(次号へつづく)

拝啓 河野俊嗣、東国原英夫様 熊本県政の環境インフラプランから五ケ瀬町源流の最終処分場は不可欠なのです(熊本県) 第1回

2022-10-25 | ブログ
 熊本市と隣接する光の森(菊陽町)を中心に急激な団地、住宅の増加を見せた2004年、同地に新熊本北郵便局がオープン。その新熊本北郵便局の建設に向けた造成中、発掘した地中から自動車が浮上するという珍事、いや事件が在った。
 この地上に噴出した複数の廃車は、そこに隣接する株式会社星山商店(熊本市)によって処理されたが、その後で同社の関係者が傷害事件に遭遇したと話題になった頃、再び同社に産廃の不法投棄という噂が持ち上がった。
 その疑惑の場所と噂になったのが、今年の8月に同社が一般ごみ、産廃の最終処分場として熊本県環境保全課に開発許可を求めた熊本県山都町(旧蘇陽町)東竹原の中間処理施設(仮置場?)跡地。


(熊本日日新聞)

 当時、該当地住民からの「自動車のシュレッダーダスト、多種の産廃を不法投棄した疑いがある」という情報は同県廃棄物対策課も把握。だが同課は『法改正以前の行為で、また容疑だと対処不可能』と、遠い県境への公務を嫌がったという経緯にあった。
 それを今回、同じ環境生活部の環境保全課が『条件が整えば申請を受理するのは当然』と、開発許可の申請を公務として立派に遂行。その背景には、実は「喉から手の出るほど欲しい最終処分場」という県行政の現状があった。
 ところが現在、その県行政を気落ちさせる形で計画は中断。肝心の星山商店が、渋い表情を見せる同環境保全課を前に「環境アセスメントの面から計画を練り直す」と進軍を休止したのだ。勿論、同課の期待に応えるべく、計画業者は再提出に向けて環境アセスに入るが、問題なのはこの「開発が環境にどう影響するか」という調査の手法。
「過去に産廃の不法投棄という容疑が掛かった以上、建設が始まると、その造成の段階で地中から有害物質が噴出し、流出する(宮崎県五ケ瀬、高千穂町の源流)可能性がないとも言えない。そこで環境アセスには関係自治体も関与して、第三者専門委員会で実施する必要がある」(有害物質に詳しい某准教授談)
 だが現状は通常の自己責任として、計画業者の環境アセスに任せられるようで周辺住民は、その結果で見解を示すという状況になる。
 そもそもこの事業は地元住民、それに肝心の川下となる五ケ瀬、高千穂町の住民らの不安から浮上する反対、その反対運動がどれほど拡大しても熊本県は、この最終処分場計画を認める方向で行政を執るという見解にある。
 そのエビデンス(根拠)は昨年10月、上益城広域連合(熊本県上益城郡5町)の新ごみ焼却処理施設の建設及び整備、それに同運営を株式会社大栄環境(大阪府)・有害物質回収協業組合石坂グループ(熊本市)JVの民間企業に委託するとして突然、その協議開始の締結に蒲島知事が立ち会った事にある。
 詳しくは後述するが、大栄環境・石坂グループは確保された土地を借用して、そこに焼却処理施設を建設する計画で、その土地確保に尽力したのが星山商店という噂が第1点。そして大栄環境は、処理施設の建設を業界のトップメーカー辺りに発注する訳だが、その処理型から最終処分場を要するという背景、これが第2の理由。即ち、星山商店が計画の最終処分場は、熊本県行政にとって必至の環境インフラ。
 ここで断っておくが、最終処分場は住民、県民にとって必要不可欠の環境インフラ。



 2008年、県は県北の南関町に県営最終処分場を竣工させた時、「次は県南」と計画を発表。ところが同年、蒲島知事が就任すると、その構想は吹っ飛び、そこから14年、単に環境インフラだけでなく奇々怪々なる行政が始まった。
 上益城広域連合(上益城郡5町)の新ごみ処理施設の建設、同運営について「大栄環境、石坂グループから県に提案があって、そこで民間企業への委託に決定」と言われ、それで『ハイ、判りました』と簡単に納得する方が不可解。
 勿論、提案を受けたのが蒲島知事で誘導、主導が同知事とは、県政に関わりが強い側に行く程、それを信じている者はいない。
 陳情、要請で関わりの多い某地元経済人が「統計学の学者にリーダーシップは勿論、行政の実務を求めるのは酷な話」と見解を述べたが、それでは、表現は悪いが「裸の知事様」である。


 民間企業への委託とはいえ、耐用年数25年間しても何百億円の公金が投下される環境インフラ。果たして県行政の誰が、こんな不透明で、奇々怪々なる事業を推し進めようとしているのか…。(次号へつづく)