新型コロナの感染拡大で、経営に打撃を受けた農家に対する交付金の支給要件が突然、それが厳格化された事で農家の間に混乱が拡がった。
果樹、茶、花、野菜農家に対して6月〜8月、翌シーズンの生産を支援する「高収益作物次期作支援交付金」の公募が行われた。
機械導入や資材購入に対し、10アール当たり5万円を基本に支給される予定であった。1町歩当たり約50万円。
ところが、この第1次公募期間の申請総額は約450億円と、予算242億円の2倍近くに膨らんだ。
リンゴ等の価格が下がっていない作物や、コロナ流行前に出荷された玉ねぎ等、コロナ禍とは無縁な作物の申請が多く含まれていた(農水省談)というのだ。
農水省は今月12日、既に申請済みを含め交付額を実際の減収額以下にすると変更。即ち、コロナによる減収を証明する申告書の提出を求めた。
この農繁期に減収証明の申告書など農家にあっては面倒な作業だが、それ以上に問題なのは、「申請通りの支給」を見込んで肥料、資材等を準備した先行投資の農家。その対策に苦慮すると予想されるのが、農家の相談窓口となるJAと都道府県農水部。
農水省は「当初から要件を厳しくすれば農家が申請出来ず、営農を断念するという恐れがあった」と釈明するが、これ事態が農家にとっては騙しである。