万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の為替政策に対する対抗措置を

2009年11月10日 15時31分52秒 | 国際経済
中国経済3つのシナリオ(ニューズウィーク日本版) - goo ニュース
 自由貿易体制であれ、グローバル市場であれ、政府の介入は、競争条件を歪めるものです。中国の経済力が、不透明な元安政策や輸出促進政策に基づいているとしますと、他の諸国は、中国製品に対して輸入規制をかけてもよいのではないかと思うのです。

 中国は、他国の関税率の引き上げやセーフ・ガードの発動には”保護主義”として非難していますが、元安政策や資本取引の制限もれっきとした”保護主義”政策です。何故ならば、政府による為替政策は、輸出品の不当な価格操作に当たりますし、自国だけが資本市場を閉ざすこともアンフェアであるからです。特定の国だけが、自国に有利な政策を採ることを許しますと、国際経済の歪みは永遠に是正されません。ここで、相互主義の原則を打ち立てておきませんと(為替管理政策を行っている国に対しては、対抗措置を認める・・・)、国際経済は、中国経済に飲み込まれてしまうことになります。

 アメリカの失業問題の始まりが、ブレトン・ウッズ体制におけるドル高に起因した製造業の衰退にあるとしますと、膨大な人口を抱える中国は、他国の雇用を犠牲にしても、元安政策の維持を望むかもしれません。もし、中国が、不公正な政策手法の廃止を拒むならば、他の諸国が対抗措置を導入するしか解決の道はないのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする