万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

子供手当は子供をスポイルする?

2011年01月18日 15時50分15秒 | 日本政治
川崎市長、地方負担拒否正式表明…子ども手当(読売新聞) - goo ニュース
 子供手当は、社会全体で子供を育てるべし、とする社会主義思想に基づいて、民主党政権の下で始まりました。このため、所得制限も設けていないのですが、子供手当は、本当に子供たちのためになるのでしょうか。

 近年、我が国の競争力低下の原因として、豊かな時代における若者のハングリー精神の欠如や安定志向が指摘されてきました。アジアをはじめ、新興国がエネルギッシュな活力の下で急激な成長を遂げる一方で、日本国は、ぬるま湯につかった状況にあります。これ以上、”ぬるく”しては、この傾向に拍車をかけることになりますし、気骨の喪失は、就職に際して国際競争に負けることを意味します(最近は、企業は、外国人雇用を増やしている…)。また、厳しい環境の中で育つ方が、子供の人格や創造力を育むにはプラスになるという考え方もあります。たとえ富裕者であっても、敢えて子弟に贅沢を許さず、貧しい環境に置くという教育方法は珍しいものではありません。子供達をスポイルしないための、経験知に基づく工夫なのでしょう。

 財政的な支援を行うことが、子育ての支援になるとは限らず、子育てというものが、心を備えた人を育てる行為であれば、なおさらのことです。教育論なき安易な”ばらまき”政策は、結局、子供たちをだめにしてしまうかもしれないと思うのです。

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コメント (10)
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