万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

オバマ大統領異母弟の自伝は何を語るのか?

2009年11月06日 12時35分01秒 | アメリカ
オバマ大統領の異母弟が自伝 父親の暴力明かす(朝日新聞) - goo ニュース
 現職の大統領の異母弟、しかも、中国在住というだけで、デサンショ氏の発言は、否が応でも世間の注目を集めそうです。そのデサンショ氏が明かしたという父親の暴力、果たしてこの発言、どのように読めばよいのでしょうか。

 もしかしますと、しばしば軟弱と非難されるオバマ外交の原点は、大統領自身の幼少の頃の経験にあると言いたいのかもしれません。デサンショ氏の述べたことが事実であるならば、大統領もまた、幼き日の記憶に父親が暴力を振う姿を残しているかもしれませんし、あるいは、長じて母親から父親の振舞いを聞いたとも考えられます。暴力よりも話し合いを、という大統領の基本姿勢は、家庭の原風景に根ざしているかもしれないのです。

 こうしたナイーブな見方がある一方で、デサンショ氏が中国在住という点を考慮しますと、さらに深読みをしなければならないのかもしれません。オバマ兄弟は、大統領の訪中に合わせて北京で再会を予定しているとのことですが、中国政府が、この機会を政治的に利用しないはずはありません。中国政府は、米中友好の演出を望んでいるようにも思えますし、あるいは、オバマ兄弟の弟を手中の駒とすることで、兄に揺さぶりをかけているようにも見えるのです。

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